The Smiths " Hatful of Hollow" 収録 1984年リリース
" Please, Please, Please Let Me Get
What I Want "
とても短い歌。聴き惚れていると直ぐ終わってしまうような、はかない歌。
Good times for a change
see, the luck I’ve had
can make a good man
turn bad
So please please please
let me, let me, let me
let me get what I want
this time
変わるのに良い時
僕は悪いヤツになることだって出来た
ああ どうか、どうか、
僕にチャンスを与えてください
Haven’t had a dream in a long time
see, the life I’ve had
can make a good man bad
長い間 夢を持つことが出来なかった
分かるよね こんな生活じゃ善い人間も悪くなってしまう
So for once in my life
let me get what I want
Lord knows it would be the first time
Lord knows it would be the first time
そう 僕の人生の一度だけ
僕の欲しいものを掴ませて
神様は初めてのチャンスだって知ってる
神様は初めてのチャンスだって知ってる
若いころは、自分が人よりツイていないような気がしたものだ。
神様、一度だけチャンスをください、と。
でも一通りの人生を過ぎて、いくつかあった分岐点のことを考えると、そこでもう一つの道を選んでいたら、チャンスに繋がっていたかも知れない、と思う。
神様はチャンスを与えてくださっていたのかも。…となると選べなかった自分に腹が立つだけだ。
"善人だって悪人になってしまう"
先日観た「私は、ダニエル・ブレイク」は、そんな映画だった。
心臓疾患で医者から仕事を止められている主人公。
「手は動きますか? 歩ける? じゃあ障害者には該当しません。」と言われ
、公的支援はなかなか受けられない。仕方が無いので失業手当を受けるため、就職活動をする。
採用の電話がかかってくると、「ドクターストップで働けない」と仕方なく断る。「じゃあ何で仕事くれなんて言ったんだ?」と相手に怒鳴られ、落ち込む。
どうしろって言うんだろう?
シングルマザーの友だちは切り詰めた生活の中、万引きしてしまう。そして生活費のため売春するようになる。
主人公はずっと大工として真面目に生きてきた。シングルマザーの友達も、自分の働きだけで何とか子どもを育てようとしていた。
でも人の信頼を裏切り、犯罪を冒してしまう。
どうしてこうなっちゃうんだろう?
主人公は役所の対応にアタマに来て、真昼間、通行人の前で、そこの外壁に
" I, DANIEL BLAKE " と書く。
「私はダニエル・ブレイク、人間だ…」
見回すと、似たような話はよく見聞きする。セーフティネットから零れ落ちる人たち。
誰だって、生まれたときは悪人になりたいなんて思っている訳ないのだ。
神様、彼らを善人のままいさせて下さい。
そして、どうかチャンスを与えて下さい。
「わたしは、ダニエル・ブレイク」2016年公開 (2017年日本公開) ケン・ローチ監督 イギリス・フランス映画
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