【 閑仁耕筆 】 海外放浪生活・彷徨の末 日々之好日/ 涯 如水《壺公》

古都、薬を売る老翁(壷公)がいた。翁は日暮に壺の中に躍り入る。壺の中は天地、日月があり、宮殿・楼閣は荘厳であった・・・・

未知なる深海へ 高井 研 =103=

2018-10-10 06:21:33 | 浪漫紀行・漫遊之譜

〇◎ 私が知りたいのは、地球の生命の限界です” ◎〇

= 海洋研究開発機構(JAMSTEC)及びナショナルジオグラフィック記載文より転載・補講 =

 青春を深海に掛けて=高井研=  

 第6話  JAMSTECの拳―天帝編― 

◇◆ この研究計画はオレ様のために存在するのだ =4/4= ◆◇

自分の力で考え抜いて研究計画を立て、成功するまで実験を繰り返し、最終的には自分の思い込んだストーリーに基づいて論文を書いて、強引に世界中の研究者にアピールしてきたんじゃないのか。 ボクはそういうタイプの人間だったはずだ。それに、アーキアンパーク計画の一番の目標である深海熱水の地下微生物生態系の解明に関して言えば、今世界で最も近づいている研究者こそ他でもない、自分じゃないのか? 完全に開き直ったボクに、そんなスーパーナマイキ傲慢モードが遂に出現したんだ。「JAMSTECの上層部とやらよ。オレ一人ではアーキアンパーク計画に勝てないとでも?」

 そして、そう考えれば考える程、ボクはどんどんワクワクしてきたのだった。ほぼオールジャパン体制のアーキアンパーク計画に対して、プロになって3年目程度のボクがほぼ一人で真っ向勝負を挑むなんて、無謀と言えば無謀かも知れない。が、自分にとってこれほどアドレナリンが沸き立つ燃えシチュエーションがあるだろうか。いやない(反語)。

 大きな集団の中の忠実な下僕として「よしよし」と頭を撫でられる犬より、集団に牙を剥いて忌み嫌われる狼の方がかっこいいに決まっている(そしてオンナノコはそういうオトコノコが好きなのだ。そうと決まっているモノなのだ)。

 「アーキアンパーク計画」に宣戦布告

そうと決まれば早速「餓狼伝説」宣言せねばということで、ボクはお世話になった石橋さんやその他のアーキアンパーク計画関係者に、事情説明とこれまでの御礼に加えて、どこまでできるか分からないけれどアーキアンパーク計画に対抗して「ひとりアーキアンパーク計画」を推進する決意の宣戦布告メールを送ったんだ。

 そんな自分勝手で、恩を仇で返すような宣戦布告を送りつけたにもかかわらず、石橋さんは「そういう事情は残念なことですが、でもあくまで研究資金ソースが別であるというだけで、科学の進展には何も敷居などないと思います。一緒に研究できる事があればぜひやりましょう」という感動的な返事をくれた。やっぱりボクが最初に感じた通り、この人はとてもイイ人だと再び確信した。

たとえ、メールの向こう側で「ふぉふぉふぉ、若いコイツはまだまだこれからワシの天下取りにイロイロ使えるかもしれんからのー」とCIA顔負けのダブルエージェント石橋がひょっこり顔を出していたとしても・・・(あくまでボクの想像です)。

 それに「ひとりアーキアンパーク計画」とは言ったけれど、実はもうボクは一人じゃなかったんだ。2回目のアメリカ留学から帰国したボクには、JAMSTECの中にも強力な仲間ができはじめていた。

 2000年10月のJAMSTEC地下生命圏研究の立ち上げのために、九州大学大学院農学研究科で博士を修了したばかりの「日本最初の地球微生物学博士」だった「既に貫禄十分のオオモノ」稲垣史生君(現JAMSTEC高知コア研究所グループリーダー)がやってきた。

 また、出身研究室である京都大学大学院農学研究科の海洋分子微生物研究室から修士課程1年生だったイケメン中川聡君(現北海道大学大学院水産学研究科准教授)が、国内留学でやって来てJAMSTECで一緒に研究を進めることになっていたんだ。

 動画 : 深海熱水系は「天然の発電所」 / 

深海熱水噴出孔周辺における自然発生的な発電現象を実証

https://youtu.be/qG7YU28j3Hw  

 映像で伝わらない色彩――パイロットが語る深海調査の1日 4/6 =

ガミラス星のような深海風景

 窓の外には、どんな景色が広がっているんですか。 「基本的には、水があるだけで、地上とあんまり変わらないですよ。日光の華厳の滝に見られるような、切り立った崖みたいな風景もありますし、それから、熱水域は、箱根の大涌谷そのものです」

 へえ、いろんな景色があるんですね。 「ただ、視界が良くて10メートルから15メートルなんでね。周囲が地上のように見渡せれば、仕事も楽なのになと思いますよ(笑)」

 小倉さんは、潜航回数246回(2012年7月現在)。「潜っていない海溝があるかと聞かれると、ないとは言えないが、ほとんど潜っている」という、ベテランである。

 どこが好きですか。 「きれいだったのは、熱水域の生物を捕りに潜った、北フィジーですね。海底火山のあるところで、溶岩の流れた跡があるんですよ。溶岩は、表面だけがすぐに冷えて固まって、中は動いていたようで、大きな空洞がたくさんあるんです。宇宙戦艦ヤマトの、ガミラス星の中みたいに」

 それはつまり、鍾乳洞の中のような。 「しんかい6500がすっぽり入れそうな隙間もあるんです。崩れたら怖いんで、入っていきませんけど。ただ、溶岩流の表面をライトで照らすと、溶岩に含まれるガラス質がキラキラ光るんですよ」

 見てみたい。 「あと、チリ沖も印象に残っています。94年、それから98年に潜りました」

 それはどんな風ですか? 「チリ沖っていうのは、世界で一番、プレートの拡大速度が速いと言われているところなんです」

 海底には、泉から水が湧くように、海底下深くからマントルが上昇し、新しいプレートが生まれ続けている場所がある。チリ沖はそのひとつ。

「4年間で、見事に景色が変わっていました。私らが滑走路と呼んでいた、平らな場所には亀裂が入っていて、何、ここ、といった感じで、ほかにも、あるはずのものがない、とか」

映像では色彩を伝え切れない気がします

 逆に、ないはずのものがあることもあるそう。 「人工物ですね。アルファベットの書かれた筒とか」

 どんな深さにもありますか? 「ありますよ。あとは、ロープとか、救急箱みたいな箱が、点々と置かれていたりとか。人工物には、違和感がありますね。見つけると、いやだなと思います」

・・・・・・・・つづく・・・・・・・

動画 : 生命の起源はいつか・生命とは何か 

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・・・・・・山を彷徨は法悦、その写真を見るは極楽  憂さを忘るる歓天喜地である・・・・・

森のなかえ

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