**馬耳東風**

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アメリカ大統領選、本音が勝つ時代

2016-03-08 | 世事諸々
「アメリカ大統領選挙も少し見えてきたね」
「共和党はどうやら、トランプできまりのようだ」
「民主党はヒラリー・クリントンが、バーニーサンダースの反撃でもたついている」
「圧倒的に優勢なはずのものが、泡沫候補といわれた相手に負けているのが今年の特徴」

「トランプはそうだね、サンダースは健闘しているが、まだ勝者ではない」
「サンダースが面白いのは選挙のテーマを自前で作って,今回の選挙の共通主題であるかのように繰り広げている」
「そうそう、他の候補者が討論の主題に据えている難民問題、中東戦争、中国問題、TPP、経済・金融、産業の活性化など、全部無視して」

「中・低所得者層がパッと目を覚ますテーマで訴えている。みなさん、自分の所得に満足していますか、(いいえ)最低賃金はこれでいいのですか(No)、私なら2倍にする、健康保険は国民にあまねく普及させる、国公立大学の学費は無料化、代わりに高所得者に増税する・・一握りの富裕層の勝手にはさせない・・国は国民みんなのものです!」
「じつに小気味がいい、国民は他の候補者たちの訴える面白くもないお題目など耳に届きません、中東戦争も中国も難民移民も、自分自身の所得問題に比べたら取るに足りないたわごと」

「サンダースが民主党代表に決まると面白いことになる」
「生粋のドイツ人(トランプ)対ユダヤ人(サンダース)がアメリカの地で再び対決か」
「因果はめぐる、だね」
「しかし、やはりヒラリーが最後には勝つという観測だ、組織票で最後はがっちりまとめるそうだから」
「しかし、サンダースは負けるにしても、選挙の本質を教えてくれたね、社会主義者として富裕層、ヒラリーやトランプに対立軸を作って労働者や学生に訴えたのがいい」
「国公立大学の学費無料化、教育の平等化だね、国民健康保険の完全普及、最低賃金の倍増、高所得者増税・・ヒラリーもトランプも真っ平ごめんだろうに」
「訴えることが分かりやすく、今の若者たち、貧困層、社会の中・低辺層に、干天に慈雨のような、しみこむ言葉fだ」

「日本の野党もまねるべきだよ、次の参院選で、日本の社会状況もアメリカと似たようなものなんだから、現状は」
「派遣労働制度は廃止にする、正社員雇用と社会保障保険費は半分会社負担など、昔に戻すべき・・とか。最低賃金を引き上げ、8時間働いたらだれでも暮らせる収入にする、そういう社会にすると訴えるべきだね、そうすれば、少なくとも自民党の圧勝は抑えられる」
「野党は選挙民の胸にしみこむ言葉で、耳を傾けたくなるテーマを語るべきだ、選挙の時だけでも」

「サンダースは今のアメリカで社会主義者を名乗り、労働者の味方、立場で訴えて解りやすいから成功している」
「支持者の熱狂振りはストレートだ、社会革命とまで叫んでいる」
「政治の対立原点は労使間で、経営者vs労働者、だからサンダースは原点に戻って訴えているのだ」

「主義主張や特定の法案反対、だけではインパクトに欠けるし、国民の大多数、中・低所得層にとって最大の関心事は、(何とか法案)反対、などでは絶対にないからね、自分のテーマを語るべきだ、そこを間違えていると、次の選挙でも、してやられる」

「選挙民の、特に若い人たちの本当の関心事は、自分の所得であり社会保障であり、若者なら学費の無料化、低減などで何とか法案や憲法改正などでは絶対にないんだから」

「国会議員は与野党ともに高所得者で、国民の所得不足には低関心だから」
「日本の野党もアメリカ並みに国会議員立候補者には金持ちが多い」
「昔の社会党出身者だっているんだから、演説だけでも復古調にすればいいんだ」
「そうそう、次の選挙で自民に少しでも勝つもりなら、ぜひサンダースを見習うべきだね」

トランプは祖々父の時代にアメリカに帰化したドイツ人移民で現在で4世、不動産業で成功を修め、ニューヨークの中心地にトランプタワーや国際ホテルなど数棟所有し、ニューヨークを拠点に全くの素人(政治経験なし)ながら大統領に立候補しているのですが、最初泡沫候補と誰もが信じていたのに、メキシコ・シリア難民など強固な排他主義的言動が時流に適合して、またアメリカ人の好きな(強いアメリカ)復活論が受けて大人気。

アメリカ国民のなかには現政権の優柔不断にも思える対外対処にいら立っているものも多く、トランプ候補の歯切れのよい過激な言動がカタルシスを生んでいるようにも思え、なにより、現在の国民の関心事を迷わず錐で刺し貫くような、サディスチックな指摘で人気を博しているようにも見えるのです。

トランプはまだ国際政治には疎く、アジア情勢など無知で不用意な発言が多く、韓国を軽んじ日本・中国問題などアメリカが関与する必要はない、とも発言していたとか。そんなこともあって、日本の中でトランプは案外不人気だそうです。

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