5時だよ、ゴハンだにゃん

(元)外ねこさんに支えられる日々と、
野良猫さん一家TNRの記録

ウォルのオペ前経過(mixiより抜粋転載)

2011年10月26日 | ストルバイト膀胱炎
★猫のストルバイト膀胱炎でお悩みの飼い主さんはとても多いと思います。
参考になるかどうかわかりませんが、今回のオペに至る経過等について抜粋転載(少々編集)しておきます★


一時軽快したように見えたウォルの膀胱炎症状は3日後に再び増強。今回は血尿。
スプレー痕がうっすら赤い程度から、ほぼ鮮血が排尿最終にポトリと落ちるほどまで。
もっとも抗生剤もステロイドも止血剤も内服できてないのだから悪化することはあっても
良くなるわけがない。で、再受診。
抗生剤と止血剤の皮下注。エコーとレントゲンで膀胱内の現状確認。
エコー所見:膀胱壁の肥厚と内壁に砂状物がぐるりと付着、血餅などを含む浮遊物確認
レントゲン所見:膀胱内壁に高吸収域がかなり認められる。結石化したものは認められない。
エコープローベを当てたまま、お腹をモフモフすると、膀胱内にボワーッと結晶や血餅が
舞い上がる。予想してたよりもずっとずっと状況は悪い。

主治医はウォルの性格のことを悩みつつ いずれオペも…ということを視野に入れたうえで、
今回はしばらく通院、注射で投薬して 炎症をコントロールしてはどうか?と言う。
…が、ウォルは毎回タモアミで身柄確保して通院。それはそれでかなりのストレス。
せめてコンベニアなどを使って通院のインターバルを長くできないか?と聞いてみるが
渋い顔。
コンベニアはスペクトル域の狭い薬剤なので、今回のような尿路感染の場合1stチョイスの
薬剤ではない、また血中濃度を長期に保つので、逆に言えばその他の薬を追加しにくい
こと…などで勧められないと。
いったん帰宅したものの、注射薬の効果は1日。翌日には再び症状が強くなり、通院は続く。
VETの求めてるものはわかるんだ。でもいつまで?どこでGOサインが出るんだろう。いつ
明らかな効果が認められる日が来るのかな。このままじゃ何も変わらないんじゃないかな。

定休日の午後、アポ無しで病院突撃(笑)ちょうど居合わせた副院長と腰を据えて話した。
内科的治療の今後の展望@ウォルの場合 や 外科的治療の場合のope式や
それぞれにともなうメリット・デメリットおよびリスクについて詳しく説明いただき
質問にも丁寧に答えて下さった。
まとめてみると
1内科的治療の展望:膀胱内の結晶量が多く療法食を続けたとしても完全溶解は
 おそらく無理。
 また麻酔下洗浄をくりかえしても十分な結晶排出は望めない。
 療法食でこれ以上の結晶化を防止(可能な限り溶解)し、内服薬で炎症を抑制・拡大防止を
 図ることが最大限の期待できる治療効果。
2外科的治療の導入:大きく分けてa)膀胱切開洗浄術 b)尿道拡張形成術 の2つ。 
 オペの最大(かつ最低限)の目的は「尿路閉塞による生命危機の回避」
 a)は閉塞の原因の除去 b)は閉塞が起き難い環境を作る(尿道を太く短く再形成)と
 アプローチの仕方に違いがある。
 どちらにも相応のメリットとデメリットがあるが、ストルバイトが体質依存性で
 あることからすれば、
 b)尿道形成術のほうが生命危機回避という点でポイントが高い。
 ただし尿道拡張により閉塞の危険が無くなるので、膀胱内に存在するストルバイトには
 触らない。
 a)膀胱切開洗浄では、ストルバイトの再形成→閉塞の可能性を否定できない。
 ただし現状存在するストルバイト結晶を除去するため、膀胱炎症状は軽快する。
3外科的治療導入の時期:閉塞を起こしていない現段階では緊急性なし。閉塞を
 繰り返す場合に導入を考えても間に合う。
 時間的猶予がある場合、内科的治療を継続し、炎症状態を改善させてからopeの方が
 出血も少なく縫合部の経過も良い。
4入院期間と経過:a)術後尿道カテーテル3~4日で抜去、1~2日排尿状態確認後退院。
 b)術後尿道カテーテル10~14日で抜去、拡張尿道の狭窄や閉塞が起きないことを
 確認し3W程で退院。
5ウォルの精神的問題について:疾病の特徴として、性格的に長期入院が厳しい子の
 罹患・施術は実際多い。
 opeの場合、可能な限り入院期間を短縮できるよう病院と自宅での術後管理は
 状況に応じて対応する。

話をしながら少しずつ自分の考えがクリアになっていくのを感じていた。
「なにも変わらない」じゃなく、大切なのは「どんなふうに変えたいか」なんだよね。

生命を危険に晒さないのは当然。
その上で私が望んでいるのは「ウォルを膀胱炎症状の不快さから解放する」こと。
ウォルに気持ち良くなったなーって感じさせたい、気持ちよく過ごせるように
「これから」を変えたいんだ…と自分のココロの中が明確になった。
ウォルに不快な症状を与えているのは膀胱内に形成貯留されたストルバイト結晶。
これが存在する限り症状は消えないし、消えたように見えても繰り返す。
もう一つ考えたのはウォルの性格のこと。なんとなくいつもビクビク、そしてスプレー職人。
鬱屈して見えるこの性格にも、この不快症状が影響しているんじゃないかな。
本当はもっとおおらかな明るい子なんじゃないのかな。
少なくとも外で暮らしていた時のウォルは、臆病には違いなかったが陽気な子だった
はずだもん。

どの治療を選択してもスムーズにはいかないだろうしウォルに与えるストレスも大きい。
だったらせめて前向きに、明るい展望に向かっていこうじゃないか。

opeをしよう。可能な限り早く。
今回膀胱切開洗浄をして、たとえ完治は無理でも四六時中なんだか不快な状態から
ウォルを解放してやれたらいい。今なら腎機能も肝機能も問題ない。部屋の子たち
全てひっくるめて生活を見直すことで、これまでより少しでもタイトに療法食を
食べさせることができるかもしれない。また6歳という年齢に今後の体質変化の可能性を
賭けてみたい気もする。
尿路閉塞の危険が存在するなら、予防はもちろん出来る限りの観察をして早期に
発見処置できるよう努力すればいい。

そう決めて、やはり血尿の止まらないウォルを連れて再々受診。性格的にかなりケアが
難しいし、オペの時期はもう少し経過を見てからのほうが…と悩む主治医と相談中、
院長の提案で再度エコーへ。
映し出される像は前回とほぼ同じ。「切開洗浄してあげるほうが良いと思います」と院長。
「そうお願いしたいと思って、今日来ました」と私。ただ、時期が…と言おうとしたとき
「早いほうが良いんでしょう?早く楽にしてあげたいんでしょう?再発はするかも
しれません。今後も療法食が欠かせません。でも今のせつなさは取ってあげられます」
と。で、2日後のオペとそれまで注射薬で可能な限り炎症を抑えるという方向が決まった。


★10月11日 膀胱切開洗浄術を施行していただき、15日に退院後は保護部屋で隔離療養していましたが
経過は順調で24日抜糸。現在は猫部屋に戻っています★