シロクマックスのアラフォー、ぼちぼちアメリカ生活

アメリカ生活のあれこれをつれずれに書いてます。
移住して8年、ぼちぼちやってます。

これぞまさにオージーだね・・という話

2011-06-19 | アメリカ生活のあれこれ

 

 

写真はないんですけど、ちょっと興味深い話を。

先日ブリスベンにあるDoomben(ドウーンベン)という競馬場で

行われたG2 BRC Grand Prixという重賞レースで、

僕の所有している繁殖牝馬のクーナックママがお腹にやどしている

仔のお父さんのDane Shadowの仔が優勝したんです。

当然僕にとっても縁遠からぬ話で、レースを見ながら、パートナーと

ギャーギャー騒いだのを覚えています。お父さんの仔達ちが

活躍すればするほど、今から生まれてくる僕らのデインシャドウの

仔がセールで高く取引されるわけですからね。


で、このBRCクランプリに優勝した馬はTunitup(ターニタップ)

って言うんですけど、今回はこの馬にまつわる話。

ターニタップのお母さんはNo Findingという馬で、ターニタップを

産むまでに、何頭も仔馬を産んでるんですけど、

あまり子供たちが走らなくて、ついに2007年にノーファインディングの

オーナーが、デインシャドウの牡(つまりこれが今のターニタップ)を

出産後に、この肌馬は子供の成績がよくないからもういらない、

という理由により、所有することを破棄してしまったんですね。

ちなみにノーファインディングは血統もあまり素晴らしくない馬で・・・・

そこで、同馬を預託で管理していた牧場が、預託解除に

ともない、同馬を1200エーカーある牧場の裏の「草原」にはなしてしまった

んですね。つまり野生に帰れと・・・・

これはこれで素晴らしいことなんです。例えばもしこれが日本であれば、

この繁殖牝馬はまず間違いなく「廃馬」として「殺処分」です。

土地のない日本で、用なしの肌馬を放し飼いにする土地なんかありません。

悲しいですけど、馬は自分の競争成績で、あるいは繁殖成績で

自分の未来を自力で切り開かなければならない経済動物なんです。

でもそこはゆる~~いオーストラリア。土地なんか捨てるほどあります。

だってアラスカを除くアメリカ本土とほぼ同じだけの面積を誇りながら、

人口はたった3000万人ちょいのAUS。アメリカの十分の一です。

繁殖牝馬としての役目を「免除」された馬達を野に返すくらいの

土地はいくらでもあるんです。


ところが・・・・


野に返してしまった肌馬の仔があろうことか重賞を勝ってしまった。

しかも調教師は今現在AUS NO.1のピーター・ムーディー師。

ターニタップはまだ3歳。以前から重賞でたびたび入着していた。

つまりこれは「まぐれ」ではないわけで・・

これからどんどんビッグレースを勝つ可能性だってある。

逃がした魚は大きいのだ。Buck To Dane Shadowで

もう一回デインシャドウの子供がちゃんと生まれれば、

牡ならうまく育てて1000万円から1500万円くらいの値段で

取引できるのだ。デインシャドウは今フィーヴァーしてますから。

記事によると、現在野に返したノーファインディングを牧場スタッフが

懸命に「搜索中」だそうで・・・・・

そりゃそうだ、金の成る卵を産んでくれるママだからね。

でもまだ見つかってないらしいです。2007年以降、ノーファインディングは

「誰にも目撃されていない」らしく、発見は困難なようです。

AUSの馬は全馬首筋にマイクロチップを埋め込まれていますから、

スキャナーでピコっとやれば、間違いなくその馬が誰なのかは

判別できるので、ぜひぜひ牧場のみなさん、頑張ってくださいね。

しかも、前オーナーが所有権を破棄している以上、見つければ

牧場の「自家所有」になるわけです。そりゃ必死だ。

生産は錬金術ににてますよ。ある日子供がビッグレースを買ったとたん、

昨日までほぼゼロだった価値が一気に何千倍にもなるんですから。

僕のクーナックママも、子供の活躍次第でどーにでもなっちゃうんだけどね。

母の運命を左右する仔馬はまだお腹の中で・・・・