
1日だけおいて、2回目の公開レッスンがあった。
山積している課題をやりこなすのは容易ではないが、考えようによっては、課題を自ら探して(自覚して)取り組むことよりは容易だ、ともいえる。
昨年は「変な指づかいしているわね」と言われるところが多かったので、「正当な指づかい」を意識した。
「正当」という言葉には「最も安全で音程をはずしにくい」ということを含んでいる。
でも、プロの演奏者でも、指づかい(フィンガリング)は人それぞれで、正解はひとつだけではない、というのが現実のようでR。
今回のベートーヴェンのソナタでは、弾くのが難しいメロディー部分がある。
この部分のフィンガリングについては師匠も「俺も昔色々考えてみたけど、これは!というのはないね」と言っていた。
しかも弓順も楽譜の版によってはまったく逆を指定していたりもするから、昔から誰にとってもやっかいな部分、まさに鬼門ともいうべき数小節なのだろうと思う。
初回のレッスンで先生には「(当然)アップから」と指導された。
「みんなそうしてるわよ。そうじゃなくちゃ弾けないでしょ?」
ダウンからの弓順で練習していたし、自分が決めたフィンガリングでは、どうにも対応できない。
フィンガリングと弓順は、密接な関係があるのだ。
「お時間ください」と言って、次回までの宿題にしてもらった。
家に帰ってきて、他のチェリストたちはどんなふうに弾いているのか、改めていくつも動画を再度チェック。
こういう(チェリストにとって)肝心な部分に限って、ピアノが映されていて、なかなかわからない。
ピアノがメインで、チェロが伴奏の部分でもあるから、画像的にはピアノを映したくなるのはわかるんだけど・・・
ぜったい無理!と思っていたロストロポービッチ先生のフィンガリングにトライすることに決めた。
非常識に近いフィンガリングだと思うが、コツをつかむと、弾きやすい。
「ロストロポービッチ先生のフィンガリングを採用しました」と、2回目のレッスンで紹介したら、先生もすぐに弾いてみてくださった。
「あらっ、本当だわ。簡単に弾けるわね!いいじゃない。賛成よ。それでいきましょう!ロシアのシークレットなフィンガリングのひとつだわね」と太鼓判をいただいた。
ロシアのチェリストたちは、昔から特有のフィンガリングの技を持っていたそう。
現代ではYouTube等で情報公開されているが、以前はコンクールなどで初めて見せられて、みんなびっくり仰天したのだそう。
ロストロポービッチ先生、秘技を教えていただき、ありがとうございます。
(件の箇所は11:15~11:21)
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます