シロクマックスのアラフォー、ぼちぼちアメリカ生活

アメリカ生活のあれこれをつれずれに書いてます。
移住して8年、ぼちぼちやってます。

いきなりギャロップは辛いネ

2011-06-30 | アメリカ生活のあれこれ

今日・・・・うう・・・シドニーで・・・うう・・・初出勤しました・・・・ううう・・・・

足が・・・・足が痛くて歩けない!!

なんでまだRandwick race courseのライダーの免許も降りてない

うちからいきなりギャロップ?一頭目、約八ヶ月ぶりに馬に乗ったけど、

もののみごとにもっていかれて、暴走一歩手前。

厩舎長から、「what's happened to you?」

て言われたときは、なにも言い訳でいなくて、

「Too strong?」(つまり馬が元気良すぎて強すぎたか?ということなんですけど、)

そんなことはなくて、はっきり言って、ギャロップ出す前から、トロットの段階から

馬を自分の手の内にいれることが出来てませんでした。馬の背中でがっこんがっこん

いってましたからね。びっくりするくらい折り合ってなかったですよ。

だから正直に言いました。馬が強かったんじゃなくて、俺がフィットしてない。

ハミをガッツリ噛ませすぎて、どーにもならんかった、ごめん、って。

2本目はバッチリ。馬も気持ちよくスローワークをこなしました。

3本目も、インド人のライダーと合せ馬して、ちょっと馬がかかったけど、

なんとか2頭並んでフィニッシュ。これも悪くはなかったはず。

4,5本目はファストワーク(追い切りです)のため、僕は

前運動のトロットだけして、プロジョッキーのナッシュ・レイラーと交代。

ナッシュはG1勝ちまくってる今一番AUSで追えるジョッキー(シロクマックス主観)

で、ナッシュと話せて感激。ナッシュはHaradasan(G1馬)を下ろされたりして、

苦労した騎手だよね。ナッシュはとても気さくな人柄で、僕みたいな

へっぽこライダーのレッグアップ(馬に乗るときに足を上げてもらう行為)

をしてもらうのが申し訳ないくらい。


ちなみHaradasan(ハラダサン)は

もとボクシング世界チャンピオンのファイティング・原田からとった名前なんです。

絶頂期のファイティング・原田はあまりにも強すぎて、オージーですら

その強さは知っていたんです。

自分自身の拳打があまりにも強すぎて、自身の拳がついてこれず、

拳を骨折したという伝説の逸話は僕も知ってます。

それくらい強かったボクサーです。

オージーはかなりボクシング好きです。

その絶頂期のファイティング・原田をオージーのアボリジニーのボクサーが

13R・判定の末に破って世界チャンピオンになったんです。かなり前の

話ですけど。当時、凱旋したチャンピオンに、10万人の観衆があつまって

パレードをしたという記事が残ってますから、その当時の熱気たるやすごかったでしょ

う。ですから、今の50歳以上の男性のオージーにファイティング・原田を

知っているか?と問えば、かなりの格率で知っているはずです。

オーストラリアでは大変有名な日本人です。トリビアですけど。

話はそれましたけど、とにかく、今日は大変だった・・・・

足が痛くて・・・・カラダが馬乗りにフィットするまでには一週間かかるでしょう。

それまでに首にならなければいいんですけど・・・・・

ひやひやします。


とても気に入ったMore Than Readyの牡

2011-06-26 | アメリカ生活のあれこれ

今日はシドニーから。今はバックパッカーに宿泊しています。その話はまた今度、

まだネタがありません。12時間かけてバスでメルボルンからきたばかりですから。

そのかわり、いままでアップできずにたまっていた写真をあげようと思います。

この馬は今年のInglis Sydney Easter SaleにVinery AUSより

上場されたLot 270 More than readyの牡です。これはとても

気に入った馬で、3回ほど見に行きました。売却額はAU$400.000(約3400万円)

でした。

体もオージーがちょうどこのむくらいの大きさで、申し分なし。太ってないし。

見た目は最高でした。

一番気に入ったポイントは、何といってもお父さんのモアザンレディの特徴が

体によく表れていたことです。走るかどうかはわかりませんけど、

これぞまさしく「お金になる馬」だと思いました。実際高かったですし。

僕も仔馬を仕上げるにあたって、こんな風に見栄えのするカラダずくりを

目指してやっていきたいですね。

 


No Think, Feel!! それがオーストラリアの馬文化

2011-06-21 | アメリカ生活のあれこれ

 

え~と、前回のNo Findingのオーナーが所有権を破棄して

同馬を牧場の1,200エーカーの土地に放した、という書き込みで、

そりゃ無責任じゃないかというような趣旨のコメントをいただいたので、

少し説明を補足させていただこうかと。


記事にはReleaseという表現が使われているんです

けど、別にサバンナみたいな大草原に一頭だけ

ほっぽり投げるわけじゃないです。

AUSの繁殖牝馬は、基本受胎確認がされた後は、

出産の少し前までは24時間ずっと裏山というか、草原というか、なんというかとにかく

バカでかい「ビッグフィールド」とか呼ばれたりする放牧地にほっぽりっぱなし

なんです。

この写真はパースのファームに立ち寄った時のものですけど、参考になるかと。

この写真のおくのフェンスの向こうまで、ずっとパドックなんです。どこまでかは

わからないけど。こんな感じで。


アメリカみたいに、毎日ターンインして、裏掘りして、午後にターンアウトしてみた

いなことはしません。一日一回フィードランといって、トラックで餌をまきに行きます。

ウォータータブもどっかにあります。なので、完全に飼育放棄っていうわけじゃ

ないです。ただし、限りなくノーケアです。AUSの馬はとにかくタフでじょうぶです。

ノーケアでけっこう、ほっといてよ、って感じで、日中45℃超えの夏でも余裕で

放牧地で過ごしています。スタッフも気にもとめません。

逆に捕まえるときのあの大変さ・・・だってほとんど野生馬なんですから。

足を怪我して膝がサッカーボールくらいに腫れてても、

4本足でたっている以上ほっとくらしいですよ。(Flying Spur氏談)

この点に関しては、なんでもすぐ薬で対処するアメリカの馬文化より好ましく思ってま

す。アメリカは獣医が儲けすぎだと思います。


AUSの繁殖牧場はすさまじいです。繁殖250頭でスタッフ4人とかざらです。

(Raheen studとか)

このスタッフで、250頭の繁殖の出産と、種付けと、Yearling prepをしてます。

Weanlingをセールにだすなら、そのプレップもします。馬房に・・・馬を基本入れないです。

イヤリングプレップもセールの6週間前からやっと「野生」状態の一歳馬を「初めて」

馬房に入れて、「初めて」チェフニーをつけます。これは豊富な人的資源

(つまりイリーガルなメキシコ人)の確保が可能なアメリカではまずありえない

状況です。

この事例に対して、Raheen studで勤務経験のあるFlying Spur氏はなんと

コメントするでしょうか?

AUSの生産現場を知る人間として、なにかあればどうぞ。(n‘∀‘)η


注射とか、俺がうちますよ。獣医なんか・・・・X rayのときしか来ません。

一から十までヴェットにやらせるアメリカや日本とはこの辺も違ってきます。

適当なんです。


僕の先輩の体験談ですけど、朝フィードランに行って、双眼鏡で放牧地の馬の数を

ぞえてたら、昨日より一頭多い・・・・みたいな。

「あれ、生まれてんじゃん」ていうことがたまにあるそうです。(我謝氏談)


なので、僕は表現上「野生に帰れ」という表記をしましたが、実際には完全に

野放しにするわけではないです。そもそもAUSの繁殖牝馬は基本全馬

野に放たれてますし、出産すら外のパドックですから。馬房にはいる機会って

一年の内に何日あるんでしょう?


というわけで、No Findingの状況に間する僕の書き込みをご覧になられた方には

オーストラリアの競争馬の生産現場について、きちんと説明書きをすべきだったと

反省しています。


僕の私見ですが、なにしろAUSの馬は元気ですよ。

のびのび育ってます。なにもされないが故に、

恐ろしくタフ。中3日で競馬使ったり、ふつーにします。

 

ある日突然9歳の馬が「デビュー」したりします。

生まれてから9年間なにしとったの?ってほんと思いますけど・・・・

たぶん、5,6年ぶりに存在に気づいた・・・とかいうレベル・・・

25歳の繁殖牝馬が7年ぶりに種付けしたとか・・・・・

7年間ほっぽりっぱなしだったのに、なぜ今更?とか・・・

考えたらいけないんです。理屈じゃないから、この国は。

あるんです、オーストラリアではそーいうことが。

いいんです、オージーはゆる~い感じがいいところ。

9歳でデビューしたらいけないルールなんかないし。

2週間で4回競馬使っても平気だし。

懐かしい夏の日の一枚で締めくくりたいと思います。

ジェラール元気かな?

僕は明後日より、シドニーに移ります。厩舎で働く予定です。

ああ~メトロポリタンライフ、何年ぶりだろ・・・・

 


これぞまさにオージーだね・・という話

2011-06-19 | アメリカ生活のあれこれ

 

 

写真はないんですけど、ちょっと興味深い話を。

先日ブリスベンにあるDoomben(ドウーンベン)という競馬場で

行われたG2 BRC Grand Prixという重賞レースで、

僕の所有している繁殖牝馬のクーナックママがお腹にやどしている

仔のお父さんのDane Shadowの仔が優勝したんです。

当然僕にとっても縁遠からぬ話で、レースを見ながら、パートナーと

ギャーギャー騒いだのを覚えています。お父さんの仔達ちが

活躍すればするほど、今から生まれてくる僕らのデインシャドウの

仔がセールで高く取引されるわけですからね。


で、このBRCクランプリに優勝した馬はTunitup(ターニタップ)

って言うんですけど、今回はこの馬にまつわる話。

ターニタップのお母さんはNo Findingという馬で、ターニタップを

産むまでに、何頭も仔馬を産んでるんですけど、

あまり子供たちが走らなくて、ついに2007年にノーファインディングの

オーナーが、デインシャドウの牡(つまりこれが今のターニタップ)を

出産後に、この肌馬は子供の成績がよくないからもういらない、

という理由により、所有することを破棄してしまったんですね。

ちなみにノーファインディングは血統もあまり素晴らしくない馬で・・・・

そこで、同馬を預託で管理していた牧場が、預託解除に

ともない、同馬を1200エーカーある牧場の裏の「草原」にはなしてしまった

んですね。つまり野生に帰れと・・・・

これはこれで素晴らしいことなんです。例えばもしこれが日本であれば、

この繁殖牝馬はまず間違いなく「廃馬」として「殺処分」です。

土地のない日本で、用なしの肌馬を放し飼いにする土地なんかありません。

悲しいですけど、馬は自分の競争成績で、あるいは繁殖成績で

自分の未来を自力で切り開かなければならない経済動物なんです。

でもそこはゆる~~いオーストラリア。土地なんか捨てるほどあります。

だってアラスカを除くアメリカ本土とほぼ同じだけの面積を誇りながら、

人口はたった3000万人ちょいのAUS。アメリカの十分の一です。

繁殖牝馬としての役目を「免除」された馬達を野に返すくらいの

土地はいくらでもあるんです。


ところが・・・・


野に返してしまった肌馬の仔があろうことか重賞を勝ってしまった。

しかも調教師は今現在AUS NO.1のピーター・ムーディー師。

ターニタップはまだ3歳。以前から重賞でたびたび入着していた。

つまりこれは「まぐれ」ではないわけで・・

これからどんどんビッグレースを勝つ可能性だってある。

逃がした魚は大きいのだ。Buck To Dane Shadowで

もう一回デインシャドウの子供がちゃんと生まれれば、

牡ならうまく育てて1000万円から1500万円くらいの値段で

取引できるのだ。デインシャドウは今フィーヴァーしてますから。

記事によると、現在野に返したノーファインディングを牧場スタッフが

懸命に「搜索中」だそうで・・・・・

そりゃそうだ、金の成る卵を産んでくれるママだからね。

でもまだ見つかってないらしいです。2007年以降、ノーファインディングは

「誰にも目撃されていない」らしく、発見は困難なようです。

AUSの馬は全馬首筋にマイクロチップを埋め込まれていますから、

スキャナーでピコっとやれば、間違いなくその馬が誰なのかは

判別できるので、ぜひぜひ牧場のみなさん、頑張ってくださいね。

しかも、前オーナーが所有権を破棄している以上、見つければ

牧場の「自家所有」になるわけです。そりゃ必死だ。

生産は錬金術ににてますよ。ある日子供がビッグレースを買ったとたん、

昨日までほぼゼロだった価値が一気に何千倍にもなるんですから。

僕のクーナックママも、子供の活躍次第でどーにでもなっちゃうんだけどね。

母の運命を左右する仔馬はまだお腹の中で・・・・


Bon fire  放牧地で無断焚き火&飲酒

2011-06-15 | 日記

なんか知らんけど、僕の所でもBon Fireをやりました。

俺、正直ボン・ファイヤーって、いったいなんのことか、

いまだによくわかりません。たぶん収穫の後に畑で焚き火をする

習慣のことだと思うんだけど・・・

ヨーロッパ人っていろいろな習慣をもってて面白いね。

 

カメラの感度がよすぎて煙い・・・・

ほんとは盛大にキャンプ・ファイヤーを燃やして祝うらしいですけど、

僕らは写真みたいなしょぼい焚き火が精一杯で・・・・

なにしろ、火を燃やしてるのが馬の放牧地ですから・・・・・

ボスに知れたらかなり怒られるはず・・・・・・


左からオーラ、グローニャ、それからブーちゃん改めブリトニーです。

オーラとグローニャはアイルランド人です。グローニャってのは英語でいうところの

グロリアで、アイリッシュはケルト語がベースらしいので、アイルランド

独特の発音になるわけです。ブーちゃんはオーストラリア人ですけど、

本名のブリトニーってのが俺にはしっくりこない。ブリトニーっつったら

ブリトニー・スピアーズを連想するわけで・・・・俺はこのブリトニーは

自分の中で「ブーちゃん、あるいはぶっさん」と呼んでいます。

グローニャは「ぐっさん」です。グローニャはかわいい子ですよ。

オーラは完全にアル中です。こんなひでー女はなかなかお目にかかれないくらい

ひでーアル中女です。いい子だけどね・・・・・

 

 

ぶっさんとビリーと。こうして見ると、ビリーって顔でかいね・・・・・

アンタッチャブルのザキヤマといい勝負だな、きっと。

オーラと。オーラはもう少し年齢を重ねればイイ女になるかも・・・

でもそのためには・・・・とにかく酒やめろ。タバコもやめろ。

二日に一回は風呂に入れ。アイリッシュって風呂に入らないんだよね~。

 

ビリー君と。やっぱ顔でかいな、ビリー君。俺は、酔っ払っててよく覚えてないけど、

たぶんがんばってイノキのマネしてんだな、これは。アゴしゃくってるのは

そのせいかと・・・・・

 

ボン・ファイヤーの前で皆と。ま、いろいろあったけど、楽しかったぜ

アーリンベイル。

グローニャは先週親戚の住むパースへと旅だって行きました。

ビリー君はシドニーから車で3時間のところにあるオーストラリア最大の

馬産地スコーンの、Patinac Farmへ移りました。オーラも明後日スコーンの

アイルランド系の牧場Coolmore Australiaへと帰っていきます。

俺は今親友のサッチーにお願いして、シドニーの厩舎で仕事を探しています。

ぶっさんは・・・・・残念ですが、1ヶ月いないに首になって、実家に帰るでしょう。

ダメダメなオージーがいるおかげで、ぼくのような外国人労働者に雇用機会があるのです。

ありがとうぶっさん!!!少し痩せろよ!!!!