

さて、忘れないうちに、ラオスの布について書いておく。
まず、ルアンパバーンの中心部から南東に位置するBan Phanom という村の人からシン(スカート)を計三枚買った。
裾だけに模様の入ったデザインの暗いえんじ色と草色のものは、その後、知り合った人たちに確認したところ、やはり木綿だった。
布の幅は手織りであるため若干違う。
草色のほうは現地ではいていたので、帰国してから洗濯機で洗ったが、なんの問題もなし。
自分でいつでも洗えるというのは嬉しい。
三枚めは村の集会所で見て気に入ったが、その場では買わず、二日後にナイト・マーケットの出店で再会した時に手に入れた。
この時、店側にしばらく居座らせてもらって、売る側からマーケットを眺めることができたのは楽しい体験だった。
このシンを売っていた二十代の女性は、3歳のお嬢ちゃんも連れて商売していた。
ナイト・マーケットで売られているのもののほとんどはハンドメイド品で、売っている人は9割が女性。
子守をしながらの人も多い。
夕方になるとみな近隣の村から商品をたくさん抱えてやってきて、路上にビニールシートを敷いてテントを張り、商品を誰もが例外なく、几帳面にきれいに陳列する。
彼女にいわゆるショバ代などについて訊いてみたが、質問の意味が理解されず、ナイト・マーケットでの商売の仕組みについて詳しく知ることができなかった。
が、しばらく店側に座って観察していたら、制服を着て台帳のようなものを持った役人らしき女性が見まわっていて、一度ワタシのことを新参者か?という顔でみていったので、統括事務局みたいなところがあるのだろう。
男性たちはいったいどんな仕事をしているのだろうと疑問に思うほど、商売をしているのが女性ばかりで、しかも彼女たちに厚かましさやしつこさがないので、こちらも気持ちが楽であったのは、特筆すべきことかもしれない。
首都ビエンチャンではまた違うのかもしれないが、少なくともルアンパバーンではそうであった。
ナイト・マーケットでは隣国のタイや中国から持ち込まれた大量生産の粗悪化繊品を売っている人も多いようであったが、自分たち、あるいは同郷の隣人たちの手仕事作品を売っているひとたちはみな本当に商品に愛着を持って、大切に扱っているという印象を受けた。
であるから、商品について客に説明しても、結局客が買っていかないと、本当に心から落胆した顔をして、思わず背中に手をあててあげたくなった場面に何度か遭遇した。
小さな子どもたちは、周りの人が皆で世話している感じ。
女性たちがごくあたりまえに楽しげに社会生活を送っているという光景をみて、女性が社会に参加できない理由はかなり単純な理由からだということを確信した思いである。
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