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村上宏之のブログです

新しいスネア

2006-03-02 12:29:22 | ドラム談義
 去年の2月から新しいスネアをメインで使っています。ずっと使っていたTAMAからパールのスネアにしたんだけど、個人的には大きな出来事でした。それまで使っていたのはTAMAのバーチ、サイズは14インチ×6.5インチで、多分’84~’85年頃のスネアだと思う。

 その頃はスチール胴を使ってたんだけど、TAMAの人に「材質が鉄関係のものはどうしても時間が経つと材質が劣化して音が悪くなるけど、木胴は時間が経つとどんどん良くなるよ」と言われ、試しに出してもらったものでした。ただ、その頃は「スネアはスチールでしょ」と思い込んでいたので、木胴にちょっと抵抗感があったし、材質を何にしたらいいのかよく分からなかったんだけど、ドラム・セットがバーチだったのでスネアもそれで統一しました。

 でもそれを2年位使ったあと、セットをメイプルに代えた時にスネアもメイプルで深さが8インチの物にして、以後はずっとそれをメインにしてました。ところが酷使がたたって、ラグが壊れたり、リムが割れたりしてしまい、仕方無いので久々にバーチを使ったら、これが予想以上に良かったんですね。ずっと触らずに寝かせてたんだけど、いい状態で時間が経ったからTAMAの人が言っていた通り、音も落ち着いて鳴りも良くなってました。

 あと、サイズ(深さ)が薄い分セッティングも楽なので結構気に入ってたし、信頼感もありました。しかし、さすがに20年前のスネアなので、メイプル同様、ラグが壊れたり、スナッピー・スイッチやリムにも錆が出て来たりして、かなりくたびれてしまいました。胴だけ残してパーツを全部取り替えようかな、と思ってたんだけど、その時に知り合いから5年位前に¥10,000で買ったパールのスネアを思い出しました。

 安く買ったのはいいんだけど、状態があまり良くなかったのでサブにしてて、機材車が動かせないライブの時とかに持って行ってました。具体的にどこが良くなかったのか、と言うと、叩いた瞬間「何かおかしい」と分かる感じで、バラしてみたら、ラグを胴に留める、ラグの内側にあるネジの受け部分が弱いらしく、そこが壊れてたものが多く、ラグが胴から浮いた状態になってました。仕方無いのでサイズの合うネジを買って来て応急処置をして使ってました。

 そんな感じで時々叩いてたんだけど、使ってるうちにどんどんラグが駄目になって「これはもう限界だな」と思って、楽器屋とかでなんとなくラグを見たりはしてたんだけど、このスネアも使われているのが古いパーツなので、今売っているラグだと、どれが合うのかいまいち分からない感じでした。「どうしようかな」と思ってたんだけど、丁度その頃ツインペダルを買った時にお世話になったパール楽器のTさんに合う機会があったので、どこがどうでこうなってるんだけど、なんとかなりませんか?と相談してみました。

 そうしたら「そのスネアだったら、ラグはあれで、リムはあれで…」って全部揃えられると聞いたので、TAMAのスネアでは無く、パールのスネアをレストアする事に決めました。普通はスネアごとパールに送って直してもらうんだろうけど、自分で作業したかったのでパーツを送ってもらって組立は自分でやりました。まあ、そんなにすごい作業をしたわけじゃないんだけど。真新しいパーツを付けたら、これが予想以上にルックスが良くなって、リハで試すことも無く、いきなりライブで使ってしまったんだけど、かなり良くて気に入りました。

 でも100%・OKかと言うと、93%くらいで、バーチに比べると明るくて音もでかくていいんだけど、ちょっと「カラコロ」した感じがして、音抜けは抜群なんだけど、ちょっと軽い感じでした。当日のリハで叩いてみて少しチューニングを下げたんだけど、そうしたら打面があっという間にベコベコになっちゃったので、もう少し相性の良いヘッドを探さないと駄目みたいでしたね。

 それと各パーツ同士がもうちょっと馴染むと良くなるんじゃないかな?と思いました。ミス・ヒットなんかもはっきり出るようで、そういう意味ではややシビアというのか、扱いにくい感じもします。メイプルは元々そういうキャラクターなんですけど、パールはそれが顕著な気がします。それからTAMAと比べると裏面の主張が強い気がしました。ライン音源を聞くと、裏面のスナッピーの鳴りとかがTAMAよりはっきりしてて、ちゃんと気を使ってチューニングした方が良いみたいです。

 そういうわけで、その後合うヘッドを探したんだけど、ちょっとハイが出過ぎてサウンドが軽い感じもあったので、エバンスの2枚重ね、裏面にリング・ミュートの入ったヘッドにしました。ヘヴィ過ぎるかな?と思ったんだけど、これが大正解で、かなり出したい音になりました。あとはこのスネアの癖、緩みやすいボルトはどこか、とか、ヘッドの張り加減とか、そういうスネア自体の癖を覚えて気を遣うところをチェックするとか、そういったところを覚えれば完璧です。