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Retro-gaming and so on

贄姫と獣の王

現在アニメが放映中の本作だけど、僕は全く観ていない。
いや、「面白い」とか「面白くない」とかじゃなくって単純にそういう作品の存在を知らなかった事と、あとは今期は単に裏番組のBS日テレ観てるんだよな。
ラブライブ!虹ヶ咲学園スクールアイドル同好会の再放送をやってて、まぁまぁ面白かった記憶があるんで、保守的に再放送を観る事を選択してるわけ。
知らんアニメを観てつまらなかった場合精神的に来るからな(笑)。「可もなく不可も無く」だったらいいけどイライラするくらいだったら再放送流しっぱなしの方がいい、と言うホンマ保守的な判断なわけ。
そんなわけで「贄姫と獣の王」はスルーを決め込んでたんだけど、CMがかかるじゃん?CM観る限り面白そうなんだよな〜。
んで、調べてみたら原作は白泉社の花とゆめに掲載してた漫画、っつーんで、じゃあ、アニメはともかくとして原作漫画ちと読んでみるか、となったわけだ。

結論。

クッソつまらん・・・・・・。

ひっさびさに「こりゃつまらん」ってなった漫画だ。結果冒頭3巻くらいしか読めなかった。ツラくて読み進める事が出来んかった。

いや、この「つまらん」と言うのにもちと説明が必要だろう。
少なくともこの漫画を出版してるのは白泉社だ。三流漫画雑誌屋ではなく、小学館・集英社と同じ系列の一ツ橋グループの出版社だ(※1)。つまりそれが意味する事は大勢の人たちに読まれているわけで、当然支持を受けてるんだと思う。
そして、僕と違って「面白い」って思ってる人も多いと思ってる。
認めよう。多分面白い漫画なんだ。
じゃあ、僕「だけ」がつまらん、って思ってるんだろうか、と言うと恐らく違うんじゃないかな、と思ってる。言っちゃえば多分、男性の評と女性の評が真っ二つに割れるんじゃないか、って思ってるんだ。
そう、この僕の「つまらん」って評は恐らく、男性目線の評なんだよ。女性が読めばまた違った感想を抱くんじゃないかな、って思う。
要するに、ひっさびさにベッタベタの少女漫画を読んだ、って気になっちゃって、男性である僕が読むにはツラい漫画なんだ。単にそれだけ、だ。
ホンマ、ひっさびさに「男性お断り」の少女漫画に触れた、って印象なわけ。それが僕が「クッソつまらん」って感じた原因なんだろう。
現在では、ジェンダーがどうの、ってぇのは色々言われてるが、やっぱこういうの読むと何だかんだ言って「性差ってあるんじゃねぇの?」とか思う。どうしても「超えられない性の壁」ってのは自然とあるわけで、極端な少女漫画だと、やっぱ男性性は受け付けないんだよ。

この漫画の男性目線の・・・まぁ、僕が「男性代表」的な事を発言するのはおこがましい、って重々承知しているんだけど、評のキモ、ってのは、要はこの作品が使ってるフレームワークが、少女漫画に取り込まれた時、男性目線では「合わない」って辺りにあるんじゃなかろうか。
ちとあらすじをWikipediaから引っ張ってこよう。

99番目の生贄として魔族の王に捧げられた少女・サリフィ。しかし彼女は自分の運命を受け入れ、王を恐れず歩み寄ることを決めていた。新月の夜、サリフィは生贄の儀式へと向かうが、そこにいたのは魔族ではなく、人間の姿をした王であった。 サリフィを妃にすると決めた魔族の王は、彼女からレオンハートという名を与えられ、人間と魔族の共生を目指し共に歩み始める。 

そう、「フレームワーク」っつった。つまりオリジナリティ自体は全然無い話なんだ。そしてそれに関して作者を責める気もない。
例えば「生贄として魔族の王に捧げられる」と言うコンセプトは既に類似品が山ほどある。いつぞや紹介した齢5000年の草食ドラゴン、いわれなき邪竜認定」もそうだし、同じくなろう系小説だと「創造錬金術師は自由を謳歌する」なんつーのもある。要は実は使い古されたネタで、新味なんぞないんだ。
「生贄」に限定しなかったら「魔王は実はイイ奴で」なんつー話はもっと腐る程ある。
極端な話、日本で言う「ファンタジー」ってのは、全て同じネタをルーツとしている。そう、ドラクエだ
要は勇者 vs. 魔王って世界観がドラクエのお陰で厳然としてあり、結局、日本のファンタジーってのはドラクエをどう換骨奪胎するか、って事しか無いわけ。日本のファンタジーはドラクエを中心に回ってるんだ。
結局、ドラクエの話の骨組み、コンセプトから「どうズラすか」と言うのが大体の異世界ファンタジーモノの挑戦で、結果「魔王は実はイイ奴でした」とか(笑)、ズラしの結果、そういう作品ばっか出てくるってのは不思議じゃないんだよ。
だからその辺に関して「オリジナリティがどーの」とは言わない。言っちゃえば野暮だからな。
まぁでも日本の「ファンタジー」ってのは往年のSFとかロボットアニメの「どの作品見ても異星人が地球を侵略しにくる」と言う状態になってるわけだ。その制限の中でどうオリジナリティを出すのか、って話になっている。
だから言ったろ?俳句なんだよ(笑)。
まずはフォーマットありき、だと。だから「贄姫と獣の王」の「本歌取り」自体が悪い事だ、たぁ全然言ってない。

ただ、やっぱ男性目線で言うと、この「魔王は実はイイ奴で、人間が接触する話」ってのは、大まかで言うとコメディ路線なんだよな。シリアスじゃない。
加えると、男性用作品だと魔王は実は女性で、その女性はおっぱいバインバインの美女型か、あるいは美幼女路線の2パターンあるわけなんだけど、「人ならざるモノが実は絶世の美女(あるいはツルペタロリ)」だから男性にアピールするわけでしょう。男が魔王で主人公の男が「魔王と仲良くする」話はウケない。
言い換えると、女性が読んだ時、「人ならざる魔王がおっぱいバインバイン」でも「それの何が面白いの?」って思うかもしんない(笑)。そうだ、貴女が感じる「それ」が僕が感じた「贄姫と獣の王」のつまらなさ、なんだ(笑)。
敵対する筈の「悪の中核」が実はイイ奴なんだ、ってのは異性じゃないとダメなんだよ(笑)。異性だった時に説得力を持つ、ってそれだけの話なんだ。

あと、例えばこの漫画は、読んだ範囲で言うと主人公しか人間が出てこないんだけど、宰相から敵視される、とか獣の王の嫁の座を狙うヤツからのイジメが出てくる、とか、フォーマットはファンタジーなんだけど、実は中身はモロに1960年代〜1970年代の少女漫画なんだよな(笑)。一周回って元に戻っちまった、みてぇな(笑)。今どきそんなベタな漫画ねぇだろ、的な(笑)。「キャンディ♡キャンディ」かよ、みてぇな(笑・※2)。ファンタジー世界だと色々と「元に戻る」のかねぇ。

もう、ホント、言っちゃえば「古典的(過ぎる)少女漫画」なんでホント読むのツラくて、3巻くらいで読むの止めちゃったわけだけれども。ひょっとしたらこの後面白くなる、とかさ。あるのかもしんないけど、わりぃ、ギブアップだ。
ホンマこんなに少女漫画読むのがツラい、って感じたの小学生の時以来なんじゃねぇのかなぁ。
そんなわけで、少なくとも男性諸氏からは同意は得られると思う。女性はその限りではない、と。
うん、女性が読んだら「面白い!」って評価になるのかな。ちんこ生えてるから分っかんねぇんだよなぁ、正直なトコ。
ある意味、女性が「面白い!」って言うヤツが面白かった例がねぇし(笑)。
ヒドい事言うって?でも男性が「面白い!」って言うモノを必ずしも面白いたぁ思わん、ってのが事実だろ?キミたち(笑)。
「東京タラレバ娘」と「ダークナイト」の話を思い出せっての(笑・※3)。




性差は「ある」って認めた方が生きるのはラクだよな(※4)。
今回はそういった話だ(違

※1: 元々集英社自体が小学館の子会社みたいなカタチでスタートして分社化、そして白泉社は集英社の子会社みたいなカタチでスタートして分社化した経緯がある。
白泉社は元々集英社の週刊マーガレットの単行本の編集を行っていて、後に少女漫画月刊誌「花とゆめ」を立ち上げた際にも集英社が支援し、週刊マーガレットの作家陣の何人かが「花とゆめ」に移動している。
有名な例としては、「スケバン刑事」の和田慎二なんかがいる。
元々彼は「マーガレット」の作家だったが、「花とゆめ」に移動して「スケバン刑事」を描き始めるんだ。

※2: いや、「キャンディ♡キャンディ」は傑作少女漫画だけどな。

※3: とは言ってもこの僕、一回も「ダークナイト」を観た事がない。
もっと言っちゃうと「アメコミヒーローもの」に何の関心もない。
意外と女性的?(違

※4: この世には「男性"だけ"が面白いと思う話」「女性"だけ"が面白いと思う話」「男性女性に関わらず面白いと思う話」の3種類がある、ってだけの事だと思う。
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