アジア映画巡礼

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正統派も黙ってはいられない! と『ハヌ・マン』がやってくる!

2024-07-12 | インド映画

昨日、『モンキーマン』をご紹介したばかりですが、本日なんと!テルグ語映画『ハヌ・マン』10月4日(金)からの公開がアナウンスされました。今年5月に「テルコレ」で紹介されたばかりの作品ですが、あの時は英語字幕上映でしたね。今回はちゃんと日本語字幕も付いて、たっぷりとストーリーをお楽しみいただけます。まずは本日解禁になった日本版予告編と映画のデータをどうぞ。

『ハヌ・マン』予告篇

 


『ハヌ・マン』 公式サイト(工事中)
 2023年/インド/テルグ語/158分/原題:Hanu-Man
 監督:プラシャーント・ヴァルマ
 出演:テージャ・サッジャー、アムリタ・アイヤル、ヴァララクシュミ・サラトクマール、ヴィナイ・ラーイ、ラヴィ・テージャ(声の出演)
 配給:ツイン
10月4日(金)より新宿ピカデリーほかロードショー公開

ハヌマーンは皆さんよくご存じのように、インドの古代叙事詩「ラーマーヤナ」に登場する猿の武将です。森に居住していたラーマが、弟のラクシュマンと共にランカー島の魔王ラーヴァナの奸計にはまり、森で黄金の鹿を追いかけている間に妻シーターがラーヴァナにさらわれてしまうのですが、当初さらった相手がわからず、シーターを求めてラーマとラクシュマンが旅をしている時に出会ったのがハヌマーンでした。その後、シーターがランカー島の魔王ラーヴァナに囚われていることがわかり、ラーマは空を飛べるハヌマーンに自分の指輪を託して、シーターに会いに行かせます。ランカー島に無事着陸して、シーターに指輪を渡すことができたハヌマーンでしたが、ラーヴァナの手下につかまってしまい、結局ラーヴァナの宮殿に火を付けて炎上させ、そのすきに逃げ帰ってラーマに状況を報告します。こうしてラーマたちは猿の軍隊の助けを借りてランカー島に攻め入り、ラーヴァナを倒してシーターを奪還、ラーマの王城があるアヨーディヤへと帰還したのでした。

この「ラーマーヤナ」の中で、ハヌマーンが「スーパーお猿」であることを示すシーンがいくつかあるのですが、上の神様シールに描かれたシーンは、戦いの中で傷ついたラクシュマンを助けるために、ヒマラヤ山中に生えるという薬草を探しにランカー島からヒマラヤまでひとっ飛びする、というエピソードのシーンです。ヒマラヤの山に無事到着したハヌマーンですが、「いっぱい草が生えていて、どれが薬草かわからん。よし、山ごとひっこ抜いてランカー島まで運んでいこう」と山を片手に掲げて飛んでいくことになります。ハヌマーンのエピソードの中でもつとに有名なシーンで、ハヌマーンを描く絵にはよく登場します。シールの下方に書かれているヒンディー語は、「ジャイ・バジュラング・バリー(ハヌマーン万歳)」で、このハヌマーンを讃える言葉は、『バジュランギおじさんと、小さな迷子』(2015)をご覧になった方にはお馴染みですね。

ハヌマーンは人気者で、特にマッチョな人、あるいはマッチョに憧れるには絶大な人気を誇るキャラクターです。従って、こういうムキムキの肉体を持ち、手にはガダーと呼ばれる武器を携え、ラーマへの忠誠を誓う姿がよく描かれます。このシールも、下にはタミル語で「ジャイ・シュリー・ラーム」と書かれていますが、ハヌマーンの右手の手のひらには「シュリー・ラーム」とヒンディー語で書いてあります。こんなキャラのハヌマーンは、特にクシュティーと呼ばれるインド式レスリングの選手たちからは絶大な信仰心を寄せられ、彼らの憧れの的となっています。映画『PK/ピーケイ』(2014)には、ニューデリー南方にあるハヌマーンの巨大な像が登場していましたし、バジュランギー信仰はインド各地で見られます。『ハヌ・マン』の中でも、ハヌマーンに対する篤い信仰心がしっかりと描かれていますので、ぜひお楽しみに。

 


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