**馬耳東風**

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中国(権力者)のプロフィール

2016-02-15 | 世事諸々
日本人にもお馴染みの、一見穏和な好々爺風の元中国首相、温家宝が、アメリカに27億ドル(3000億円)もの不正蓄財をしていた、とニューヨーク・タイムズ(Oct.26,'12)にすっぱ抜かれていますが、なぜか日本人の多くはそんなことも知りません。アメリカではハリウッド・スターのスキャンダルなみに広く知られていることです。ニューヨーク・タイムズが一面を割いて、温一族の利権、不正蓄財の構図を描き、これらの蓄積財産は温家宝が権力の座についた前後十数年で蓄えられたもの、と資産形成の詳細を暴いたからです。

日本の、中国に関する情報はその多くが香港、シンガポール、台湾経由で、取捨選択されるせいか、新鮮味に乏しく、輸入駄菓子を食する趣きです。日本人記者によるニュースは日中政府間交渉などつまらないものばかりでニュースとも言えず、関心は薄く、さもなければ小笠原沖の珊瑚密漁などですが、それさえも目前の事件にも拘わらず深く切り込んだ報道になっていません。中国ニュースは意図的に制限されているのかと疑われるほどです。

そのせいか、現在の中国の政治指導者の人物像なども殆ど紹介されていません。日本では何も知らない人が案外多いのです。中国のトップとはどんな人か、なかなか興味深いので、そのプロフィールを家族共々、以下に紹介してみたいと思います。

現在、中国の(トップ)最高指導者は国家主席の習近平ですが、これは誰でも知っていることでしょう。 しかし、弟がいて、その名前が習遠平、となると知る人は少ないかも知れません。また姉が二人いて長女は斎橋橋、次女は斎安安。

長女は北京の不動産開発会社を夫と共に経営していて、そのほか、広東省では「地下鉄地産開発」「電力工程』「公路建設」といった、中国語そのままでも内容が解る国家的な主要事業の多くをを掌握し、香港では有数の不動産建設開発会社を経営し、現在、当然ながら富裕で、それなりの生活をしているはずですが、中国の重要人物でありながら何故か、国籍は夫婦ともに中国ではなくカナダという、チグハグな謎を抱えているのです。

次女の斎安安は夫と共に広州で事業展開をしています。夫の呉龍は「広州新郵通信設備」と、これまた分りやすい企業の社長で、事業内容はチャイナ・モバイルの設備請負工事という独占事業です。それに加えて香港の中心部で商業ビル7棟を所有し、携帯電話企業、レアアース企業などの運営で資産の増大を諮り、目下大資産家への途を驀進中というイントロダクションになります。

弟の習遠平は北京で、「国際省エネ環境保護協会」の会長をしています。 一見、利権事業には見えないものですが内実は不明です。それはクリーンなものかも知れません。しかし、遠平は既に北京の不動産事業で十分な富を蓄えていて、オーストラリアに大邸宅を持ち、資産の多くも同国に移転済み、とみられているのです。国籍の取得は必要になれば何時でも、というお墨付きで、オーストラリアには富裕外国人優遇策があるということです。すでに多くの中国人富裕層がその枠で移住しているのは周知のことです。

習近平と弟姉妹の父親はすでに他界しています。母親は斎心心といい、広東省の深センでひとり老齢ながら矍鑠と暮らしているそうです。母親は古き善き時代の人らしく、私有財産には恬淡としていて、常々投資や投機行為をやめるよう、一族のみんなを諭しているということです。

これらの情報は主に香港の「明報」や「博訊新聞網」などによるものですが、そのなかでも傳才徳記者の取材調査は、中国では珍しく切り込みが鋭く、欧米のメディアに高い評価をうけているということです。

その他にも、欧米社会に伝わってくる中国情報はあります。官僚の不遇組がときたまアメリカのメディア(新聞社など)に幹部の不正蓄財をリークするものがいるということです。甘い蜜を独り占めすると、しばしば、部下の嫉みとなるのは何処も同じようです。

どこの国でも(税務署が言う通り)不正蓄財情報というのは内部告発なのですが、アメリカにはそれとは別に、CIA情報というものがあり、中国高級官僚や政治家達が以前から常習的に行っている”海外送金”情報の9割はアメリカ司法当局に(たぶん)把握されている、という隠れもない事実があるのです。

マネー・ローンダリングにうるさいアメリカでは、中国に限らず何処からであろうと、巨額送金はCIAの看視下にあって逃れられないということです。アメリカ国内やカリブ海諸国への巨額な現金送金は確実にCIAが把握するところだそうです。寛容でも怖い国、アメリカなのです。


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