このところイワナ狙いで釣行していますが、エサ釣りでは針がいい位置に掛からなかったり飲まれたりしています。それがテンカラでは上アゴのいい処に掛かったので、きっと針の形状がマッチしてないのだと思います。ヤマメの硬くてとんがったアゴに対して、イワナは丸いアゴに小さな口です。ですんできっとイワナに最適な針の形状というものがあると思います。今までイワナを専門に釣ったことはあまりなかったのですが、さりとてキツネ型のスレ針では一気に走られたときに不安があるので、とりあえず今まで使っていたヤマメ(アマゴ)用の針で様子を見ております。
タケダが普段よく使っているカツイチV長良LTRという針はアユ針なのですが、「長良型」という掛かりを優先した針で、線径も細くなっていてバネのような弾力があります。虫エサの刺さり、活きもすごくいいです。掛かりがよく細糸で合わせが効かなくてもスッと「乗る」反面、糸を緩めると外れやすいという欠点があるのですが。ちなみに結び方は引けば引くほど締まっていくように結べば、ギザ耳になってるのですっぽ抜けなくなっています。
ところでヤマメの場合、流れの強い場所で上流側から強く引っ張られると、これは上アゴに針が掛かっている場合なのですが、口を大きく開けて抵抗するという習性を見せることがあるということです。このとき急に竿に掛かる重みが倍加したような感触がありますし、結構この時に針が瞬間的に伸びてバレてしまいます。サケなど産卵の時に口を限界まで大きく開けますが、急流の中で口が90度以上開くわけですから、竿を寝かせれば寝かせるほどテコの原理で針のフトコロに負荷が集中してしまうわけです。線径の細い針、長軸の針では持ちません。ですから急流の中でどうしても竿を寝かせなくてはならない場合、テンションをギリギリまで緩めます。そして仕掛けを完全に流れと平行に持っていけば首振りは収まってくれるはず。
イワナの場合はこの「口を開ける」という習性はないようです。その代わりに底石と底石の間を縫うように泳ぐという行動を見せます。本当に身の危険を感じたときには、岩と岩の隙間にさえ潜っていきます。底すれすれを泳ぐのだから、「流れと平行」は使えませんね。
ヤマメは自分のヒレが石に当たるのを極端に嫌がる感じがあるのですが、イワナは割りと平気な感じがあります。これは、イワナの体が蛇のように柔軟であることも関係していると思います。
だからといってイワナはヤマメよりもやり取りが楽かというとそうでもないようです。それはイワナが底に潜れない場合、やはりヤマメと同じように首を振りながら下っていくからです。滝のようになっていて「ここは絶対に降りていかないだろうな」と思うようなところでも下っていきます。ですからこういう状態にならないように未然に食い止めるしかありません。かといって強引勝負をもくろんで太糸にし、流れ方がおかしいと食ってこないのでここが難しいところです。針だって針軸をエサで隠した時とそうでない時とでは食いが違うくらい、結構眼がいい魚なのですから。
それでイワナのこの「底を泳ぐ」という習性を利用して、急流を遡らせようと試みているのですがなかなかうまくいきません。あえて下流側からテンションをかけてみても、こちらの言うことを聞いてくれないのです。登るときはズンズンと勝手に登っていくのですが。イワナは引かれた方向と逆の方向に泳ぐわけではなさそうです。上流からテンションを掛けようが、下流からテンションを掛けようが、針が掛かっているのは口の周りなのですから、これは無理もないことなのかもしれません。
もう一つ困ったことは、イワナは底で休むということです。ヤマメなら泳ぎ疲れるとヘチ寄りの流れの緩いところで休むわけですが、イワナの場合底に張り付いて体力の回復を図ろうとするようです。だから釣り人から見るとイワナはなかなか弱らないように感じられます。底に張り付いている時はもちろん、そうでなくても苦し紛れで水面に顔を出すということが少ないため、トータルしても引き抜くチャンスが少ないのだから、それだけ隙がない魚と言えるかもしれません。
またヤマメの場合空気を吸わせる(※)ことで徐々に弱らせるという取り込み方もあるのですが、イワナの場合結構これがしんどいです。いったん顔を出させても油断するとすぐにまた潜ってしまいます。このときダッシュされやすいようです。イワナでもネイティブのイワナじゃなくて放流魚の血が混ざった雑種のイワナだと、身の危険を感じたときにダッシュするという習性を持っていますので、スリルを楽しませてくれます。雑種タイプはぬめりがほとんどないというのもいいですね。
イワナでもヤマメでも筋肉は白筋がほとんどで、基本的に持久系ではなく瞬発系で、その持続力は水域の溶存酸素量に大きく左右されるというところは一緒です。骨格とかヒレとかはそれほど違いはないように見えます。イワナでも急流に棲む個体では浮袋は背中に貼り付いて萎縮しています。
ですが跳躍や急浮上が得意なヤマメと底石の間を縫うように泳ぐことができるイワナとでは運動能力が大きく違っているようにも見えます。エサを捕る際も、ヤマメはちょうどゴールキーパーのように上下左右に動いてエサを待ち構える習性を持っているのに対して、イワナはエサと共に並走して、特定の捕りやすい位置で捕食する傾向が強い(白バイ隊員みたい)です。よそ見をしていると、いつの間にか活かしビクやタモから飛び出しているというのもイワナの特徴。
そうしてみると、これは体形というか筋肉のつき方から来るものなのかなあという気もいたします。
それともう一つ。イワナの場合は、白泡の中でも、流下するスピードがゆっくりであれば視認するということ。眼が良いんですね。これは意外な盲点でありました。ヤマメの場合はとにかく「魚から見えやすい流れ」というのが要点で、入り波の仕掛けの入り方、つまりフォールの途中に最大限集中します。白泡の水面なんて見づらい流れは対象外なんですね。これがイワナだったら白泡の水面に着水直後上流側からブレーキをかけてやればよいわけで、こういうポイントなら太糸でも攻略できますね。
竿は引き抜きを考えると高反発な竿の方が良さそうに思えますが、高反発な竿だとダッシュされたときにどうしても糸が切れやすいのと、やっぱり魚がイヤイヤをするので低反発の方がよさそう。今のところ、食い波に乗せやすい点でも低反発かなあと思います。
「空気を吸わせる」:魚の鰓を水面から出すことで、新鮮な水が触れるのを妨害し、酸素の供給を絶って体力を奪うという技。ヘラブナ釣りなどでよく使われる。
タケダが普段よく使っているカツイチV長良LTRという針はアユ針なのですが、「長良型」という掛かりを優先した針で、線径も細くなっていてバネのような弾力があります。虫エサの刺さり、活きもすごくいいです。掛かりがよく細糸で合わせが効かなくてもスッと「乗る」反面、糸を緩めると外れやすいという欠点があるのですが。ちなみに結び方は引けば引くほど締まっていくように結べば、ギザ耳になってるのですっぽ抜けなくなっています。
ところでヤマメの場合、流れの強い場所で上流側から強く引っ張られると、これは上アゴに針が掛かっている場合なのですが、口を大きく開けて抵抗するという習性を見せることがあるということです。このとき急に竿に掛かる重みが倍加したような感触がありますし、結構この時に針が瞬間的に伸びてバレてしまいます。サケなど産卵の時に口を限界まで大きく開けますが、急流の中で口が90度以上開くわけですから、竿を寝かせれば寝かせるほどテコの原理で針のフトコロに負荷が集中してしまうわけです。線径の細い針、長軸の針では持ちません。ですから急流の中でどうしても竿を寝かせなくてはならない場合、テンションをギリギリまで緩めます。そして仕掛けを完全に流れと平行に持っていけば首振りは収まってくれるはず。
イワナの場合はこの「口を開ける」という習性はないようです。その代わりに底石と底石の間を縫うように泳ぐという行動を見せます。本当に身の危険を感じたときには、岩と岩の隙間にさえ潜っていきます。底すれすれを泳ぐのだから、「流れと平行」は使えませんね。
ヤマメは自分のヒレが石に当たるのを極端に嫌がる感じがあるのですが、イワナは割りと平気な感じがあります。これは、イワナの体が蛇のように柔軟であることも関係していると思います。
だからといってイワナはヤマメよりもやり取りが楽かというとそうでもないようです。それはイワナが底に潜れない場合、やはりヤマメと同じように首を振りながら下っていくからです。滝のようになっていて「ここは絶対に降りていかないだろうな」と思うようなところでも下っていきます。ですからこういう状態にならないように未然に食い止めるしかありません。かといって強引勝負をもくろんで太糸にし、流れ方がおかしいと食ってこないのでここが難しいところです。針だって針軸をエサで隠した時とそうでない時とでは食いが違うくらい、結構眼がいい魚なのですから。
それでイワナのこの「底を泳ぐ」という習性を利用して、急流を遡らせようと試みているのですがなかなかうまくいきません。あえて下流側からテンションをかけてみても、こちらの言うことを聞いてくれないのです。登るときはズンズンと勝手に登っていくのですが。イワナは引かれた方向と逆の方向に泳ぐわけではなさそうです。上流からテンションを掛けようが、下流からテンションを掛けようが、針が掛かっているのは口の周りなのですから、これは無理もないことなのかもしれません。
もう一つ困ったことは、イワナは底で休むということです。ヤマメなら泳ぎ疲れるとヘチ寄りの流れの緩いところで休むわけですが、イワナの場合底に張り付いて体力の回復を図ろうとするようです。だから釣り人から見るとイワナはなかなか弱らないように感じられます。底に張り付いている時はもちろん、そうでなくても苦し紛れで水面に顔を出すということが少ないため、トータルしても引き抜くチャンスが少ないのだから、それだけ隙がない魚と言えるかもしれません。
またヤマメの場合空気を吸わせる(※)ことで徐々に弱らせるという取り込み方もあるのですが、イワナの場合結構これがしんどいです。いったん顔を出させても油断するとすぐにまた潜ってしまいます。このときダッシュされやすいようです。イワナでもネイティブのイワナじゃなくて放流魚の血が混ざった雑種のイワナだと、身の危険を感じたときにダッシュするという習性を持っていますので、スリルを楽しませてくれます。雑種タイプはぬめりがほとんどないというのもいいですね。
イワナでもヤマメでも筋肉は白筋がほとんどで、基本的に持久系ではなく瞬発系で、その持続力は水域の溶存酸素量に大きく左右されるというところは一緒です。骨格とかヒレとかはそれほど違いはないように見えます。イワナでも急流に棲む個体では浮袋は背中に貼り付いて萎縮しています。
ですが跳躍や急浮上が得意なヤマメと底石の間を縫うように泳ぐことができるイワナとでは運動能力が大きく違っているようにも見えます。エサを捕る際も、ヤマメはちょうどゴールキーパーのように上下左右に動いてエサを待ち構える習性を持っているのに対して、イワナはエサと共に並走して、特定の捕りやすい位置で捕食する傾向が強い(白バイ隊員みたい)です。よそ見をしていると、いつの間にか活かしビクやタモから飛び出しているというのもイワナの特徴。
そうしてみると、これは体形というか筋肉のつき方から来るものなのかなあという気もいたします。
それともう一つ。イワナの場合は、白泡の中でも、流下するスピードがゆっくりであれば視認するということ。眼が良いんですね。これは意外な盲点でありました。ヤマメの場合はとにかく「魚から見えやすい流れ」というのが要点で、入り波の仕掛けの入り方、つまりフォールの途中に最大限集中します。白泡の水面なんて見づらい流れは対象外なんですね。これがイワナだったら白泡の水面に着水直後上流側からブレーキをかけてやればよいわけで、こういうポイントなら太糸でも攻略できますね。
竿は引き抜きを考えると高反発な竿の方が良さそうに思えますが、高反発な竿だとダッシュされたときにどうしても糸が切れやすいのと、やっぱり魚がイヤイヤをするので低反発の方がよさそう。今のところ、食い波に乗せやすい点でも低反発かなあと思います。
「空気を吸わせる」:魚の鰓を水面から出すことで、新鮮な水が触れるのを妨害し、酸素の供給を絶って体力を奪うという技。ヘラブナ釣りなどでよく使われる。