ケアトリハ

介護とリハビリの仕事をしている方、目指している方、介護やリハビリってどんな世界なの、という方に読んでいただきたいです。

老いては子に好かれよ

2020年02月16日 | 介護
もし、介護が必要になってしまい、自宅で生活を続けることが難しくなった場合、いわゆる「老人ホーム」に入居する、という選択肢が浮かびます。

もし、介護施設に入居すると、30~40歳代の介護職員さんにお世話になることでしょう(クリックすると厚生労働省の資料に飛びます)。

80歳代の方からしますと、30~40歳代の人は、「子ども」よりは年齢が下になりますが、「孫」というほどでもありませんでしょうか?
いずれにしても、若い職員さんにお世話をしてもらうことになるでしょう。

40歳代の方は「団塊ジュニア」と呼ばれ、就職氷河期を過ごしてきました。 30歳代の方は「ポスト団塊ジュニア」などとよばれ、いわゆるゆとり教育を受けた世代ともいえます。

そんな介護施設でがんばっている職員さん達も、当たり前ですが「人」ですので、好き嫌いもあるでしょうし、時には機嫌の悪い様子を前面に出して「今、私は忙しいんだから、つまらない用事で声なんかかけないでよ」と言わんばかりの方もいます(^-^;

もしも、皆さんが介護施設に入居することになった場合、少々申し上げにくいのですが「プライドを少々捨てて、かわいがってもらえる高齢者になる」ということをお勧めします(^-^;

おかしな行動をとって笑わせろ、とか、バカのふりをしろ、ということではなく、愛想のよい、声をかけられたら「何だい^-^?」といった感じで明るく返事ができるような、そんな愛嬌のある入居者となられるといいと思っています。

可愛らしい入居者さんは、往々にして丁寧に対応してもらえます。 同じ利用料を払っていたとしても、やっぱり介護職員さんも人ですので、「好きな人」には、より丁寧に対応してしまうという現状には、ちょっと納得いかない気もしますが…。
私が介護施設で働いている頃、後輩の職員に対して、利用者さんの「チャームポイント」を十分に伝えるようにしていました。 そうすると、後輩達は皆、そのチャームポイントを意識して、そのうち丁寧な対応になっていくものでした。

「老いては子に従え」といいますが、介護の世界では「老いては子に好かれよ」といえるように思います^-^

医療・介護従事者は素敵な人?

2020年02月09日 | 介護


医療や福祉の現場で働いている人の中には、結構面倒くさい方もいます。
私が苦手なのは、「認知症や意思疎通の困難な寝たきり患者さん」といった患者さん・利用者さんに対してのみ、無愛想だったり雑な対応をする職員さんです。
こういった方は、お世話を「してやった」にも関わらず、感謝の言葉や態度を示すことができない・難しいため、お世話を「してやっても」見返りがない、とでも考えているようなオーラを放っています。
一方で、よくお話されるような、気の強そうな、発言に力をもっていらっしゃるような患者さん・利用者さんに対しては、必要以上に関わりを持つようにしており、言葉の端々に「あなたには、特別にケアしています」とったオーラ全開で突入していきます。
医療・介護の従事者も人ですから、好き嫌いはあると思いますけど、それでもその道のプロなんですから、気分で仕事されても困るのですけどねぇ…。
こういう方、私はとても苦手です。
医療や介護の仕事をしている人が、「皆さん素敵な心をお持ちだ」と思われてる方がいらっしゃるとしましたら、そんなことはありませんよ^_^と、私はお答えするよういにしています。
病院も施設もスタッフも、皆さんじっくり選んでくださいね。

●● あばたもえくぼ ●●

2018年11月10日 | 介護
今回も、大変期間を空けてしまってからの投稿です^-^;

ところで、突然ですが私は、病院や老人保健施設、有料老人ホームにおける、各スタッフの「対応の悪さ」がとても嫌いです。 
すべてのスタッフではなく、本当にごく一部のスタッフなのですが、理学療法士にしても、看護師にしても、介護福祉士にしても、時々、見ていて辛くなる対応に遭遇することがあります。

敬語が分からないとしても、丁寧語ですら話せないスタッフ、声掛けもせずに突然車椅子を移動させるスタッフ、プライベートで嫌なことがあったことをそのまま仕事中に態度に表して患者・利用者さんに気を遣わせるスタッフ、便失禁してしまった(させてしまった?)パジャマを、すすぎもせずに家族が持ち帰る洗濯駕カゴの中に放り込むスタッフ…、書き出したらきりがありません。

私自身、介護の仕事を始めたばかりの頃、敬語が苦手でヘンテコな声掛けをしていました。 理学療法士の専門学校に入ると「接遇」の授業がありましたので、それはもう一生懸命勉強しました。
テレビを見てくつろいでいる利用者さんを入浴介助のために誘導する際も、せっかく楽しんでいるところなのですが時間の関係で(施設側の都合で)案内しなくてはならないのですから、「お楽しみのところ大変申し訳ありませんが…」と先に述べてから車椅子を操作して脱衣室までご案内しました。
レストランに食事にでかけた際、これまでに一人も、不機嫌そうに接客している人に出会ったことはないので、私自身もプロフェッショナルのつもりで、私情を挟んで仕事をしないように心がけていました。
利用者さんが便失禁をしてしまった時、まずは「オムツやパットの当て方に問題はなかったのかな?」と気にしながらも、洗濯をするご家族のことを思えば、ひとまずは汚れたパジャマなどを別室の専用のバットで水洗いし、ビニル袋に入れてからご家族に一言お伝えするようにしていました。

こういった行為は、先輩に教えてもらったこともありますし、自分で気づいて行っていたものもあります。 私は患者さんや利用者さんが好きでした。 中には苦手な方もいましたが…^-^; 基本的にはどの方も、好き嫌いの「好き」の方で対応させてもらっていました。
「好きな人」には、何だか愛情を持って対応してしまいますよね? 偉そうなことも、良い子ぶるようなことも言うつもりもありませんが、「お客さん」に愛情を持ってしまうような、そんな仕事が医療や介護ではないでしょうかね? レストランやコンビニの従業員さんでもきっと、そんな感情をお客さんにお持ちになることもあると思います。 でも、医療や介護の仕事は、それ以上に愛情を持ってしまうような仕事だと思っています。

心無い対応をするスタッフは、患者さんや利用者さんのことを「好き」ではないのでしょうかね? そうだとしたら、とても寂しい仕事の仕方をされているのでしょうね。 あばたもえくぼに見えちゃえば、とっても楽しくて素敵なお仕事なのですけどね…^-^


●● 笑う門には福来る ●●

2017年11月08日 | 介護
リハビリテーションの分野では、団塊の世代が75歳以上を迎える「2025年問題」に向けて、地域包括ケアシステムの構築に力を入れています。
現在、年齢層で最も多い昭和22~24年生まれの方達が、あと8年程度で「後期高齢者」と言われる75歳以上になられます。 医療費や介護費の負担をどう削るか…など、厚生労働省を中心にあれこれと策が考えられ、その実施が市町村を中心に進められています。

理学療法士には、障害を持った方の生活動作の回復や、回復が難しくても悪化を予防する、などの働きが期待されています。

私自身、その一環として図書館の集会室をお借りして、月に2回、健康に関するお話と簡単な体操を、ボランティアとして実施させてもらっています。 その体操教室では、地域のご高齢の皆さんがたくさん集まってくださり、約1時間の会を楽しんでくださっています。 私も毎回、できるだけ分かりやすく、楽しんで参加していただけるように、あれこれと工夫しながら勉強しています。

特に気を付けているのは、1時間の中でできるだけ「笑って」いただけるようにしているところです。
「笑うことは健康に良い」ということは、1970年頃から少しずつ研究の成果をみせており、近年は大阪府でもパンフレットを作成して、笑って健康に生活しましょう、と推奨しています。

「笑う門には福来る」といわれるように、楽しいから笑うだけでなく、笑って過ごすことで楽しくなる、という研究も進められているようです。 これについては、またいずれお伝えします^-^




●● ここではない どこかへ ●●

2017年10月30日 | 介護
介護の仕事をしている時、初めて認知症の方の対応をさせていただく経験をしました。
私達が想像もしない行動をとられたり、なぜそんな行動をとられるのか分かりませんでした。
もちろん今でも分からないことがたくさんあります。

でもある時、認知症で徘徊を繰り返すご利用者さんに対して「どこにいくのですか?」と尋ねた後で気が付いたことがありました。
「あぁ…、もしかしたら『ここ』が楽しくないから…、落ち着かないから…ここではないどこかに行きたいのかなぁ…?」と。

ご自宅にいても「家に帰る」と外へ出て行ってしまう方もいらっしゃいますが、それはもしかして、その方の「家」とは、子どもの頃に過ごされた田舎とか、思い出深い土地なのかもしれませんね。

自宅に帰れず、長い間施設で生活しなければならないご利用者さんがいらっしゃるのであれば、ぜひその施設をご自宅と同じくらいくつろいで過ごしていただける環境を、スタッフ皆さんで作っていけるといいですね。