セブ島移住者の本音トークⅡ

セブ島でNGO活動に従事する管理人が、フィリピン人家族との奇妙な生活や、現地での国際交流について語ります。

徒然なるままに.... (とうとう8年目に突入)

2007-11-17 | Weblog

【写真:シャングリラ・セブマクタン・リゾートのビーチ】



 

いや~、昨日までの一週間、本当に目が回るくらい忙しかったです....

それと言うのは、今、通訳として、お世話になっている日系企業へ、日本からの技術者がやって来て、その間、付き切りで、現地比人職人への技術指導のサポートをして欲しいとの依頼を受けて、ずっと、その対応をしていた事や、日本からNGOの視察に来られた方々との会合他があって、朝から晩まで激しく動き回っていた事などがあった為です。

その間に、僕がここで駐在生活を始めて既に丸7年が経過し、8年目に突入した事に、ふと気が付きました。

2000年11月9日…この日から僕の駐在生活が始まりました。

その前の8月に、前身のNGOで大事件が起こり、そこを起点に、僕のセブでの生活が始まったのですが、その件については、何だかタイミングを逸してしまって、‘次に書きます’と言いながら、ついつい、2ヶ月も引っ張ってしまったのですが、この辺りの一件もやっぱり今後の事を語るにあたって、避けては通れない側面がありますので、近々、投稿しようかな~っと思っています。

しかし、まあ、この7年、本当に色んな事がありました。

この記事のトップの写真はセブを知る人なら、知らない人はいないと思われる世界標準のビーチリゾート‘シャングリラ’のビーチの写真ですが、実は、僕は、まだ、ここで宿泊した事は一度もありません。



忙し過ぎて、ビーチそのものへ出る機会が本当に限られている事、(多分、多くても年に4~5回程度)それに、正直な話、こんな高級リゾートには縁遠い生活規模・経済状態でずっとやって来ているせいでしょうか....


一般の方々には、意外に思われるかも知れませんが、日本人がここセブへ来たら‘リッチな生活’が保証されている訳ではなくて、それなりの生活(日本人が日本でしている普通の生活)をしようと思うと、それなりのコストが懸かるし、場合によっては、日本よりも高く付くようなケースも少なくはありません。

事実、ここで一定期間以上、過ごした日本人の間では、‘この事’は言わば常識であり、実体験・実生活に基づいて、皆が感じる事なのですが、例えば、日本に居る方々が、ここセブの庶民の生活費(1ヶ月20,000円未満が多い)についての情報を得て、その事のみを切り口にして物事を判断すると、どうしても誤解が生じやすいし、やはり、今、日本人の大多数が、本当の意味での貧困と言う事がどう言う事なのか分からなくなってしなっている事が、その背景にあるのではないかと思われます。(…まあ、この辺りの事情は、言い出すとキリがない所がありますが、追々、セブの物価考察などについても、リアルタイムの情報をお届けしたいと考えています)

しかし…まあ、人間と言うものは、良くも悪くも、身勝手なところがありまして、その性質は、‘隣の芝は青い’という例えに凝縮されていますが、今、‘ストレス社会’と呼ばれる日本の社会で、そのストレスを生むものの一因として考えられるモノは、何時でも‘お約束どおり’に欲しいモノ・サービスがお金との交換で手に入る…この事が当たり前になって来ており、サービスを受ける側の立場にたった場合には、それは、非常に便利で快適な反面、その裏返しの部分で、それを供給する立場にたった場合、その‘お約束’が果たされない時には、‘減点法’の採点が下される所があるせいではないかと思います。(製造業であれ、何であれ、人が労働の対価を得る時には、必ず、‘他者への奉仕’と言う事で成り立つ訳ですから、皆がサービスを供与する者であり、同時に受給する者でもあると言う事ですね)



そもそも、人間と言うものは、機械(
マシーン)ではなく、その時々の体調(コンディション)や精神状態他によって、何時でも同じ事が出来る訳ではなくて、何時も同じようにやろうとする為には、時には大変な努力が必要な事もある筈です。また、そうした中で、少しずつの無理が積もり積もって、精神や身体を蝕む事も考えられ、その結果として、‘難病’を患ったり、自殺に至ったりするケースもあるでしょう。

時に、そうした息苦しさに疲れて、セブでノンビリ過ごしたいと思う方がお出でになりますが、ここへ来て、幸せにやれるか否かは、何処まで‘寛容’であれるか、どうかに懸かっているように思います。

要は、ここセブでは、社会全体に緊張感と言うものが、あんまり無くて、全体に、ゆっくりと時間が流れているようにも思えますが、裏を返せば、日本と違って、皆がマイペースで動いているから、物事がお約束どおりには進まないのが普通になると言う事です。従って、何事につけて、効率よく出来上がる事はあり得ないし、そうした事に一々、苛立っていれば、余計にストレスが溜まる事になるでしょう…要は、中々、‘良いトコどり’は出来ないと言う事ですね。

また、何かしらビジネスをやろうとして、人件費が安いと言う側面だけを見て、‘儲かるかも知れない’と思うのは、ある面、身勝手とも取れる…更には、その安い報酬で、フィリピン人が日本人並みに働いてくれる、或いは、何とかそうやって働かせようなどと考える事は、身勝手を通り越して、僕に言わせれば、‘強欲’というもので、そうした考えに基づいて事を進めれば、必ず‘しっぺ返し’を受けることになるでしょうね。

要は、ここで何とかやって行くには、‘日本をそのまま持ち込もうとしない事’で、棄てるべきものは棄て、諦めるべきものは諦める、しかし、本当に必要なモノは大切にする…こうした姿勢が大切なんじゃないかと思っています。

僕の場合、ここへ入って来た理由は、そもそも、優雅にやろうって事じゃなくて、第一義は、このNGO活動の中で何かを見出したいという思いがあったればこそで、正直な話をしますと、物質的な豊かさや、便利さと言うものについては、この7年を経て、既に‘諦めの境地’に入っています。


が、それよりも何よりも、時には、本当に面倒で大変でもある、現地の人間との触れ合いに生きる喜びを感じ、それが、僕の仕事そのものに繋がっている訳ですから、そこが一番なのであって、他の事は、‘仕方がない’のかな…と。(ただ、それは、現地人並みの事が出来れば良いと言う事ではなくて、やはり、文明人として、どうしても必要なものは、必要だけれども…と、‘但し書き’を付けますが.....)

まあ、そんな訳で、かなり抽象的な物言いをしておりますが、この先、この駐在7周年を区切りに、上記の事柄を軸に、色んな事を本音で語れれば良いかな…そんな風に思っています。








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6 コメント

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Unknown (meseyan)
2007-11-17 17:46:40
おお お忙しかったですか

抽象的なものいい

いえいえ それが故に色々なことが
伝わってきますよ
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抽象的な.... (権兵衛)
2007-11-17 23:27:04
meseyan さん、ありがとうございます。

…まあ、思うところは色々あるのですが、本音トーク
と題しつつ、抽象的にしか書けない事が実は多すぎる
ような....(…洒落ではありませんが、具体的に書く
と、今度は、中傷的になってしまう場合もあって…苦
笑)

その辺りを汲み取って頂けましたなら、幸いに思いま
す。(笑)
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Unknown (masahero)
2007-11-18 05:41:18
安い報酬でフィリピーナが日本人並みに働いてくれれば当店も儲かるし、ミーティングなどと言う時間の無駄もしなくて済みますがね・・・???(苦笑)
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日本のフィリピーナの場合... (権兵衛)
2007-11-18 18:00:02
masaheroさん、ご苦労、お察しします。(苦笑)

断定的な事は言えないのですが、タレントさん、或いは、元タレントさんの大半は、こちらフィリピンでも、色んな問題(特に学歴他の事)があって、中々、まともな職には就けなかった方々であろうと思われますので、(…勿論、そうじゃない人も少なからずは居られる事は承知していますが...)そうした方々を使いこなすのは、本当に骨が折れる事でしょうね。

こちらで日系企業などに関わって居て、その辺りの事が非常に良く分かって来たのですが、それこそ、そうした日系企業で働いているフィリピン人たちは、フィリピン人としては、選りすぐりの人材である筈なのに、中々、先進国の標準にはマッチしない…これが現状ですからね。まあ、こちら現地の給与水準を考えたら、それでも良くやっているとしか言い様がありませんが…(苦笑)
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過ぎてみれば (crocodile roro)
2007-11-20 01:28:08
そうですねー過ぎてみればもうこんなに月日が
経ったのかと思うことは多いですね。
私もフィリピーナと結婚を目的にかかわりを
持ち始めたとき当初の付き合いの有ったタレントに
結婚するなら2,3年付き合ってからね!
なんて言われ内心
『ザケンジャネーそんなに引っ張られてたまるか!』
なんて思いましたが、結局色々、七転八倒有り
今の妻との付き合いも2年6ヶ月になります。
まあ普通結婚するなら日本人でもこの位は付き合って
みないとお互い分かりませんからねー。
言葉による意思疎通の不自由な外人ならなお更ですね。

シャングリラは外見だけしか見たこと無いですが
プランテーションベイは中を見学したこと有ります。
施設内と塀の外とのロケーションの落差に驚きました
天国と地獄が隣り合せみたいでした。

現地の人と同じレベル(自己所有の家が有る家庭でも)
まず普通の日本人では生活できないでしょうね
個人的な感想ですが、私は子供のときかなり貧乏で
今のフィリピンの人たちと変わらない生活でした
でもいまさらその生活に戻れないです。
大体フィリピン人と結婚した日本人の人たちって
食生活どうしてるんですかねーーー?
向こうの人ってそういう職業の人以外は殆ど料理
駄目な人ばかりでしょ!
以前付き合いの有ったタレントの母親も小さな
レストランをやってましたが、メニュー以外の
料理はとても食えませんでした。
私の場合ははなっから期待してません、前の妻
とのいざこざも料理のことが多かったし私の方が
上手でしたから、今度の妻に料理はまったく期待
してません。逆に向こうが期待してます

ストレスと言えば、以前ラジオで言ってましたが
ストレスが多くて精神的に参っている人は、
ボランティア(人助け)をすると精神的に楽
になるらしいですよ、確かそんな様な話でした。
確かにフィリピンの人たちを見ていると、色んな
意味で精神的に楽になります。
だってかなり大変でしょーー向こうの人たち

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Re:過ぎてみれば (権兵衛)
2007-11-20 03:13:40
crocodile roroさん>そうですね。特に食べるものって事について言えば、日本人は世界的に見ても、かなりの贅沢な部類に入る事は間違いない(…北米に暮らした時に、アメリカ人やカナダ人でも、かなりシンプルで‘味気ないもの’を食べている印象を受けました)のに対して、フィリピン人は、食い物について、本当に無頓着と言うか、兎に角、‘食べられるだけでも幸せ’と言う感じがあります。

彼らの食事は、まず、‘お腹を壊さないで食べられる’と言う事が優先になりますから、肉でも魚でも、素材の味が完全に死んでしまうほど、カリカリに火を通しますし、冷蔵庫がなくてもある程度、‘もたせられる’ようにと御酢をよく使いますね。

魚はウロコをちゃんと取らないで丸揚げ、(カリカリに揚げれば、ウロコの内臓も全部食える)エビも背ワタを取るなんて考えもしない。肉は骨付きが当たり前で、骨を外したら、肉なんて殆どないとか…苦笑。

更に言えば、ご飯(お米)を大量に、おかずは味の濃いものを少しだけ…基本的には、そんな感じの食事ですから、カロリーは摂れても栄養不足で、結果として、‘ちゃんと食えていない’のに、贅沢病とも思われてしまうような成人病-高血圧、糖尿病、心疾患…等々が本当に多いですね。

まあ、ウチの場合、女房の料理は殆どダメ。辛うじて同居している義母の料理の腕前が、フィリピン人としてはかなり高いレベルにあるので、何とか救われている感じです。

ここの人間が面白いのは、世間一般的に見て、料理のうまいお母さんの子供の料理は殆どダメ…言える事は、親から子、子から孫と伝承・改良のプロセスが全くないから、時が流れても、物事が一切、改善されない…彼ら比人の‘躾’のあり方も見ながら、こうした傾向にあるように思います。(要は、自分が出来る事は自分で抱えてしまって、子供を甘やかしてしまう)

正直な話をしまして、僕もかなり無理をして現地のレベルに近付けていますが、自分でも料理は出来るから、既に女房には味噌汁の作り方くらいは教えまして、フィリピン料理+味噌汁+緑茶…このヘンテコな組み合わせで何とか救われていますね。(苦笑)

ここで暮らしている日本人の大半は、やはり自分じゃできないし、奥様方にも期待できないからって、外食している人が多いみたいですよ。

また、こうした事も記事に取り上げてみますね。
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