アジア映画巡礼

アジア映画にのめり込んでン十年、まだまだ熱くアジア映画を語ります

台北で羅卓瑤(クララ・ロー)監督回顧展「直観與感通 羅卓瑤的電影生命」本日より始まる

2022-03-04 | 中国語圏映画

羅卓瑤(クララ・ロー)監督を憶えていますか? 許鞍華(アン・ホイ)監督よりは一世代下ながら、『あの愛をもう一度(我愛太空人)』(1988)でデビューして以降、香港社会、ひいては世界の華人社会を見つめて作品を作り続けてきたマカオ生まれの女性監督です。日本では、『ジョイ・ウォンのリインカーネーション 輪廻転生(潘金蓮之前世今生)』(1989)、「アジアン・ビート」シリーズの『オータム・ムーン(秋月)』(1992)などが公開されていますが、アーティスティックな映画作りの中に、人の本質に迫る鋭さと人を包み込むような暖かさがあって、私の大好きな映画作家でもあります。伴侶の方令正(エディ・フォン)も脚本家、監督として知られており、香港返還直前にオーストラリアに移住してからは、オーストラリアのメルボルンをベースに映画を作り続けています。下はデビュー当時の写真で、30年前の写真ですが、今もあまり変わっていません。

昨年の台湾金馬奨では、最優秀作品賞は東京FILMeXで上映された『瀑布』が授賞したのですが、クララは最新作『花果飄零』により最優秀監督賞を受賞しました。『花果飄零』の予告編はこちらです。

DRIFTING PETALS 《花果飄零》 電影預告

 

その前から企画が進行していたようですが、本日3月4日から、台湾の「台北の家」という文化センターで、クララ・ローの回顧展「直観與感通 羅卓瑤的電影生命」が開かれています。下は、その展示の様子です。上の展覧会のHPを見ていただくと(なぜかリンクが張れないので、すみませんがご興味がおありの方は台湾版Yahoo!等でググって下さい)、クララ・ローの監督作が2週間にわたって上映されているスケジュールが出てくるのですが、早くも売り切れの回がたくさん出ています。

どうしてこんな写真を持っているかというと、さっきオーストラリアのメルボルンにいるクララ・ローが送ってきてくれたためで、何と、1月1日に私が送った年賀状とカレンダーが、ついさっき、まるでオープニングを祝うように届いたのだとか。渋谷の郵便局で、「オーストラリアも小型包装物はまだ船便でしか送れません」と言われてがっかりしたことがウソのような、グッドタイミングです。本来なら、クララ・ローとエディ・フォンが二人して台北に招かれ、オープニングを飾るはずだったのですが、コロナ禍でダメになり、メルボルンの自宅にいたことも幸いしました。というわけで、がっかりしていた2人を励ます?こともできたようで、神様、ありがとう、という感じです。

上は『花果飄零』のプレスの表紙なんですが、プリントアウトしたものをスキャンしたので、黒い部分がまだらになっていてすみません。この映画の舞台は、オーストラリア、香港、そしてマカオ。予告編でちらと登場したように、生々しい香港も写されているようです。日本でもFILMeX等で上映されるよう、これからクララ・ローにエントリーを勧めようと思っています。すごい低予算で作ったそうで、「D.I.Y.映画なのよ」と言っていましたが、手作り映画とはいえクオリティの高さは予告編からもうかがえます。クララとエディの意向を聞いて、日本公開をめざしてちょこっと動いてみようと思います...。そうそう、台北にいらっしゃる方でこのブログをご覧になっていたら、ぜひ「台北之家」にいらしてみて下さいね。中山北路二段にあり、捷運の駅からも近いです。できてちょうど20年、がんばって活動をしていて、開館直後に見学に行った者としては感激です。早く、もう一度行けるようになりますように!

 


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 「世界の豆食文化」@「vesta... | トップ | インド映画自主上映会:タミ... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

中国語圏映画」カテゴリの最新記事