風のたより #87 千葉甫 2019-09-20 13:53:26 | 短歌 蝉の声まったく絶えて耳鳴りのやけに続いている暑い昼 昨日より暗い朝(あした)に眼が覚めて降っているかと聞き耳立てる そのうちにしようと思っているままに過ぎる日に日の重なる速さ
風のたより #86 千葉甫 2019-09-18 14:40:42 | 短歌 八月も残る二日に熊蝉の鳴く声の来て真夏日続く 予め準備していた言葉では足りなくなって押しまくられる 肯定と否定の思い交々に出てきて意見の固まってくる
風のたより #85 千葉甫 2019-09-16 14:59:14 | 短歌 朝の窓開ければ来ていた蝉の声絶えて今日から八月下旬 この年の初めての声 窓際でつくつくぼうし二度鳴いて去る 初めてのつくつくぼうし聞いてから聞かないままに五日目が行く
風のたより #84 千葉甫 2019-09-14 14:47:26 | 短歌 デッキから漂う海月を見た夏も照りつけていた白い太陽 所在なく見ていた窓の外の空 帰り始めた鴉の過ぎる ここまでは予定通りに過ぎて来た時間の躓く棘を抜くまで
風のたより #83 千葉甫 2019-09-12 14:32:51 | 短歌 遠くから打ち上げ花火の音が来る八月最後の土曜日の夜 真夏日の今日も続いて水分を摂っているかが挨拶となる ペン止めて記憶を探るある筈の言葉がふっと見えなくなって