【文京区労協】活動レポート

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三一書房労働組合(1998.9~2005.12)

2005年12月27日 | 争議支援
ロックアウト、不当解雇
2005.12.27 東京高裁にて勝利和解

 2006年12月27日、東京高裁第5民事部において、三一書房争議の全面的和解が成立いたしました。争議発生以来、実に7年半に及ぶ争議が解決することになりました。
 三一書房争議は、経営悪化が表面化した1998年の夏以降、三一書房経営がそれまでの比較的安定していた労使関係を変え、賃金カット提案、労働協約改悪提案、さらには団交拒否を重ねた上、同年11月14日、突然、ロックアウトを強行し、組合三役を懲戒解雇。その後、あらゆる組合つぶしを展開し、全組合員に対して懲戒解雇処分を行ってきました。同時に資産処理を推し進めた事から、経営内部で株主との係争も重ねて発生し、「経営内部の分裂状況」と見られる事態も引き起こされました。
 こうした中、当該組合員は、本郷本社と、朝霞倉庫に労働債権の仮差押を入れ、多くの支援の連帯を受けながら、この二箇所で泊まりこみ就労闘争を開始しました。また、争議発生直後から、「三一書房労組を支える会」や「三一書房争議支援共闘会議」が結成され、争議の解決をめざして活動を行ってきました。当該とともに、労働委員会、裁判所闘争への取組、団体署名への取組、数次の周年集会、春闘、MIC争議支援行動での社前要請行動、取締役自宅、仮事務所への団交要求行動、社長宅への昼デモ、裁判所前宣伝行動など、様々な取組を積み上げてきました。これらの闘いが、都労委での全面的な救済命令を引き出し、後に会社が再審査を申立てた中労委の命令でも、より具体的な救済命令への力となりました。また、会社が労使関係を否認したままで、組合と出版労連を相手取り提訴した「建物明渡等請求事件」では、「ロックアウトや解雇は不当。損害賠償請求は権利の濫用」としながら明け渡しの強制執行命令を出しましたが、支援共闘会議は、直ちにこの不当な判決に対決し、執行停止を勝ち取りました。厳しい状況でしたが、控訴審では被告でありながら組合側がイニシアチブをとり、その後の職権和解への足場をつくり出しました。
 一昨年末、債権者(三井住友銀行)による朝霞倉庫の競売申請に対し、さいたま地裁の競売開始決定が出されるという緊急事態を迎えました。会社は、任意売却をするために、組合員を含む債権者の同意が必要になりました。この事態を受けて、先の明渡等請求訴訟控訴審(東京高裁第五民事部)による職権和解が提案され、和解交渉がスタートしました。当初、「労使紛争ではない」との主張にこだわる会社は、労働委員会命令の履行を和解の基本に据える組合との交渉を嫌い、双方世話人を立てての「代理交渉」が進められました。その中で、当事者交渉なしには解決は出来ないことが明らかにされ、9月12日、7年ぶりに労使交渉が開始されました。厳しい交渉が続きましたが、組合は、独自に倉庫の買い手を探し出し、会社の売却案に条件面で対峙して交渉を進めました。紆余曲折をたどりながらも、連日交渉を重ねる中で相互の不信感を一定乗り越え、今回の和解成立へと繋がりました。
 和解にあたり、会社は「組合の協力無しには会社再生は出来ない」と表明した上で、組合員と家族に謝罪を表明し、全ての懲戒処分、労働協約破棄を撤回し、ロックアウトの解除、希望する組合員の復職を確認(3名)しました。組合も未払い賃金債権について、企業再建のために最大限の譲歩を行い、和解を成立させました。
 争議解決後も厳しい経営状況の中での就労ゆえ、様々な困難が山積していますが、これまでの経験を生かし、三一労組の旗を守り、地域の仲間とともにすすみます。


支援共闘会議のメンバーと

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