「2083―ー欧州独立宣言」日本語版

グローバル極右界の「共産党宣言」、現代世界最大の奇書

2.11 出生率低下の根源は何か?(p356~)

2012-11-18 22:53:33 | フェミニズム批判
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フョードマン同志


 出典

 出生率低下の根源について、僕は「保守なる瑞典」というブロガーと討論してきた。低下の根源として、福祉国家、フェミ思想、世俗主義がよく槍玉に挙げられるが、実態はより複雑怪奇なようだ。
 米国の出生率は西洋の中で最高だが、それは移民の寄与分が大きい。白人に限定すると、米国人の出生率は欧州人より低い。一方、福祉国家でフェミ的で世俗的なはずの北欧諸国の出生率は人口維持水準の2.1以下とはいえ西欧では最高水準だ。これは欧州一宗教保守のポーランドは愚か、性役割の概念が健在でキリスト教が隆昌している筈の韓国をも上回っている。
 イスラムと西洋との出生率の違いは確かに宗教要因によるものだが、それでは西洋内部の違いの真なる原因は何なのだろうか?

 ママ作り:出産奨励金はカナダ等で役に立ったか?
 赤子業界が隆昌して赤子が減るとは何という事態だろう。カナダの出生率は長らく1.5で下げ止まったままだ。これは女子教育、財政的自立、世俗化、出産統制、性欲城市の普及で育児が人生選択肢の一つに墜ちたこと、それに地球温暖化、テロル、女優リンジー・ローハンへの恐怖心のせいで子育てへの不安感が上昇したことが大きい。
 これは先進国共通の悩みだ。ドイツでは大卒女子の4割に子がいない。出生率が1.26まで下がった日本では、夫婦がネットに耽って性交を怠ったからだとネットのせいにしている。

 子供が社会保障の基盤にならなくなった
 子供をもっと持ちたいのに無理という不満もよく挙がる。子供が好きだから出産するというのは事実だ。後進国では多くが経済力を無視して多産しようとする。
 逆説の原因は何か?社会保障のないところでは、拡大家族が社会保険の機能を非公式に代替し、多産を功利的行為にしている。しかし、国家の社会保障が多産を不利益な行為に変える。もちろんそれが唯一の理由ではないが、多産以外の手段で老後を国家に保障してもらえるのは大きい。
 欧州諸国の基礎条件はほぼ同じだ。ドイツやフランス、地中海諸国は保守的カトリックの国だが、出生率は欧州諸国の中で最低水準だ。これは一重に国家の社会保障が危険な程充実しているからだ。銭機が行動の淵源にあり、その行動が文化を創り出す。
究極の解決策は単純だ。国家をこの分野から退場させるのみ。

 世俗主義による死
 フィリップ・ロングマンの『揺り籠が空っぽ』によれば、無神論の支配した旧ソ連では人口減が2050年まで継続し、ロシアでは22%、ウクライナでは50%人口が減るという。西欧でも4~12%人口が減るが、篤信的な米国では人口が増加する(国連統計)。これは世俗主義の持つ非産化の戒禁によるものだ。
 不死の概念があって初めて人類は死の恐怖を克服できる。宗教なき世俗社会は次第に冬眠していき、やがては社会消滅への舞踏会を踊るのだ。

 欧州自滅の理由
 欧州は今、「繁栄の中の自滅」という未曽有の事態を迎えている。米国のベン・ワッテルバーグいわく、「黒死病の1348年、欧州の人口は推定3分の1減少した。将来50年間、欧州は人口が5分の1漸減する事態に直面するだろう」

 古き宗教を復興させよ
 世俗主義は多くの者を享楽化させ、個人の人生を「食え、飲め、結婚せよ、明日死のう」という儚きものに変える。そこには自分の将来のことしかない。
 一方、真正の宗教者は永遠性に目をつけ、より長期的に物事を構想する。ケルン大聖堂をはじめ、欧州には完成に数世紀を要した教会が多数存在する。中世の司祭たちは来世の至福のために、自らの生存中には成就せぬだろう大計画に乗り出したのだ。彼らは信仰心で以て磊の大山を鳴動させ、欧州に大聖堂を築き上げたのである。世俗化された欧州人、自分の生存期間中しか経済的関心を持たぬ現代の欧州人に模倣できることだろうか?
 総じて世俗主義者は自分だけの人生を享光するあまり、仕事を早くやめ、子供の数まで減らそうとする。米国での統計によると、教会に頻繁に通う人間の方がより多く出産する。
 ではどうすべきか?個人への自由を制限して生殖活動を促すか、何十億ドル投じて人工子宮の研究開発を行うか、人口育成のための新業界でもつくるのか?社会保障の水準を後進国並みに落とすのか?
 最大の課題は社会進出した女性だ。進出自体に反対するつもりは毛頭ない。現行制度では、出産すると収入が減ってしまうようになっている。これをカイゼンするための政策を提言しよう。

 子供が3人以上いる核家族のための州営住宅を建設する。入所期間は3人目が生まれてから末子が18歳になるまでとする。但し、離婚する場合は即時州営住宅から強制退去させられる。無料の幼稚園も整備する。

 こうすれば、経済負担を抑えつつ、家族を団結させられるだろう。平均出生率が2.1または2.5を超えることを目指すべきだが、この視点が西欧の領導者たちには欠けている。うまくいけば、出生率が劇的に上昇し、少子化問題の解決策としてのムスリム移民という多文化主義の大義を失効させることもできる。

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