専修大学で中国のドキュメンタリー映画の上映が行われます。ずっと中国のドキュメンタリー映画の研究を続けておられる土屋先生からのご案内で、胡傑監督作品が何本か上映されるのですが、中でも興味深いのが『文革宣伝画-紅色美術』という作品です。文革=プロレタリア文化大革命期(1966~1976)に描かれた独特の宣伝画について、多角的に分析がなされているようです。この作品を中心とした討論会もありますので、ご興味がおありの方はぜひどうぞ。チラシをそのままスキャンして貼り付けておきます。
うちの書庫にも、文革当時に出版された映画関連本があるのですが、絵柄が独特です。下に、3冊ほど挙げておきましょう。それぞれ、出版年と出版社、簡単な説明も書いておきます。
「讃彩色影片《智取威虎山》」(1970年/香港三聯書店)~ツイ・ハーク監督の『タイガー・マウンテン 雪原の死闘(原題:智取威虎山)』(2015)の元ネタとなった映画の評論集。
「紅色小号手」(1973年/上海人民出版社)~表題作を初めとするアニメ7作品のストーリー集。原画がそれぞれ挿絵として使ってあって楽しい、というか勇ましい。
「閃閃的紅星」(1975年/広西人民出版社)~脚本のノベライズと評論集。挿入歌の楽譜も入っている。
こんな時代のプロパガンダ美術が、「文学宣伝画-紅色美術」の中ではどのように紹介されているのでしょうね。私は残念ながら最終土曜日なので参加できないのですが、中国映画史に興味のある方は特にお見逃しなく。