北沢俊美防衛相は15日午前、新テロ対策特別措置法の期限切れに伴い、インド洋で補給活動に当たっている海上自衛隊部隊に対して任務の終結と撤収を命令した。同法が失効する16日午前0時で補給艦と護衛艦の2隻が活動を終了し、日本に向けて出発する。2001(平成13)年9月11日の米中枢同時テロを受け同年12月に始まって以来、一時中断をはさんで約8年間にわたって続けられてきた活動は幕を閉じる。
鳩山由紀夫首相は15日、法律の期限切れを受け、「任務を遂行してきた自衛隊員に敬意と感謝を表する。引き続き国際社会によるテロ対策の取り組みに積極的、主体的に貢献していく」との談話を発表した。平野博文官房長官は記者会見で、「一定の成果を否定するものではないが、ここ1年は給油回数も減ってきた」と指摘し、今後は治安強化のための警察官支援など5年50億ドル規模のアフガニスタン民生支援に力点を置く考えを強調した。
一方、北沢氏は同日の記者会見で、補給活動に代わる国際貢献策に関し「引き続き類似した貢献をしてほしいという国際社会の要請は思ったより強い」と述べ、ソマリア沖アデン湾での海賊対処への補給艦の活用などを今後も模索していく考えを表明した。
インド洋では現在、海自の補給艦「ましゅう」(13500トン)と護衛艦「いかづち」(4550トン)が展開。テロリストの移動や武器、麻薬の密輸などを海上で阻止する活動を行っている各国艦船に対し、燃料や水を洋上で補給することを通じて、アフガンでの対テロ作戦を支援している。
これまでに、米英やパキスタンなど12カ国に計938回、約51万キロリットルの給油を実施。各国から継続を求める声が強かったが、政府は給油実績の低下を理由に活動中止を決めた。
【海上自衛隊の給油活動】 2001(平成13)年9月11日の米中枢同時テロを受けて始まったアフガニスタン支援策。当時の小泉純一郎首相は同国での「テロとの戦い」に当たる米国などを支援するため、海上自衛隊の派遣を決断。テロ対策特別措置法に基づき、インド洋でテロリストや武器の移動を阻止する活動に従事する米国など他国の艦船に対し、海自の補給艦が同年12月から給油支援活動を開始した。平成19年11月に民主党の反対で一時活動が中断したが、新テロ対策特措法の成立で再開。しかし、同党への政権交代で1月の撤収が決まった。
産経新聞 2010.1.15 09:50
http://sankei.jp.msn.com/politics/policy/100115/plc1001150956002-n1.htm
※海上自衛隊の皆様本当にお疲れ様でした!そしてありがとう!