写真は20年以上も前のものとなりました

つれづれなるまゝに日ぐらしPCに向かひて心にうつりゆくよしなしごとをそこはかとなく書きつづっていきます

あ゛づぇ゛~っ

2018年07月21日 | 随想

雨も降らずに猛暑日が続くと、江戸時代じゃないが「雨乞い」などでもしてみたい気分になる。

聞くところによると、雨乞いのやり方というのは「レフメアンサクタ  レフメアンサクタ レフメアンサクタ」という呪文を唱えるのだそうだが、ぅ~む、これ、ただ単に「たくさん雨降れ」を逆さに言ってるだけという・・・・バカバカしいことでも本気で行うところに意義があるのかもしれない。

 

まんが日本昔ばなし」の語り手だった名物じいさんも亡くなったようだが、「雨乞い」と言えば「河童の雨ごい」を思い出す。

日本全国に似たような話はいくつもあるようだが、そのルーツとされているのが、栃木県芳賀(はが)郡田野村小貝川沿いにある妙伝寺というお寺に伝わるお話だそうで、境内にはかっぱ伝説」を紹介する看板も設置されており、文中には「かっぱの体はミイラとして、寺に今でも伝えられています。」とある。まぁ、紛い物の極みでしょうな。


因みに、隣を流れるのは鬼怒川という、おどろおどろしい名前がついているが、平安時代頃までは鬼怒川と小貝川は1つの河川だったようで、元は蚕養(かいこ)川と呼ばれていたらしく(かいこ、から「こかい」?)、養蚕=絹ということで、絹川とか衣川とかの変遷があるらしい。暴れ川だったので「鬼怒」の字を充てた、とされる説が有力だそうな。そう言えば、電柱にしがみついている映像が連想される平成27年の堤防決壊が記憶に新しい。

 

ところで、なぜ河童はキュウリが好きなのか?ということだが、河童というのは水辺で人や馬を引きずり込むということになっており、まぁ、痛ましい水難事故を河童という妖怪のせいにしていたという、いかにも日本の迷信というか、何でも神さまとか妖怪のせいにしたがるという伝統のお話なのだが、キュウリ好きの理由というのは、引きずり込んだ人間の味とキュウリの味が似ているので、キュウリを水に投げてから水に入れば河童に襲われずに済む、といった俗信が背景にあるからなんだとか。ぅ~む、お気楽に寿司屋で「カッパ!」と注文できそうにないような背景があった訳だ。(他にも下ネタっぽいのもあるようだが、敢えて採り上げない。)

 

河童のモデルというのは『獺(カワウソ)だということであり、カッパという単語に関する最古の記述は、室町時代の用語集『下学集(かがくしゅう)』(1444年成立)に見える「獺(かわうそ)老いて河童(かわろう)になる」から、だとか。

河童の読み方が、「かわどう」から「かわろう」へと変化するのはわからなくもないが、ここから「かっぱ」へはどう変化するのかがわからない。むしろ、「かわわらは(河童)」が「かわわっぱ」と変化し、それが縮まって「かっぱ」になったという変化のほうが受け入れやすい。昔は生意気なガキのことを「こわっぱ」などと呼び捨てたものである。

 

が、しかし、より重要なのは、「獺(かわうそ)老いて・・・・」という部分である。河童のルーツはカワウソだというのである。そうだとすれば、カワウソ自身が妖怪視されていたこともあって、あの独特の姿も「さもありなん」と納得する次第ではある。(昔、我が家の隣家にいた老婆が、暗い夜道でカワウソに付きまとわれて、振り返って見たら、目と口の中が真っ赤っかで腰を抜かした、という話が村中で大いに盛り上がっていたものだ。・・・江戸時代かよって、まぁ、街路灯ってものがまだ普及していないという時代の話だ。そんなに古い時代でもない。

 

で、またまた、「獺(かわうそ)老いて・・・・」の「(かわうそ)」という字・・・・銘酒「獺祭」(だっさい)に使われている。というか、「獺祭」という言葉自身が、古代中国は「礼記」に見えていて、意味する内容は「カワウソが自分のとった魚を並べること」ということであり、このカワウソの行動が、人が食す前に穀物や獲物を供えて先祖を祭る行為に似ているところから「まつり」と名付けられたということである。


お酒のほうの「獺祭」は、正岡子規の別号獺祭書屋主人」と、蔵のある地名「岩国市周東町獺越(オソゴエ」」の「獺」の一字をかけて命名されたものだとか。因みに正岡子規の命日である9月19日は「獺祭忌」と呼ばれているそうな。

余談だが、「おかっぱ」という少女の髪型。元は江戸時代の男の子の髪形で、頭の頂上を丸く剃った様子が河童の頭に似ていることから、「御河童(おかっぱ)」と呼ばれるようになったんだとか。 やがて、頂上を剃らない髪形も言うようになり、女子向けの髪形をさすようになった、という経緯がある。

 

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河童から離れて、話題を猛暑日に戻すと、「ヒートアイランド監視報告2017」が平成30年6月26日に公表されたが、それによると、確かに都市化による気温の長期的な上昇傾向が見られたり、熱帯夜や猛暑日、真夏日が増加しているとのこと。まぁ、感覚的にも合致した報告となっている。

また、東洋経済オンラインには、過去140年の東京の最高気温をビジュアル化しているが、着実に「暑く」なっており、かつ、その暑さが「長く」なっているのが見て取れる。


ところで、北陸には主要道路に消雪装置というものがついているのだが、新潟福井金沢などでは、断続的に消雪パイプによる「打ち水(散水)」実験が実施され、その気温低減効果が確認されている。照り返しで温度が高くなっている路面では、約15°の低減ということだから、やってみない手はない。

だいたい、消雪装置と言うくらいなので、長くても1年のうちで4ヶ月間くらいしか稼働しないインフラであり、夏季では正午前後の数時間の稼働で充分な効果を発揮するという優れものである。

使わないほうがもったいない。