風のたより #21 千葉甫 2019-05-11 15:08:46 | 短歌 おろおろと言葉を探す脳内につい先ほどまであったのだけれど 続けても理解はどうせ得られない寂しさ兆して言葉を濁す 電線の一つところに光るものあって人影見えない時間
風のたより #20 千葉甫 2019-05-09 14:29:41 | 短歌 また一人名前を馴染んできた人の訃のある記事を朝陽に開く 見上げている私をおそらく無視をして鴉の立っている屋根の上 咄嗟には人の名前の出てこずに会話途切れる夢の中でも
風のたより #19 千葉甫 2019-05-07 14:34:23 | 短歌 見られていた私の様の人づてに伝わってくる七日ほどして 挨拶を投げつつ過ぎる 立話している知人の後姿へ 意のままに動いてくれずこの夜もコンピューターに従わされる
風のたより #18 千葉甫 2019-05-05 14:30:07 | 短歌 伸びてきて窓から覗く一枝の木の葉の揺れて陽ざしの光る 口ずさむ声に眼をやる窓の外 後姿のしなやかな人 連想が連想呼んで永いこと忘れたままの面影浮かぶ
風のたより #17 千葉甫 2019-05-03 14:30:24 | 短歌 夜に入って出てきた風の行く音を耳で追いつつ今日の灯を消す 自らの答える声に眼が覚めて耳に来るのは風の囁き 執拗に主張続けているような鴉の声のある真昼どき