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村上宏之のブログです

イラストレータ

2005-11-09 11:24:55 | イラスト
 「絵を描く」ということには、ずっと以前から興味がありました。それはきっとまだ小学生だった頃から。じゃあ絵が上手かったのか、というと、描いてみたい、という気持ちとは裏腹に全くダメでしたね。かと言って熱中して練習するとか、絵ばっかり描いてるとかそういうこともなく、漠然と「絵が上手く描けたらいいのにな」と思う程度でした。

 俺の姉は、俺がまだ小学生の時にはもう高校生でした。それで、姉の文化祭を見に行ったんだけど、なんとなく覗いた美術部に油絵がたくさん展示してあったんだけど、その中に港を描いたもの…もしかしたら模写だったかもしれないですね…があって、その絵を見てると引き込まれて、波は動き、海がキラキラと陽光を反射している光景が見えて来ました。「絵って凄いな、面白いな」と思ったのはその頃からですね。

 その後も絵を見るのはそんなに嫌いじゃなくて、中学〜高校の頃は時間があれば学校の図書館へ行って画集を見たりしてました。その頃好きだったのはシュール・リアリズムで、ダリとかマグリットとかでしたね。ダリの絵は題名も「ナルシスの変貌」とか変わっているし、絵自体も騙し絵になっていたり、何だか人を喰ったような物が多くて楽しめました。

 マックでイラストとか描いてると、行程としては曲にドラムを付けるのによく似ていて、というか俺の取り組み方っていうのは、物は違っても実は似ているのかも、と思ったりしました。俺の場合、いきなりは描けないので写真をトレースするところから始まるんだけど、ドラムで言うと「コピーしてみる」というところですね。とにかくやたら写真をなぞって色んな線を描いて全体を捕らえて、その後簡単そうなとこからやって行くんですけど、それもコピーして分かるところをまずやってしまうのと近いですね。

 その後、写真は絶対に歪んでいたりするので、写真のレイヤーは消して、目で見て歪みをなおして全体の形と配置を決めます。一番楽しいのはその後の仕上げで、おおまかに色を付けたら一度全部描いた線は消してしまって、その上でどうやったら思った通りになるか、方法とかを考えて色々やってみたり、そういう時が一番時間も掛かるし、面倒くさいと言えばそうなんですけど。ドラムもそうで、曲を理解したら自分らしくなるように手順とかフレーズの置き換えを考えるんですけど、その時が一番楽しいですね。

 こうやったらオリジナルとは違うけど同じように聞こえて自分らしさも出る、というか叩きやすくなる、というような方法が見つかった時が一番嬉しいですね。それで、イラストは時間を置いて見直して、最初の写真とも見比べたてまたちょっとずつ修正するんですけど、それはドラムの場合だとリハで何度かやって修正して行くのに近いですね。

 ドラムの場合はキャリアもそこそこあるので、実際に一回やってみれば変えなきゃいけないとこや、もう一回練り直さなきゃならない所はすぐに分かるし、自分がどれだけ出来るのかも大体分かるので、比較的まとめるのも早いんだけど、イラストの場合はどこで終わればいいのか分からない時があります。

 マックのイラストレータにしろ、ワープロにしろ、俺にとっては魔法の道具そのものですね。実は字がとても汚くて、文章を書くのは好きなんだけど、字面を見るとイヤになったり…でもワープロはそんなこと考えなくていいし、イラストレータも直線や曲線を綺麗に描ける、というだけで感動しました。

 かつてはプラモデルなんかも大好きでパテ埋めして色を塗ったりしてましたけど、イラストを描くというのも、出来上がった模型を愛でるのと同じで、描いただけでも所有感を満足させられるし、車だったら色を変えて何台も並べられるし、結構自分に合った趣味だなー、と思いますね。最初に描いてみたのはギターで、それは身近にあって本物の細かいところを見られるし、種類も多くて元写真も入手しやすいとか、そういう理由でした。

 でも、そうしたらそれが役に立って、仕事でちょっと使えたりしたので、それはそれで良かったな、と思ってます。車のイラストは本当に自己満足だし、好きな車も偏っているし、何かになるとは到底思えませんが…。

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3 コメント

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Unknown (OBIRIN)
2005-11-09 17:02:42
好きな事、趣味、仕事、これら全てが何らかの共通点でつなげる事が出来れば、人生きっと、楽しいですよね。最近は、それも可能だと自然に思える様になりました。何処かでやはり全ては繋がっているんだと思います。
カタルシスを楽しむ=人生を楽しめる (しのちゃん)
2005-11-09 19:12:24
そういえば宏さんの書いた字って見たことないなぁ(^Щ^



ダリやダ・ヴィンチ、プロのデザイナーや画家も

描いては消し描いては消し...気の遠くなるような工程を経て

「無」から「有」を生み出し、同じ「ユウ」でも「優」にまでしていくんだよね。

イラストとドラムの作業工程の比較、とっても面白く読みました。(いつも楽しんで読んでるけどねん)
Unknown (ichigo daifuku)
2005-11-10 12:37:51
昔・・私がBLIZARDのファンになりたての頃でしょうか。宏之さんが”ZOID”というオモチャにハマっていたというのがとっても印象深く、何だかそのことをふと思い出しました。



ステージではあんなにカッコよくて一見クールなメンバーの皆さんが、実は「プラモデルやファミコン大好き」というのが、とてもギャップがある反面、実は親しみ易くて気さくな素顔を見たような気がしてちょっと嬉しかったのですが、それでもそこはどこか『男だけの世界=女人禁制』な気がして、オフタイムに夢中で遊ぶメンバー&スタッフの皆さんの姿を見て『男同志ってイイナ・・』と少しだけうらやましくも思ったりしたものでした。



ちょっと話題は外れましたが、最近感じていた違和感がまたひとつ解消された気がしました。宏之さんは実はあの時の宏之さんのままなんですね!ゾイドやラジコンが元々大好きだった宏さん。車のイラストもその延長なんだ!と・・・



私もダリの絵がとても好きです。最初に画集で見たのは「燃えるキリン」でした。展覧会にも何度か脚を運びましたが細部の細部まで丁寧に描いていて凄いなと思いました。



イラストレータは難しくて扱えないのですが、フォトショップでの彩色などは少しいじったことがあります。私も何だか絵を描いてみたくなりました。