栃木発「ちゃりあん」ブログ

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震災から2年。 ~予測をムダにしないために~

2013年03月08日 21時07分53秒 | 震災関連
僕の手元に赤茶けた新聞紙がある。

1997年9月1日の読売新聞の1面。

第43589号である。




保存した目的は別にあったが

先日、所蔵品を整理していたところ

これが目についた。



そこには

いまとなっては「警鐘」となるべき

重要な記事が掲載されていた。


およそ16年前の事実。

今後の防災のカギとなる予測。



以下、当時の記事を原文のまま紹介する。

なお、読売新聞社への転載許可は得ていないので

期間を限定して公開させていただき


指摘があれば即、削除することとする。




読売新聞 1997年9月1日月曜日 12版 1面より引用




三陸海岸や北海道

「過去超える津波予測」

国の調査委  注意喚起へ


 太平洋に直面した地域の津波対策を見直すため

国が設置した「太平洋沿岸部地震津波防災計画手法調査委員会」

(委員長=堀川清司・埼玉大学長*肩書は当時)は三十一日(*97年8月31日)までに、

来襲する津波の高さを予測した「津波数値解析結果」をまとめた。

想定される地震が起きた時の津波をコンピューターで計算したところ、

宮城、岩手県の三陸海岸や北海道、高知県などで、

過去に襲った津波を大幅に超える高さの津波が押し寄せる可能性が判明。

近く関係都道府県に結果を通知して注意    *原文記事はここで改段


を喚起するとともに、津波対策の強化を促す。

 同委員会は建設、運輸(*ともに現在の国土交通)など四省庁が昨年(*96年)十二月に共同で設置し、

津波工学、地震学者ら学識者約十人が検討を重ねてきた。

国は昨年(*96年)7月に、日本海北部沿岸の津波について

同様の津波予測を発表しており、今回はそれに続く二例目の予測。

 震源からの距離や、海底地形、海岸の形態が津波に大きな影響を与えるため、

計算にあたっては、これらのデータを考慮した。

 その結果、三陸沖の地震(地震の規模はマグニチュード8.5)で

宮城県牡鹿町(*当時)に二十五メートル、

岩手県釜石市に十五メートルの津波が、

青森県東方沖の地震(同8.5)で

北海道えりも町と様似町(*当時)に十四メートル、

高知沖の地震(同8.5)で高知県土佐清水市(*当時)に十四メートルの

津波が来襲する可能性があることがわかった。

 過去に襲来した津波の高さは、牡鹿町ではチリ津波(一九六〇年)の際の四.五メートル、

釜石市では明治三陸津波(一八九六年)の際の七.九メートルがそれぞれ最大で、

いずれも今回の予測結果が過去の最高記録を上回る。



(*)にて一部補足。なるべく読みやすいよう改行は句読点をもとに変更している。




さて

この記事は

のちの防災対策に活かされていたであろうか。


国や自治体だけを批判するものではなく

我々住民もその意識をもって過ごしてきたのだろうか。


答えは「ノー」である。


「いつ起きるかわからない」

「どれだけ大きなものになるかわからない」

だからこそ

防災にたいして動きが鈍かったことは否定できない。


しかし

起きてしまった。


我が家は海岸沿いではないから津波の被害はなかったけれど

震度6弱によって

家屋一部損壊に至った。


決して他人事ではない。



地球に住む以上

再び大きな地震は起きるであろう。


いつかはわからない。

どこでかも

わからない。


けれど

身を守る意識は

常に持たなくてはならない。


不安に思うことはない。

いつも通りでいい。


ただ

予測が出されているのならば

それを参考にしなければならない。

役立たせなくてはならない。



震災の教訓を

忘れてはならない。












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