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The Smiths と Morrissey

スミスとモリッシーについて。

Never Had No One Ever

2018-02-06 15:30:00 | 音楽
The Smiths "The Queen Is Dead ― deluxe edition ― " 2017年リリース

When you walk without ease
on these
the streets where you were raised
I had a really bad dream
it lasted 20 years, 7months, and 27days
Never had no one ever

君がそこらを気楽さなく歩いてる時
君が育ったこの通り

僕はリアルな悪い夢を見ていた
それは20年と、7ヶ月と、27日続いた
こんな経験 誰もしたことが無いだろう





この曲が入っている "The Queen Is Dead" は1985年から1986年にかけて制作された。
モリッシーが27歳の頃だ。
歌詞の中の僕はモリッシー自身だろう。
自分の育った街を気楽に歩けない「きみ」と
リアルな悪い夢を見ていた「僕」との間はどう繋がっているのか?

どちらもモリッシー自身のような気がする。自分を客観視・俯瞰したい時は「you」、感情が高まって気持ちを訴えたい時は「 I 」、他の歌でもそう感じるものがある。

私はこの歌がとても好きだ。この歌を聴いていると、薄暗がりの風景、もう慣れっこになった退屈さ、低空飛行の感情…という心象風景に襲われる。
そんな鬱っぽい風景の中に安寧を感じる。これ以上は良くならないけどこれ以上は悪くならないだろう。そんな気がして。「これ以上悪くならない」という希望。

春が来る前の最も昏い日々、曇り空の下、この歌のイメージ通りの景色の中で、寒さに震えながらこの歌を聴いている。
気がついたらいつの間にか立春を過ぎていた。もう春はすぐそこだ。




















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