ケアトリハ

介護とリハビリの仕事をしている方、目指している方、介護やリハビリってどんな世界なの、という方に読んでいただきたいです。

オムツ交換、早ければいいの?

2020年02月28日 | 介護
介護の現場で時々、こんな声が聞こえることがあります。
「私、10人くらいなら30分あればオムツ交換なんて、終わらせられるわよ」と、同僚や後輩の介護職員に対して利用者さんのオムツ交換を素早く終わらせられることを自慢している職員さんがいます。

この職員さんは、「早く終わらせられる私は、介護のプロなのよ!」と同僚や後輩から尊敬の目で見てもらいたい、という医療従事者症候群(この場合は、介護従事者症候群ですね)になってるのかも知れないですね。

利用者さんや患者さんのオムツを全介助で交換する場合、関節の動きが制限されてしまっている拘縮(こうしゅく)や、大柄な体格の方の場合は体の向きを変えることも難しく、個々でかかってしまう時間が変わってきます。 ですから、介護の仕事の力量を時間で判断すること自体がおかしな話です。

「10人を30分で終わらせられる」とおっしゃるその介護職員さんは、お一人3分程度でどうやってオムツ交換をしているのでしょうね?

一般的にオムツ交換を行う場合、まず利用者さんに挨拶してオムツを換えることをお断りして、布団を丁寧にめくり下の衣類を丁寧に下げ、回収するオムツを開き、陰部をほどよい温水で丁寧に洗ったり専用のシートで拭いたりして陰部を清潔にし、丁寧に体位交換をして新しいオムツに交換し、オムツの太もも部分から漏れないようにオムツのギャザーをしっかり張り、下の衣類を上げて肌着の背中側もきちんと伸ばしてズボンなどにおさめ、布団を丁寧にかけ直して交換が終わったことをお伝えして、挨拶して退室する…という行程には、時間ではかることができませんが少なくとも3分ではできないと思います。



それを3分で済まそうとすれば、あれこれを省けばできるのと思います。 例えば、挨拶も声掛けもせずに布団をバッとめくったり、乱暴に体の向きを変えてオムツを交換したり、不衛生で不十分な洗浄であるとのちにかぶれたり感染症を起こす可能性も考えずに適当に陰部を洗っていれば、お一人3分でできるかも知れませんですね。

もちろん、早いことがダメで遅いことがよいといってる訳ではありません。 大切なのは、個々に応じて対応できているか、そのためには時に時間もかかってしまう、ということだと思います。

早いことだけ要求する先輩や同僚にいじめられている方は、どうぞこのブログ記事をお伝えしてあげてください^-^ 「ご利用者様第一主義」「患者様第一主義」とうたっている施設はたくさんあります。 こういう姿勢こそ、第一主義のあらわれだと思います^-^


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