
今日6月29日「音楽教育の会」が『十二の月のおくりもの』の名称で主催した<林光さんの音楽をオーケストラで聴く会>を聴いてきた。大阪フィル、マリンバの通崎睦美さん、チェリストの藤原真理さん、林光さんが座付き作曲家をしておられた「こんにゃく座」の竹田恵子さんら素晴らしいアーティストの方々と、大阪すみよし少年少女合唱団の共演を生で聴いてきた。
「十二の月のおくりもの」のコンサートが6月最後の土曜日に開催されるということで、昨年秋にチケットが売り出された。
このチケットを巡って、私は一生忘れないだろうことを経験をした。
丁度「女声合唱団風」の指揮者とメンバーで行く毎年恒例の秋の旅行の計画がなされている頃だった。
旅行の担当になった英子ちゃんが旅行日程表を作って参加者に配ってくれた時、団でまとめて買った今日のコンサートのチケットも同時に手渡された。
チラシ、チケットをクリアカバーに挟みながら、「音楽教育の会」事務局の住所と事務局長のお名前の書かれた白い封筒を見て、あらっ、同じ町の方だと思った。
参加予定にしていた旅行は、結局行かないことにした。
父の世話で煩雑な毎日を送っていてしばらくして、この日にもらってきたコンサートのチケットやチラシ、白い封筒が見当たらないことに気づいた。
『忽然と消えた』という表現がピッタリ。
練習日のことだったから、隣の人のカバンに間違えて入れた可能性を思って尋ねてみたり、練習帰りに立ち寄ったところに訊いてみたり・・毎日のように家探ししたり・・・・不可思議で訳がわからない何とも釈然としない気持でひと月ほど過ごしていた。
仕方なく思い直して、事務局長に、紛失ということで2枚チケットを新たに購入したいとメールを送ると、合唱団でまとめて購入していたことを理解して下さり、先のチケットが出てきたらこれを返送するということを約束して、再発行して下さった。
そして数か月経った今年3月19日にピアノの調律をしてもらった時のこと。
調律師さんが帰られたあとのテーブルに、チラシ、チケットと封筒、そして旅行日程表の紙が挟まった透明のクリアカバーが置かれていた。その瞬間、へっ!調律師さんが持ってたん?とあり得ないことが頭をよぎった。
「グランドピアノの蓋を開けたらそれが出てきました」と調律師さん。
練習から帰って、多分ピアノの譜面台あたりに置いて、父の世話のためにあわてて実家に行っただろうことを思い出す。
滑りやすいクリアカバーがピアノの中にツルンと入り込んだのだろう。
ピアノの弦に触れないところに身を潜めるようにいたのだから、蓋を開けるまで想像すらしなかったことだ。
紛失したと思った時みんなに「きっととんでもないところから出てくるわよ」と言われた通りの椿事。
林さんの作品を何度も演奏したり、その演奏のCDを出されているような、素晴らしいアーティストの方々の生演奏については、また次回に書こうと思う。