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21世紀新訳・仏教経典(抄)

西川隆範編訳・桝田英伸監修

この世の由来-世記経  ~天界の戦い 「怒りを越えて」その2

2012-10-07 20:17:26 | 経典
そこでまた 〈侍者〉は 〈天帝〉に歌でもって申し上げる。  〈天帝〉のなさる〈沈黙〉こそが “智者”を損なわないかと恐れるのです  かの愚かなる〈阿修羅の王〉が 「天帝はわしにおじけづいた」と言いふらさないか  “身の程知らずの愚か者”こそ “天帝の敵”と申せましょうぞ  私が一突きで片付けますので 天帝よ、どうかしばし退いてお休みあれ 〈帝釈天〉は 三度、〈侍者〉に向かって歌でもって答える . . . 本文を読む

この世の由来-世記経  ~天界の戦い 「怒りを越えて」その1

2012-09-30 21:06:01 | 経典
仏陀は比丘たちに語り始める。 「かつて、〈天の神々〉は〈阿修羅の一族〉と闘い続けていたのだ。 ある時、〈忉利天主にして神々の王・シャクラ(帝釈天)〉が〈忉利天の神々〉に、こう告げた。 『汝らよ。 今から私と共に〈阿修羅一族〉との闘いに来てほしい。 そしてもし勝利を得たならば、〈阿修羅王・ヴィマラチッタ(汚れなき心)〉を捕えて〈五つの縄〉で縛り上げ、 この〈善法講堂〉 . . . 本文を読む

この世の由来-世記経  ~天界の戦い 「捕えられた阿修羅王」その3

2012-09-23 20:29:45 | 経典
〈阿修羅王・ヴィマラチッタ〉はひとり、語り続ける。 “わしは この〈我〉という想いを捨て 〈無我の行〉を修することとしよう。 この〈我〉こそが『重き荷』であり、 〈怠け心〉を生み出していることを今や知る。 『我が在る(有)』という想いは、この〈我〉があるからこそ。 この『在り』という想いを 〈無我〉となさねばならぬ。 『在り』という想いは〈姿かたち(色)〉をなす。 『在り』という想いは . . . 本文を読む

この世の由来-世記経  ~天界の戦い 「捕えられた阿修羅王」その2

2012-09-16 20:19:44 | 経典
その時 〈阿修羅王〉は、はたと思い至る。 “〈魔界(阿修羅界)の縛り〉は、こんな縄よりもさらにきついぞ。 わしは〈我らが修羅一族の者ども〉を、『さらなる縄』で魔界に縛りつけておる。 しかも 〈一族の者ども〉はその縛りをほどくことも出来ない。” “〈我に執着すること(自己愛)〉という縛り。 〈愛に執着すること(偏愛)〉という縛り。 わしは まさに〈作られたものすべて(有為)〉で縛りつけ、 〈 . . . 本文を読む

この世の由来-世記経  ~天界の戦い 「捕えられた阿修羅王」その1

2012-09-09 19:58:56 | 経典
仏陀は比丘たちに語り始める。 「かつて、〈天の神々〉は〈阿修羅の一族〉と闘い続けていたのだ。 ある時、〈忉利天主にして神々の王・シャクラ(帝釈天)〉が〈忉利天の神々〉に、こう告げた。 『汝らよ。 今から私と共に〈阿修羅一族〉との闘いに来てほしい。 そしてもし勝利を得たならば、〈阿修羅王・ヴィマラチッタ(汚れなき心)〉を捕えて〈五つの縄〉で縛り上げ、 この〈善法講堂〉 . . . 本文を読む