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一陽来復~近藤聡彦のファゴットブログ~

ニューヨーク帰りのファゴット奏者が綴る下関音楽日記

モーツァルトのディヴェルティメントNo.3

2018年10月15日 | 動画
9月に行なった「下関チェンバーアンサンブルVol.5 名曲♪室内楽コンサート」より、
モーツァルトの「ディヴェルティメントNo.3 KV.439b」です。

本来この曲は、バセットホルンというクラリネット族の楽器の三重奏として書かれた物です。
モーツァルトが現役バリバリで活躍していた頃は、バセットホルンも活躍の場が多く、
彼のオペラや、有名なレクイエム、13管楽器の為のセレナード等でも大活躍しているのですが、
その後は徐々に廃れてしまい、現在ではなかなかお目にかかる機会の少ない楽器に

しかしこのディヴェルティメント全6曲は、曲の素晴らしさから、
後の人達によって、他の楽器でも演奏可能なように、様々に編曲され、
時代の波に埋もれる事無く、演奏され続けています

市販されている楽譜の楽器編成には、大抵クラリネットが入っていて、
我々が演奏するにはクラリネットのin Bの譜面をin Cに書き換えねばならず、
「それは面倒だなあ~書き換えずに済む良い手はないかなあ?
と探し回った挙句、見つけたのはダブルリードトリオ用の楽譜。
つまりオーボエ2本とファゴットの譜面でした

最初のリハまでは、この楽譜でちゃんと成立するのか?ちょっとドキドキでしたが、
いざやってみるとあまり違和感もなく、むしろ管楽器3本でやるよりも、響きが拡がっていい感じ。
この編成の演奏は、YouTubeにもまだ無いようなので、アップ決定

やっぱり元の素材が良いと、どう料理しても上手くいくもんだなあ
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ウェーバーの三重奏曲

2018年10月10日 | 動画
先月行なった、「下関チェンバーアンサンブルVol.5 名曲♪室内楽コンサート」。
今年もコンサートの動画編集が完了したので、いくつかYouTubeにアップしました。
このブログでもご紹介

先ずはウェーバーの「フルート、ファゴットとピアノの為の三重奏曲 ト短調Op.63」から、
第3楽章「羊飼いの嘆きの歌」と、第4楽章。
オリジナルはファゴットじゃなく、チェロの譜面なんだけど、
フルートの譜面も、ヴァイオリン版が出版されているし、
ファゴットで吹いている動画は、YouTubeにもあまり無さそうなので(笑)、
今回ちょっとやってみようかと

この曲はウェーバーの代表作、歌劇「魔弾の射手」と並行して書かれた、
その円熟期の、貴重な室内楽曲の一つです。
第3楽章は「羊飼いの嘆きの歌」という副題が付いていて、
当時、他の音楽家が出版した曲集から、ウェーバーが引用編曲して使用したようです。

ウェーバーと言えば、ファゴット吹きとしては避けて通れない、
「ファゴット協奏曲」「アンダンテとハンガリ風ロンド」くらいしか身近じゃなかったもので、
とても新鮮でした

フルート:石飛祥一 ピアノ:山根陽一 ファゴット:近藤聡彦 
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Mozart Bassoon Concerto

2018年06月22日 | 動画
YouTubeを漁っていたら、
2015年までミネソタ交響楽団の首席奏者を務めたJohn Miller氏が、
モーツァルトのファゴット協奏曲第2楽章を、リハーサルしている動画を発見。

元動画には彼の名前と、2011年にアップされた事以外の情報がなくて、
スマホで撮ったらしく前奏無しで、カデンツァの後でプツッと終りますが、
彼の素晴らしい音はバッチリ聴けます。
僕も彼のCD持ってますよ~

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Daniel Matsukawa talks about Berlioz's Symphonie fantastique!

2018年04月09日 | 動画
昨年8月に、フィラデルフィア管弦楽団が、
ベルリオーズの「幻想交響曲」を演奏した時の、
プロモーション動画を発見

首席バスーン奏者のDaniel Matsukawa氏が、
第4楽章と第5楽章の有名なソロについて語って、
さわりをちょっと吹いてくれます。
いい音だなあ。どうせなら全部吹いて~

いかにも舞台裏みたいな所で撮ってるなあ
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ファゴットの作り方

2018年03月07日 | 動画
以前、ドイツのシュライバー社が、
ファゴット製造工程の動画を、YouTubeにアップしていたので、
このブログでも紹介したけど、いつの間にか見られなくなっていました
いい動画だったのに残念だなあと思っていたら、誰かが保存していたようで、
同じ動画が再びアップされているのを発見

動画削除の後、シュライバーは新公式動画をアップしたんだけど、
新動画は時間が短くなっているので、こっちの最初の方が情報量が多くて面白い

今回久々にじっくり見てみました。
アメリカに住んでいた時に、インディアナにあるフォックスの工場を見学した時も、
見慣れた形が、丸太から削り出されてくるのを見入っちゃったけど、
この動画でも「へぇ~こうやって作るのか」っていう場面がいっぱい。

こうしてみると、楽器もリードと同じで、製作者のセンスがとても重要だなあ。
機械化された工程もあるけど、手作業の部分もかなり多く、それもかなりの職人芸。
同じメーカーの楽器でも、個体差がいろいろある訳だ

この手の動画って、ず~っと見ちゃうよね

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Mambo!

2018年01月28日 | 動画
シカゴ響で最近演奏された、モーツァルトのファゴット協奏曲の話を、
3つ前の記事で紹介しましたが、
このコンサートのプログラムは、モーツァルト「ファゴット協奏曲」に、
バーンスタイン「ウエストサイド物語」の「シンフォニックダンス」と、
バルトーク「管弦楽の為の協奏曲」だったようで、すごい取り合わせだなあ
近ければ聴きに行きたかった

YouTubeのシカゴ響公式チャンネルに、「シンフォニックダンス」の山場、
「Mambo」があったので御紹介

指揮者ノリノリで踊りまくり
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Keith Buncke on Mozart's Bassoon Concerto

2018年01月23日 | 動画
2015年から、シカゴ交響楽団の首席ファゴット奏者を務める、
Keith Buncke氏が、1月18日と20日のコンサートで、
モーツァルトのファゴット協奏曲を演奏したそうです

YouTubeのシカゴ響公式チャンネルに、
短いながらも、演奏とインタビューが紹介されていました。

公式インスタには本番の写真もありますよ 「シカゴ響インスタ」
背が高い人みたいだな
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指揮者業の思い出

2018年01月15日 | 動画
先日、例によってYouTubeを漁っていたら、
自分が指揮している動画が出てきて驚いたのなんの
こんなのまであるとはYouTube恐るべし

その昔、下関第一高校の管弦楽部を指導していた頃がありました。
ニューヨークから下関に戻った時には顔を出し、当時の高校生達やOB達と一緒に、
定期演奏会を立ち上げて、13回目まで指揮をしました。

途中で下関第一高校は、中高一貫校の下関中等教育学校に再編され、
11回目の定演から、中学生達が加わってきたのを、とてもよく覚えています。
最初の名称「下関第一高校管弦楽団」も、「下関中等教育学校管弦楽団」に代わり、
時代の変化を感じたものです

僕が最後に携わった13回目の定演で、
「カルメン」組曲の「闘牛士」を指揮した動画があったので、持ってきてみました。
10年ちょっと前なので、僕もちょっとだけ若いですが

この他にも数曲アップされているので、興味がある方はこちらをのぞいて下さい。彦島太郎

誰がアップしたのかは分からないけれど、懐かしい動画をありがとう
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Francesco Cappa's Trovatore Fantasy

2017年12月24日 | 動画
例によってYouTubeをのぞいていたら、
アメリカを代表するオーケストラの一つ、シカゴ交響楽団の、
首席ファゴット奏者のDavid McGill氏が演奏している動画を発見

僕はこの曲についてよく知らないんですが、Francesco Cappaという人が書いた、
ヴェルディのオペラ「Il Trovatore」の主題による「Trovatore Fantasy」という曲だそうです。

動画の最初でMcGill氏が、「シカゴ響音楽監督のリッカルド・ムーティ氏から、イタリアに来て、
この曲の初演をして欲しいと頼まれ、7月5日に演奏してきたばかりだ。」と言っています。
動画アップの日付からすると、初演の直後だったようです。
チューニングがA=445だったとも言っていますね

安定感タップリで、伸び伸び軽々と歌うMcGill氏の演奏が素晴らしい

アメリカで老舗のファゴット合宿、「Glickman-Popkin Bassoon Camp」での一コマです。

それではメリークリスマス

*12/26 追記
David McGill氏はシカゴ響を'15年に退団され、
現在は Northwestern Bienen school of Music のファゴット科教授として、
後進の指導をされています。
Mさん、情報ありがとうございました

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The Friendly Giant

2017年11月18日 | 動画
YouTubeを漁っていたら、カナダで放送されていた、
「The Friendly Giant」という、昔の番組を発見。
日本でいう、NHKの「クインテット」みたいに、
人形と人間で、いろんな音楽や楽器を紹介する番組です。

この中に、ファゴットを取り上げた回があったんですが、
子供向け番組ではありながら、リコーダー2本とファゴットで、
ちゃんとした曲をいろいろ演奏するので、ちょっとビックリ
録画が古いので、音がちょっと割れ気味だけど、
ファゴットがいい音なので、誰が吹いてるか知りたくて、
最後のエンドロールを見たら「Bassoon  David Carroll」の表記。

おおDavid Carroll氏は、恩師中川良平先生の親友で、
ニューヨーク・フィルの副主席奏者だった人です。
僕がニューヨークに住んでいた時はまだ現役で、
コンサートで、いつも美音を響かせていました

Carroll氏はニューヨーク・フィルに来る前は、
カナダのモントリオール響に在籍していて、
番組の最後に1979年と出るので、その頃の演奏かもしれないですね


「クインテット」にもファゴット出て来て欲しいよなあ
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グリンカの悲愴トリオ

2017年10月22日 | 動画
先月の「下関チェンバーアンサンブルVol.4 名曲♪室内楽コンサート」より、
プログラム3曲目は、グリンカの「悲愴トリオ ニ短調」です。

グリンカの曲で、一般に知られているのは、
歌劇「ルスランとリュドミラ」序曲くらいかなあ。
彼は管弦楽曲やピアノ曲も書いていますが、聞く機会はあまりないですね
その中でもこの曲は、管楽器の数少ないレパートリーとして、よく演奏されている方です。

これまた何とも意味深な題名に興味を引かれますが、
自筆譜の表紙には「私は愛を、その苦しみ故に初めて知った。」と書いてあるそうです。
この曲は若きグリンカが、ロシアからイタリアに留学していた時に書かれています。
曲にまつわる、詳細なエピソードは残されて無いようなんですが、
何があったんでしょうねえ

原曲はクラリネットとファゴット(またはチェロ)とピアノの為に書かれていますが、
後にクラリネットの譜面を、ヴァイオリンで弾けるようにして出版されたので、
ヴァイオリンとチェロ、ヴァイオリンとファゴットの組み合わせでも演奏されています。

調べてみると、ヴァイオリンの巨匠、ダビッド・オイストラフが、チェロとの録音を残しているので、
ヴァイオリン版が書かれたのは最近ではなく、それなりに時代を経たもののようです。
YouTubeを漁ると、ヴァイオリン&ファゴットの動画はまだ少ないですね。

演奏してみると、クラリネットとヴァイオリンのアプローチの違いが、とても面白かったです。
クラリネットは、一般的にはビブラートをかけないけど、ヴァイオリンは普通にかけるってところからして、
もういきなり印象が違うんですよ。
この曲がまた盛り上がるもんで(笑)やってて燃えました


・・・という訳で、3回に渡って、今年の下関チェンバーアンサンブルの演奏を紹介しました。
毎年下関で、こんな感じで室内楽の演奏会をやっています。
既に来年も、9月9日(日)生涯学習プラザ風のホールを予約して押さえてありますので(笑)、
興味が湧いた方は、生演奏で聴いて頂けたらと思います
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ハイドンのロンドントリオ

2017年10月10日 | 動画
「下関チェンバーアンサンブルVol.4 名曲♪室内楽コンサート」
プログラム2曲目は、ハイドンの「ロンドントリオNo.1 ハ長調Hob.4-1」。

ハイドンは、生涯で2回ほどロンドンを訪れていて、
その2回目の滞在中に、彼の有名な交響曲「驚愕」「軍隊」「時計」を書いています。
この「ロンドントリオ」シリーズは、その頃パトロンのフルート愛好家の男爵と交流があり、
彼の為に書いたのだろうと言われています。

オリジナルの楽器編成は、二つのフルートとチェロで書かれていますが、
この時代の常で、楽器編成は柔軟な方が、楽譜の売り上げも良かったそうで、
他の楽器でも演奏可能なように書かれています

YouTubeを漁ると、二つのフルートとファゴットの組み合わせが多いようですが、
今回のようにヴァイオリンが加わると、響きが豊かになってとても良いですね


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ドヴォルザークのバガテル

2017年10月06日 | 動画
先月の「下関チェンバーアンサンブル Vol.4 名曲♪室内楽コンサート」。
コンサート前半の録画を、YouTubeにアップしたので、
このブログでも紹介していきます

プログラム1曲目は、ドヴォルザークの「バガテル Op.47」。
原曲は二つのヴァイオリンとチェロ、ハルモニウムの為の曲です。
ハルモニウムはオルガンみたいな楽器ですが、ドヴォルザーク自身がピアノでも可としています。
YouTubeを見てみると、ヴァイオリンの片方をフルートで演奏しているグループも多いですが、
チェロパートをファゴットでやってる所は未だ無いようですね

今年の1月にベルリン・フィル八重奏団が来日した時に、
八重奏に編曲したものを初演して、話題になったようです。
日本ではあまり知られていないけど、海外では知られている曲って多いんですよ

「あ、ここは管楽セレナーデと似たベース進行だな」なんて、
彼の他の曲をいろいろ思い出しながら、リハーサルしました。
交響曲みたいなスケールの大きい感じではなく、むしろ「スラブ舞曲集」なんかの方に近いかな。
いい曲ですよ


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ローエングリン

2017年08月18日 | 動画
先日のダブルリード合宿の余韻も、まだ冷めやらぬところですが、
今回の修了演奏会で演奏した、ワーグナーの「ローエングリン」第三幕への前奏曲の、
ファゴット四重奏版動画を、YouTubeにアップしました。


山口県ダブルリード協会のフェイスブックにも、別の動画と写真がアップされています。
フェイスブックアカウントを持っていなくても見られるので、こちらもどうぞ 「山口県ダブルリード協会」
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Two Philadelphia Orchestra Musicians "Pop-Up" at the Orchestra's Offices.

2017年04月02日 | 動画
YouTubeを漁っていたら、フィラデルフィア管弦楽団の公式チャンネルに、
首席バスーン奏者のDaniel Matsukawa氏が、チェロ奏者の人と
ゲバウアーの「セビリアの理髪師」ファゴット二重奏版を演奏しているのを発見
エレベーターロビー?で演奏しているので、途中でUPSの人が配達に来ちゃったりします。
いい音してるなあ


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