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かりんとう日記

禁煙支援専門医の私的生活

天使

2018年09月10日 | 気になる人々

出かけると、色々なお子さまたちに会う。

少子化時代だから、みな健やかにお育ちになってもらいたいと心から願う。


まだ喋れず、ウーだのアーだのとしか言葉を発せられないお年頃の子らが、ご機嫌良く奇声を上げているのを見ることがあるが、その気持ちはわからないでもない。

たいていは音響の良い場所での出来事であり、彼(女)たちは自分たちの声によけいに気分よくなっているのだと察する。

しかし、そうはいっても、大人の多い公共の場にデビューさせるなら、もう少し保護者たちは彼らを調教(別に侮蔑の意味ではない)してきてもよいのではと思う。


それに対して、ご機嫌悪くグズっているような場合は、そりゃそうよねとお子様の方に同情したくなる場面が多い。

その格好で抱かれたら気分悪いわよねー、とか、お洋服がよれてるのはよけいにいやよねー、とか、向きたい方向じゃないのよねー、とか、今は放っておいて欲しいのにねー、とか・・・


下手にこねくり回したり、お子さまたちの気持ちを大人が全く理解していないせいでご機嫌悪くさせてるのだと伺い知れることのなんと多いことよ。


親は赤ちゃんがグズると、盛んにからだを揺すってなだめようとしている。
親の焦りや苛立ちの表れなのか、見ていると、揺すりのテンポがめっちゃ速いことが多い。
その揺すり方じゃ落ち着くどころかよけいに興奮しちゃうでしょ、と思う。


飛行機のなかで、頻回に不機嫌な奇声を上げている赤ちゃんがいた。

最初は気圧の変化で耳でもつまって不快だからかと思ったが、そうではないらしい。

私の前の座席のお祖母ちゃん夫婦と、そのまた前の座席の両親の間を、イヤイヤの奇声を上げるたびに赤ちゃんが座席の上を飛び越して行ったり来たり、受け渡しされていた。

あまりにイヤイヤが頻回なので、さすがに嫌な顔をしている乗客もいた。


何度目かのイヤイヤの際に、ちょうど前の座席に移ってきた彼女と目があった。

私はチャンスとばかりに信号(のようなもの)を送ってみた。

これまでも、うまく信号が伝わって、ニコニコご機嫌麗しゅうなることがあったので、裏付けのために試してみたのである。

すると、彼女は急に黙って微笑みながらじーっとこちらを見、さっきまでのイヤイヤちゃんが嘘のように、静かになった。

視線が釘付け状態がしばらく続いたあと、今度はウトウトし始めたのである。


信号作戦成功である。

ただ,その時気になったことがある。

それは、彼女の視線が、ごくわずかであるけれど、私の目よりもやや高い位置を見ているような気がしたことである。


ああ、そうか。わかった。

彼女は、私と一緒にいる天使に微笑んだのであったか。

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