また
ある人が
“刀を持った者”や
“棒を持った者”に
危害を加えられそうになった時に
この〈観世音菩薩〉の名を称えるならば、
かれらの
“刀や棒” は少しづつ壊れてゆき
ついにはこれらの危害から開放されるのです。
もしも
〈六道世界の千倍の、その千倍の、その千倍の世界(三千大千国土)〉のすべてにている〈夜叉や羅刹ども〉がやって来て
ある人を苦しめようとしても、
その人が
〈観世音菩薩〉の名を . . . 本文を読む
その時
〈アクシャ・マティ“尽きることのない意欲”という名の求道者(無尽意菩薩)〉は
みずからの座より立ち上がって礼儀正しく右の肩をあらわにし
仏陀に合掌をして、このように尋ねられました。
「世尊よ。
〈アヴァローキテーシュヴァラ“世間の音を観察する者”という名の求道者(観世音菩薩)〉様は
どのような因縁でもって“観世音”という お名前なのでしょうか?」
仏陀は〈無尽意菩薩〉にこのよう . . . 本文を読む
〈阿修羅王〉は、〈帝釈天〉に次の歌をうながす。
そして、〈忉利天の王・帝釈天〉は歌を紡ぐ。
かの愚か者には正しい知見などないようだ 私が怖れを懐いているというのだから
私は〈“真理を観る”という第一義〉にとどまる 〈忍耐〉と〈沈黙〉とを最上としているのだ
悪の虜(とりこ)になった悪人は 怒りに囚(とら)われてさらなる怒りを生む
“怒りの最中(さなか)でもよく怒り . . . 本文を読む
〈阿修羅王〉は〈帝釈天〉に次の番をうながす。
〈帝釈天〉の歌うよう、
私が常に語っている智者とは 愚かな争いには応じない者
罵声悪声には知らぬ存ぜぬ こうして智者は愚者に勝つのだ
〈忉利の神々〉から大歓声が上がる。自らの王を皆で褒め讃える。
うって変わって、〈阿修羅ども〉は水を打ったように静まり返る。
今度は〈帝釈天〉が〈阿修羅王〉に歌をうながす。
〈阿修羅王〉の . . . 本文を読む
仏陀は比丘たちに語りかける。
「昔、〈忉利の神々たち〉は〈阿修羅の一族〉と闘っていたのだ。
この時、〈シャクラ帝釈天〉は捕えられた〈ヴィマラチッタ阿修羅王〉にこう語った。
『あなた方は
どうして鎧に身を固め、武器を手に執るのですか?
怒りを抱え、相手を傷つけようと戦って、何になるのですか?
どうですか、
今から議論でもって
“道の正義をどちらが知っているのか”
勝負しませんか . . . 本文を読む