チャンネル桜二千人委員会栃木県支部ブログ

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第3回桜ゼミ 『エネルギー・食糧戦略、環境問題 総合的安全保障の要』

2010-08-26 02:59:37 | イベント
第3回 桜ゼミナールが、開催されました。



『エネルギー・食糧戦略、環境問題 総合的安全保障の要』

講師:海上知明氏

日時:平成22年8月22日(日)午後4時

講師:海上知明氏(東京海洋大学・国士舘大学非常勤講師、経済学博士、戦略研究学会古戦史研究部会代表、環境安全保障研究会・環境戦略研究会代表、孫子経営塾理事)

 今回は芝浦工業大学、東京海洋大学で教鞭をとっておられ、また孫子経営塾理事も務める海上知明先生をお迎えした。先生は経済学博士であるが、「環境思想論」というまったく新しい視点でエネルギー問題を解決していこうという考えをお持ちである。

 桜ゼミナールを受講される方は、国防や安全保障、日本の伝統文化や歴史、民族問題といったことに関心がある方多いのだが、今回は一見すると保守思想とは関係のない「エネルギー・食糧戦略と環境問題」を扱うことにしたのである。私たちもどれくらいの方が受講していただけるのか不安があったが、実際は多くの方々にお越しいただいた。



 なぜ今回エネルギー問題を取り扱おうと思ったか。それはわが国が「エネルギー輸入国」であるからだ。大東亜戦争開戦に踏み切ったきっかけは、欧米列強によるABCD包囲網によって、日本が石油を他国から輸入できなくなったことに端を発している。戦後でいえば第四次中東戦争が勃発し石油が高騰。トイレットペーパーを買い占める主婦たちの姿があったことが記憶に残っている方も多いはず。最近では湾岸戦争である。あの時も午前零時を回るといっせいに歓楽街からネオンが消えた。深夜放送も自粛し、エネルギーの節約に努めた。

 このようにわが国は、石油や天然ガスを中心としたエネルギーを他国に頼っているのである。それゆえ日本は他国の政治的情勢に左右される。海上先生は新しい発想でこのエネルギー問題を解決しようというのだ。

 今までエネルギー問題の解決といったとき、石油、天然ガスといった化石燃料のパイプラインであるシーレーンの防衛であったり、エネルギーの節約であったり、一般的に議論されていることを前提として解決しようとしてきた。海上先生はこういう考えは「戦術的」であるという。目の前の解決にだけに重点を置く、これでは短期的には成果が出るかもしれないが、長期的な解決にはならない。長期的でより広い国家的視野、つまり「戦略的」にエネルギー問題を解決しようというのである。



 具体的にたくさんの提案が出てきたが、日本の科学技術水準というのはいまだ世界トップレベルである。その技術を使えば一般家庭が消費するエネルギーを、「各家庭で発電する」ことができる、もっと進めば各家庭で発電した電力を地域に売電することもできるという。まさに「孫子的」発想ではないか。そしてこれらの技術をわが国の武器として他国に売ることで経済問題の解決、さらに過度に他国へ依存するエネルギー輸入を緩和できるのではないかというのである。

 海上先生の話を拝聴し感じたこと。わが国で特に問題なのは、あらゆることで「他国への依存」が大きいことである。今回のエネルギーしかり、安全保障についてもアメリカに依存している。戦後、他国依存に慣れきってしまった末、現在の日本の現状がある。真の独立国家として、物質的にも精神的にも他国依存でない「自立した国家」を今こそ目指すべきではないか。