ケアトリハ

介護とリハビリの仕事をしている方、目指している方、介護やリハビリってどんな世界なの、という方に読んでいただきたいです。

元気な骨を維持しましょう

2020年02月27日 | 健康管理
前回に引き続き、骨折とその予防についてのお話です。

骨は、成長と破壊を繰り返して、常に新しい状態を保とうとしています。 この状態は、ご高齢の方であっても同じです。
骨の成長には「骨芽細胞」という、これから骨に生まれ変わる赤ちゃん細胞が、徐々に増えて骨を丈夫にしていきます。
一方、「破骨細胞」という細胞は、骨の古くなった部分を破壊して、骨芽細胞の受け入れる場所を作ります。
これら骨芽細胞と破骨細胞の働きは、ちょうどよいバランスを保ちながら、常に骨を新しい状態にしてくれています。

人は立ったり歩いたり、活動する際、常に体重を支えています。 歩く時に地面に足を着くと、その衝撃を足の骨が支えます。 この「衝撃を受ける」という刺激が、骨芽細胞の働きを活性化することになります。 運動が体に良い、歩くことは健康の源である、というのは、こういった体の働きから言われていることですね。

そのため、高齢になり体を動かす機会が減ることで、骨芽細胞の働きが破骨細胞の働きに追い付かなくなり、骨粗鬆症が進行していくことになります。 驚くべきは、現役でバリバリと活躍している自転車選手も、地面に足を着いて運動する、という活動が少ないので、骨粗鬆症になっている人がいた、という事実もあるほどです。



そこで、骨に衝撃を与えることが骨粗鬆症を予防することになるのか、ということを確認するために、アメリカのパメラ・ヒントン博士が調査しました。 骨粗鬆症予備群の男性38名(20~50歳)に対して、週に3回、30分間、ジャンプ運動と筋トレを行い、骨に刺激を与えるという介入を1年間実施しました。
その結果、ほとんどの方の骨量が上昇した、というものでした。 一昨年(2018年)、NHKスペシャルでその様子を紹介していました。 自転車選手の骨粗鬆所に関しても、ここからご覧いただけます。 学生さんや理学療法士さんで原著が読みたい方は、ここからどうぞ。

もちろん、足の関節に痛みや障がいのある方は、これを続けることで別の問題が生じる可能性がありますので、そのまま実施なさらないでくださいね。 ただし、痛みがある方であっても、痛みのない範囲でのウォーキングなど、できることがあると思います。 強い衝撃でなくても、ご自分の足で歩く、エレベーターで移動していた習慣を、1階分だけでも階段に変えるなど、無理のない範囲で骨に衝撃を与えてあげるとよいと思います。

健康維持・改善のために、皆さんにできることをコツコツ(骨骨)続けていきましょうね^-^


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