そこでまた
〈侍者〉は
〈天帝〉に歌でもって申し上げる。
〈天帝〉のなさる〈沈黙〉こそが “智者”を損なわないかと恐れるのです
かの愚かなる〈阿修羅の王〉が 「天帝はわしにおじけづいた」と言いふらさないか
“身の程知らずの愚か者”こそ “天帝の敵”と申せましょうぞ
私が一突きで片付けますので 天帝よ、どうかしばし退いてお休みあれ
〈帝釈天〉は
三度、〈侍者〉に向かって歌でもって答える . . . 本文を読む
仏陀は比丘たちに語り始める。
「かつて、〈天の神々〉は〈阿修羅の一族〉と闘い続けていたのだ。
ある時、〈忉利天主にして神々の王・シャクラ(帝釈天)〉が〈忉利天の神々〉に、こう告げた。
『汝らよ。
今から私と共に〈阿修羅一族〉との闘いに来てほしい。
そしてもし勝利を得たならば、〈阿修羅王・ヴィマラチッタ(汚れなき心)〉を捕えて〈五つの縄〉で縛り上げ、
この〈善法講堂〉 . . . 本文を読む
〈阿修羅王・ヴィマラチッタ〉はひとり、語り続ける。
“わしは
この〈我〉という想いを捨て
〈無我の行〉を修することとしよう。
この〈我〉こそが『重き荷』であり、
〈怠け心〉を生み出していることを今や知る。
『我が在る(有)』という想いは、この〈我〉があるからこそ。
この『在り』という想いを
〈無我〉となさねばならぬ。
『在り』という想いは〈姿かたち(色)〉をなす。
『在り』という想いは . . . 本文を読む
その時
〈阿修羅王〉は、はたと思い至る。
“〈魔界(阿修羅界)の縛り〉は、こんな縄よりもさらにきついぞ。
わしは〈我らが修羅一族の者ども〉を、『さらなる縄』で魔界に縛りつけておる。
しかも
〈一族の者ども〉はその縛りをほどくことも出来ない。”
“〈我に執着すること(自己愛)〉という縛り。
〈愛に執着すること(偏愛)〉という縛り。
わしは
まさに〈作られたものすべて(有為)〉で縛りつけ、
〈 . . . 本文を読む
仏陀は比丘たちに語り始める。
「かつて、〈天の神々〉は〈阿修羅の一族〉と闘い続けていたのだ。
ある時、〈忉利天主にして神々の王・シャクラ(帝釈天)〉が〈忉利天の神々〉に、こう告げた。
『汝らよ。
今から私と共に〈阿修羅一族〉との闘いに来てほしい。
そしてもし勝利を得たならば、〈阿修羅王・ヴィマラチッタ(汚れなき心)〉を捕えて〈五つの縄〉で縛り上げ、
この〈善法講堂〉 . . . 本文を読む