耳慣れない曲名だが現代音楽作曲家タブナーがイッサーリスのために作曲したと言われれば聞かねばなるまい。曲の由来はこちらに詳しいので譲るが,東方の音楽に興味を抱くタブナーらしい神秘的な曲だ。サラセン人の攻撃からキリスト教徒を守るために聖母マリアが投げたヴェールをイメージすればいいのだろうが,なにせ,宗教心の薄い私,局地的な奇跡よりも地球を守る奇跡を起こして欲しいと願ってしまうのは現代人の我が儘か(笑)。
冒頭からチェリストは弾きっぱなしでかなりの集中力を要求される。イッサーリスは驚くべき技術と表現力で弾きこなしている。彼の音自体が柔らかく,まさにヴェールのように浮遊するような感覚を与えるだけでなく慈悲までを感じさせ,さすがに曲を献呈されただけのことはある。
現代曲というと身構えてしまうが,割と保守的な音楽だし,チェロの最初の音に没入できれば,東方的な音楽の流れに身を任せて聴くことができる。むしろ,クラシックを聞き慣れた耳には新鮮に聞こえる。疲れたときなどは癒し系音楽にもなるだろう。だが,元気なときは異質性が際立つかも(笑)。
ロシア正教徒を名乗ったり,イスラム教に改宗の噂があるタブナー(ウィキペディアの解説を参照)だからどこまで本気なのか分からないところがあるが,イッサーリスの演奏はそういった雑音をかき消してくれる名演であることは間違いない。
(この曲,CDはひなげしさんからご紹介いただきました。ありがとうございました)
■John Tavener: The protecting veil for cello and strings, etc. Steven Isserlis, cello, London symphony orchestra, Gennadi Rozhdestvensky, cond. Virgin classics, 0946 363293 2 1
冒頭からチェリストは弾きっぱなしでかなりの集中力を要求される。イッサーリスは驚くべき技術と表現力で弾きこなしている。彼の音自体が柔らかく,まさにヴェールのように浮遊するような感覚を与えるだけでなく慈悲までを感じさせ,さすがに曲を献呈されただけのことはある。
現代曲というと身構えてしまうが,割と保守的な音楽だし,チェロの最初の音に没入できれば,東方的な音楽の流れに身を任せて聴くことができる。むしろ,クラシックを聞き慣れた耳には新鮮に聞こえる。疲れたときなどは癒し系音楽にもなるだろう。だが,元気なときは異質性が際立つかも(笑)。
ロシア正教徒を名乗ったり,イスラム教に改宗の噂があるタブナー(ウィキペディアの解説を参照)だからどこまで本気なのか分からないところがあるが,イッサーリスの演奏はそういった雑音をかき消してくれる名演であることは間違いない。
(この曲,CDはひなげしさんからご紹介いただきました。ありがとうございました)
■John Tavener: The protecting veil for cello and strings, etc. Steven Isserlis, cello, London symphony orchestra, Gennadi Rozhdestvensky, cond. Virgin classics, 0946 363293 2 1
ヴェール情報,ありがとうございました。
奇跡が七枚。。。ヴェール踊り七変化(笑)。。。微妙に多国籍(笑)。
冗談はさておいて。3枚でも豪華なヴェール・コレクションですねえ。具体的で分かり易い表現,ありがとうございました。
イッサーリス織りもいいけどクリーゲル織りも可憐で繊細。。。と私は見ましたが,イッサーリス一押しに納得です。
タヴナーの還暦祝いCD2枚組みというのを買ったらクリーゲルのヴェールがもれなくついてきたのですよ。
いっそのことあと4枚買い足して7つのヴェールの踊りでも舞いますか。(ちがうって。笑)
クリーゲルはPPの表現が特徴的で優れていると思います。
イッサーリスは清楚なシルクタフタのヴェール。
クリーゲルはシルクでもシフォンの細かいフリルのヴェール。
マは豪華な刺繍レースの化繊のヴェールといったところでしょうか。
それぞれ良いところはありますが、私はやっぱりイッサーリスLOVE
追伸コメントです(笑)。
3枚のヴェールのうち,クリーゲル盤に興味をそそられますが,イッサーリスと比べてどうでしょう?音的にはかなり違いが出ると思いますが。。。?
ヴェールが3枚も。私は1枚で十分(笑)。。。
その作曲者が180度違う立場になってしまうとは。こんどはサラセン人の心境で奇跡のヴェールを作曲してみるつもりなのかな。MI6に睨まれたら再々改宗するのかな。今度は仏教徒がおすすめです(笑)。
気がついたらうちにはイッサーリス版、ヨーヨー・マ版、マリア・クリーゲル版と奇跡のヴェールが3つもあります。
異質性が気になるとおっしゃっていますが、確かに変な音楽ですよね。好きなんだけど。(笑)
でも他の曲はもっと変です。妖しいです。(爆)
タヴナーがムスリムになったのは2004年のことで、この曲が書かれた頃はまだ正教徒だったはずです。
しかし、何でいまさらムスリムに。
イギリスではインテリの改宗者がテロリストになることが多いらしいです。
MI6にマークされているかも?
どーする?タヴナー!