皆さんこんにちは。タイトルのウーヒージャーカザ。沖縄の方言で♂ヤギの匂いという意味で、あまり嗅いでみたいとは思わないはずです。ただこの表現は、戦前の文化人、尚順男爵によって泡盛の古酒に感じられる香りの一つとして表現されたものです(三つしかない内の一つと表現しています)。
尚順男爵がこのように表現した香り。
その正体はおそらくカプロン酸系では?と。カプロン酸は非常に不快臭がする物質で、ヤギの体臭様の香りと言われています。(一度標準試薬で嗅いだことありますが非常に臭いです)
カプロン酸と言えば、日本酒が好きな方ならピンとくるのではないでしょうか。吟醸酒の、リンゴ様の香りと表現される代表的吟醸香「カプロン酸エチル」の前駆体(材料)です。
少し難しい話になりますが、このリンゴのようないい香りをたくさん作らせるために、酵母に「抗菌剤セルレニン耐性を付与」し、まずカプロン酸をたくさん作らせるという酵母の育種技術があります。賛否両論ありますがこの画期的な技術の開発により、それまでは特殊な吟醸造りでしか醸せなかったこの香りが、比較的容易に生成するようになったとも言われています。
清酒製造においては、カプロン酸のそのほとんどはカプロン酸エチルや、その他物質へと変化しますので、日本酒からヤギの匂いがすることはおそらく滅多にないのではないでしょうか。少なくとも私はヤギの匂いがする日本酒を飲んだことはありません。
では泡盛の場合はどうでしょうか。私はもちろん戦後生まれ、昭和のぎりぎりで生まれました。物心ついたときに味をした泡盛は既に、確かにその他のお酒と比べるとくせはありましたが、ヤギの匂いがした記憶はないです。既に味が洗練され、およそ「昔の泡盛は飲めたもんじゃなかった」と表現する人がいるような酒質ではありませんでした。
ですが、年代物の泡盛をテイスティングしてみるとメーカー問わずどことなく野性的な、動物的な要素を大小あれ感じ取ることができます。
現在の泡盛は非常に飲みやすくなっています。昭和最後に生まれた私が最初に飲み始めた頃と今でも、明らかに各メーカーの泡盛はライトタイプになっています。(一部除く)
むしろここ3~4年でも、同銘柄で味を飲みやすく変えたメーカーもあります。
このようなライトタイプな泡盛からは、おそらくウーヒージャカザを感じることは何年たってもないでしょうね。
尚順男爵曰く、このウーヒージャカザは、古酒でも比較的最初のころに出るものだそうで、彼ら先人は泡盛のこの香りの変化を楽しんでいたのかもしれないですね。
技術の発展、変化とともに泡盛の一つの香りを失ったというのは大げさでしょうか。いつかウーヒージャーカザを復刻させてみたいものです。飲みたいかどうかは別ですけどね笑。そして多分一部の専門の方々を除いて売れないでしょう。
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その正体はおそらくカプロン酸系では?と。カプロン酸は非常に不快臭がする物質で、ヤギの体臭様の香りと言われています。(一度標準試薬で嗅いだことありますが非常に臭いです)
カプロン酸と言えば、日本酒が好きな方ならピンとくるのではないでしょうか。吟醸酒の、リンゴ様の香りと表現される代表的吟醸香「カプロン酸エチル」の前駆体(材料)です。
少し難しい話になりますが、このリンゴのようないい香りをたくさん作らせるために、酵母に「抗菌剤セルレニン耐性を付与」し、まずカプロン酸をたくさん作らせるという酵母の育種技術があります。賛否両論ありますがこの画期的な技術の開発により、それまでは特殊な吟醸造りでしか醸せなかったこの香りが、比較的容易に生成するようになったとも言われています。
清酒製造においては、カプロン酸のそのほとんどはカプロン酸エチルや、その他物質へと変化しますので、日本酒からヤギの匂いがすることはおそらく滅多にないのではないでしょうか。少なくとも私はヤギの匂いがする日本酒を飲んだことはありません。
では泡盛の場合はどうでしょうか。私はもちろん戦後生まれ、昭和のぎりぎりで生まれました。物心ついたときに味をした泡盛は既に、確かにその他のお酒と比べるとくせはありましたが、ヤギの匂いがした記憶はないです。既に味が洗練され、およそ「昔の泡盛は飲めたもんじゃなかった」と表現する人がいるような酒質ではありませんでした。
ですが、年代物の泡盛をテイスティングしてみるとメーカー問わずどことなく野性的な、動物的な要素を大小あれ感じ取ることができます。
現在の泡盛は非常に飲みやすくなっています。昭和最後に生まれた私が最初に飲み始めた頃と今でも、明らかに各メーカーの泡盛はライトタイプになっています。(一部除く)
むしろここ3~4年でも、同銘柄で味を飲みやすく変えたメーカーもあります。
このようなライトタイプな泡盛からは、おそらくウーヒージャカザを感じることは何年たってもないでしょうね。
尚順男爵曰く、このウーヒージャカザは、古酒でも比較的最初のころに出るものだそうで、彼ら先人は泡盛のこの香りの変化を楽しんでいたのかもしれないですね。
技術の発展、変化とともに泡盛の一つの香りを失ったというのは大げさでしょうか。いつかウーヒージャーカザを復刻させてみたいものです。飲みたいかどうかは別ですけどね笑。そして多分一部の専門の方々を除いて売れないでしょう。
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