環境に配慮した「閉鎖循環式陸上養殖システム」
株式会社陸上養殖工学研究所は、環境を汚さず、高い生産性を実現する、クルマエビと魚の閉鎖循環式陸上養殖システムの実用化研究を完了しました。特に、クルマエビでは世界初となります。
株式会社陸上養殖工学研究所
2001年2月1日に、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構生物系特定産業技術研究支援センターの出資により、水の浄化と魚介類の飼育技術を確立し、「閉鎖循環式陸上養殖システム」を実用化することを目的に設立。
日本の水産業においては、(1)水産資源の減少、(2)国際的な漁業制限などが背景となり、つくり育てる漁業=栽培養殖への取り組みが重要となっています。
しかし、現在は、養殖に適した沿岸海域がほぼ使用し尽くされている中、(1)赤潮被害、(2)病気の多発、(3)海洋汚染など多くの問題を抱え、安定した経営が困難になっています。
これらの課題の克服が今後の養殖事業の進展にとって不可欠です。
当社は、独自の海水調整技術により、クルマエビと魚の完全閉鎖養殖システムを実現しました。特に、これまで海水の入れ換えなしでは養殖が不可能であったクルマエビについての完全閉鎖養殖システムは世界初となります。これらの養殖システムにより、安定かつ高い生産性を有した安全・安心な養殖生産を可能としました。
本研究により、閉鎖養殖が広く普及し、それに伴って、国策でもある水産物自給率の向上に対して貢献できるものと考えます。
当社閉鎖循環式陸上養殖システムの特徴
(1)クリーン
今回開発した排泄物・残餌の回収技術と、飼育水を入れ換えする必要のない海水調整技術により、環境を汚さない。
(2)高効率
効率的な養殖生産で、安定的な養殖経営が可能。
・高い水浄化技術の開発で、成長が速く、病気の発生が少ない
・汚れの自動回収と浄化槽の洗浄が不要で重労働を改善
(3)低コスト
クルマエビ養殖システムは、新開発のプラスチック製飼育砂を用いた浄化機構により、浄化槽が不要となり、設備コストを低減。
魚養殖システムは、浄化槽と飼育槽の一体化により、設備コストを従来の1/2に低減。
(4)省スペース
(3)の浄化機構の開発により、設備がコンパクトとなり、場所をとらない。
(5)安全性
外部からの病気の侵入がなく、投薬の必要がないため、安全・安心な養殖が可能で、トレーサビリティの管理が容易。
1.クルマエビ養殖システム
高い生産性を実現するとともに、独自の海水調整技術の開発により、世界初となるクルマエビの完全閉鎖養殖を実現するシステムです。
新開発のプラスチック製の砂を敷いた飼育水槽、濾過器、電解pH調整装置および脱窒素装置で構成。
設備の特長
(1)海水の成分を調整する技術の開発で、1年以上換水なしで海水の継続使用(従来は4ヶ月程度)が可能となり、汚れを出さない。
pHを無投薬で調整する技術(電解pH調整技術)
蓄積する硝酸の除去技術(脱窒素技術)
海水成分調整技術
(2)新開発のプラスチック製砂の浄化機構により浄化槽が不要となり、設備コストを低減。
・高い浄化能力で成長に適した水質を維持し、高い養殖密度で成長が速く、高い生産性を確保。
養殖密度3kg/m2(従来養殖の1.5倍)
成長速度約4ヶ月(1gから20gの成長、従来は夏季のみで130日)
歩留まり90% (従来は70~90%)
・また、プラスチック製の砂は、エビが潜る時にストレスがなく、汚れが貯まらないため病気になりにくく、歩留りが高い。
・脱皮殻は自動的に回収するため、従来必要であった潜水作業による回収が不要で、飼育作業が容易となり、高齢者でも飼育が可能。
(3)浄化槽がないコンパクトな設備で、低コストと省スペース(設置面積630m2)を実現。
(4)外部からの病気の侵入がなく、投薬の必要がないため、安全・安心な養殖が可能で、トレーサビリティの管理が容易。
設備概要
総水量:300トン
浄化方式:新開発プラスチック製飼育砂による生物浄化方式
設備構成:飼育水槽100トン3基、濾過器、電解pH調整装置、脱窒素装置
2.魚養殖システム
飼育水槽とそれを取り囲むように置かれた浄化槽、食べ残した餌を取る濾過器、魚の出すタンパク質を取る泡沫分離器などで構成。対象魚種はクエ、ヒラメ、トラフグ等。
設備の特長
(1)1年以上換水なしで海水の継続使用が可能で、汚れを出さない。
(2)新開発の濾過材と、濾過材が常に流動する全流動方式で安定した水質を維持。
・高い養殖密度で成長が速く、高い生産性を確保。
クエの場合
養殖密度30kg/m3
成長速度1年目で800gの成長
歩留まり90%
・浄化槽は、全流動方式の採用で濾過材が汚れず、従来必要であった浄化槽の定期的な清掃が不要で、設備の管理が容易。
(3)分割ユニット化した浄化槽を飼育水槽まわりに配置し、飼育槽と一体化することで設備コストを従来の1/2に低減し、省スペース(設置面積66m2で従来のを実現。
(4)外部からの病気の侵入がなく、投薬の必要がないため、安全・安心な養殖が可能で、トレーサビリティの管理が容易。
設備概要
総水量:20トン(水槽直径6m)
浄化方式:生物浄化方式(濾過材全流動式)
設備構成:飼育槽、浄化槽、濾過器、泡沫分離器、脱窒素装置
飼育魚
魚養殖システムの実用性評価(魚種クエ)
1年間、ヒラメ掛け流し養殖業者に評価していただき、実用面での高い評価を得ました。
3.クリーンを実現する技術開発
閉鎖式の養殖システムは、魚やエビが育つ海水を安定的に維持し、海水を入れ換えする必要がない水質維持技術が不可欠です。
海水を長期間使用することによって起こる海水成分の変化が、魚やエビに与える影響をなくすため、電気分解による無投薬のpH調整技術、脱窒素技術および海水成分調整技術を開発しました。
※設備概要など詳細は添付の「オリジナルリリース」を参照
● 関連リンク
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 ホームページ
日経
株式会社陸上養殖工学研究所は、環境を汚さず、高い生産性を実現する、クルマエビと魚の閉鎖循環式陸上養殖システムの実用化研究を完了しました。特に、クルマエビでは世界初となります。
株式会社陸上養殖工学研究所
2001年2月1日に、独立行政法人農業・生物系特定産業技術研究機構生物系特定産業技術研究支援センターの出資により、水の浄化と魚介類の飼育技術を確立し、「閉鎖循環式陸上養殖システム」を実用化することを目的に設立。
日本の水産業においては、(1)水産資源の減少、(2)国際的な漁業制限などが背景となり、つくり育てる漁業=栽培養殖への取り組みが重要となっています。
しかし、現在は、養殖に適した沿岸海域がほぼ使用し尽くされている中、(1)赤潮被害、(2)病気の多発、(3)海洋汚染など多くの問題を抱え、安定した経営が困難になっています。
これらの課題の克服が今後の養殖事業の進展にとって不可欠です。
当社は、独自の海水調整技術により、クルマエビと魚の完全閉鎖養殖システムを実現しました。特に、これまで海水の入れ換えなしでは養殖が不可能であったクルマエビについての完全閉鎖養殖システムは世界初となります。これらの養殖システムにより、安定かつ高い生産性を有した安全・安心な養殖生産を可能としました。
本研究により、閉鎖養殖が広く普及し、それに伴って、国策でもある水産物自給率の向上に対して貢献できるものと考えます。
当社閉鎖循環式陸上養殖システムの特徴
(1)クリーン
今回開発した排泄物・残餌の回収技術と、飼育水を入れ換えする必要のない海水調整技術により、環境を汚さない。
(2)高効率
効率的な養殖生産で、安定的な養殖経営が可能。
・高い水浄化技術の開発で、成長が速く、病気の発生が少ない
・汚れの自動回収と浄化槽の洗浄が不要で重労働を改善
(3)低コスト
クルマエビ養殖システムは、新開発のプラスチック製飼育砂を用いた浄化機構により、浄化槽が不要となり、設備コストを低減。
魚養殖システムは、浄化槽と飼育槽の一体化により、設備コストを従来の1/2に低減。
(4)省スペース
(3)の浄化機構の開発により、設備がコンパクトとなり、場所をとらない。
(5)安全性
外部からの病気の侵入がなく、投薬の必要がないため、安全・安心な養殖が可能で、トレーサビリティの管理が容易。
1.クルマエビ養殖システム
高い生産性を実現するとともに、独自の海水調整技術の開発により、世界初となるクルマエビの完全閉鎖養殖を実現するシステムです。
新開発のプラスチック製の砂を敷いた飼育水槽、濾過器、電解pH調整装置および脱窒素装置で構成。
設備の特長
(1)海水の成分を調整する技術の開発で、1年以上換水なしで海水の継続使用(従来は4ヶ月程度)が可能となり、汚れを出さない。
pHを無投薬で調整する技術(電解pH調整技術)
蓄積する硝酸の除去技術(脱窒素技術)
海水成分調整技術
(2)新開発のプラスチック製砂の浄化機構により浄化槽が不要となり、設備コストを低減。
・高い浄化能力で成長に適した水質を維持し、高い養殖密度で成長が速く、高い生産性を確保。
養殖密度3kg/m2(従来養殖の1.5倍)
成長速度約4ヶ月(1gから20gの成長、従来は夏季のみで130日)
歩留まり90% (従来は70~90%)
・また、プラスチック製の砂は、エビが潜る時にストレスがなく、汚れが貯まらないため病気になりにくく、歩留りが高い。
・脱皮殻は自動的に回収するため、従来必要であった潜水作業による回収が不要で、飼育作業が容易となり、高齢者でも飼育が可能。
(3)浄化槽がないコンパクトな設備で、低コストと省スペース(設置面積630m2)を実現。
(4)外部からの病気の侵入がなく、投薬の必要がないため、安全・安心な養殖が可能で、トレーサビリティの管理が容易。
設備概要
総水量:300トン
浄化方式:新開発プラスチック製飼育砂による生物浄化方式
設備構成:飼育水槽100トン3基、濾過器、電解pH調整装置、脱窒素装置
2.魚養殖システム
飼育水槽とそれを取り囲むように置かれた浄化槽、食べ残した餌を取る濾過器、魚の出すタンパク質を取る泡沫分離器などで構成。対象魚種はクエ、ヒラメ、トラフグ等。
設備の特長
(1)1年以上換水なしで海水の継続使用が可能で、汚れを出さない。
(2)新開発の濾過材と、濾過材が常に流動する全流動方式で安定した水質を維持。
・高い養殖密度で成長が速く、高い生産性を確保。
クエの場合
養殖密度30kg/m3
成長速度1年目で800gの成長
歩留まり90%
・浄化槽は、全流動方式の採用で濾過材が汚れず、従来必要であった浄化槽の定期的な清掃が不要で、設備の管理が容易。
(3)分割ユニット化した浄化槽を飼育水槽まわりに配置し、飼育槽と一体化することで設備コストを従来の1/2に低減し、省スペース(設置面積66m2で従来のを実現。
(4)外部からの病気の侵入がなく、投薬の必要がないため、安全・安心な養殖が可能で、トレーサビリティの管理が容易。
設備概要
総水量:20トン(水槽直径6m)
浄化方式:生物浄化方式(濾過材全流動式)
設備構成:飼育槽、浄化槽、濾過器、泡沫分離器、脱窒素装置
飼育魚
魚養殖システムの実用性評価(魚種クエ)
1年間、ヒラメ掛け流し養殖業者に評価していただき、実用面での高い評価を得ました。
3.クリーンを実現する技術開発
閉鎖式の養殖システムは、魚やエビが育つ海水を安定的に維持し、海水を入れ換えする必要がない水質維持技術が不可欠です。
海水を長期間使用することによって起こる海水成分の変化が、魚やエビに与える影響をなくすため、電気分解による無投薬のpH調整技術、脱窒素技術および海水成分調整技術を開発しました。
※設備概要など詳細は添付の「オリジナルリリース」を参照
● 関連リンク
(独)農業・生物系特定産業技術研究機構 ホームページ
日経
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます