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ぼたんくんとふわりちゃん

2010年10月17日、また猫と暮らしはじめました。

読書日記[20]犬も好き(泣ける本2)

2024-09-06 21:39:43 | 読書
7〜8年前まで実家で犬を飼っていました。
雌の黒柴で、名前は「ひでか」。



成犬になってから、とある事情で引きとったのですが
最初仕方なく飼い始めたものの、そのうち家族は全員メロメロに。

ひでかにとってすでに家を出ていてたまにしか姿を見せない私は、
ただのお客さん扱いで完全に格下認定されており、
なんとなく「ひでかさん」と呼んでおりました。

その後だんだん「ひでかちん」になりましたが ( ^ω^ )



引き取ったのは実家にいる弟で、
その時に新しい名前を用意したらしいのですが
前の飼い主が、血統書に書かれていた名前「秀華号」から
「ひでか」と呼んでいたので
その名前で呼ばないと完全無視を決め込むひでかさん。
弟はとうとう根負けし、
結局、名前は秀華(ひでか)のままとなりました。



2歳の頃家に来て、14歳で息を引き取るまで
家族みんなに愛されたひでかさん。

黒くて大きかったせいか、
何度教えても、はるは「男の子」だと思っていました 笑

そんなひでかさんを思い出す本があります。




『犬を飼う そして…猫を飼う』(谷口ジロー)

だんだん歩けなくなり、寝たきりになったひでかさん。
病院にも連れて行けなくなり、電話で獣医さんとやりとりしながら
1年以上続いた介護生活を経て、息を引き取りました。

このマンガの飼い犬、「タムタム」の最期の様子が
ひでかさんととても似ているのです。

動物を飼うってこういうことなんだ、という
覚悟を問われている気がします。



そしてもう一つ、これはひでかさんと関係ないのですが
犬が出てくる、すごく好きな話があって。





『いくえみ綾 THE BEST』に収録されている、
二話目の『My dear B・F(ボーイフレンド)』。

余命僅かとなった老犬が、最後に神様に叶えてもらった願いとは…



このお話、別の単行本に載っていて、どの本だったか思い出せなかったのですが
BESTに入っていると知り、買い直しました。

何回読んでも泣ける。。。
青春なんてとうの昔の出来事ですが
こういうのはいくつになってもいいですね。。。



私の言うことはあまり聞いてくれないひでかさんでしたが
私が母(秀華が一番好きな人)と仲が良いのをちゃんと知っていて、
本当は嫌だけど、しぶしぶ、仕方ないな〜といった感じで
私とも散歩に行ってくれたものでした (´ー`)


実家の郵便受けには家族全員の名前が書いてあるのですが、
ひでかさんを溺愛する父が、いつの間にか
「秀華」というシールを作って一番下に貼ったのです。

うちは家族全員、平凡な、よくある名前で
わたしにいたっては、ひらがな。

優秀の「秀」と豪華の「華」という
家族の誰よりも画数の多い、立派な名前が並んでいたからなのか
(違うかもしれませんが)

ある日、
「秀華さんはいらっしゃいますか」と電話があり
「秀華はうちの犬ですけど」と母が答えたら
「ガチャ、ツーツーツー…」

速攻で切れたそうです 笑

誰だか知らないけど、
犬の名前だと思わないよねぇ

沢山の思い出をくれたひでかさんのことは
また今度書ければと思います ^ ^

最後はいつものネコたち (ФωФ)



読書日記[19]自分の限界を知る

2024-09-05 23:43:42 | 読書
『遠野物語』で挫折したことを書きましたが
自分が読める本の限界がわかってきた頃の話。

今回は、
ひたすら、
延々と
30年前の個人的な思い出を綴ります。。。

というのも、
新聞でショックな記事を見つけまして。

DIC川村記念美術館が、2025年1月から休館 Σ(゚д゚lll)

いつかもう一回行きたいと思っていましたが、
ちょっと1月までに行くのは無理〜 (´・ω・)

もう観られないのかな。
マーク・ロスコの部屋が好きだったのに。
庭園をゆっくり散歩したかったのに。

私が行ったのは1994年のフランク・ステラ展。
すごい前だった。。。
フランク・ステラ、良かったな。迫力ありました。

この頃は東京にいて、
美術系の短大に通っていたのですが
1994年は卒業してそのまま研究科に進学した年で
先生がクラス全員を連れて行ってくれたのです。


ちなみに同じ頃、
ものすごく印象に残っている展覧会が2つあって、

まず池袋のセゾン美術館で観た
『アンゼルム・キーファー展』
荘厳とか静謐とか、そんなイメージ。
とにかく圧倒されました。

セゾン美術館がなくなった時も寂しかったな。。。

ヴィム・ヴェンダース監督の最新作『アンゼルム』が
このアンゼルム・キーファーの映画なのです。
全国順次公開中。どんなかな。


2つめはワタリウム美術館で観た
『ナム・ジュン・パイク展』
インスタレーションを観て鳥肌が立ったのを覚えています。

今調べたら2つとも1993年だった。

う〜ん懐かしい。


と、
学生の頃をいろいろ思い出していて、
ふと、この頃から読めないままの本があるなあ、と思って
本棚から出してきてみる。




『マルドロールの歌』

有名なロートレアモンの長編散文詩です。
いろいろなアーティストがインスピレーションを受けているのではないでしょうか。

当時、
美大を出て、アーティスト活動をしていた先輩が
個展(グループ展だったかも?)を開いたのです。
お金がないという先輩のため、
展示販売していた絵を1点買うことにしました。

そのとき私が選んだ絵は
先輩が愛読している『マルドロールの歌』の一節を
イメージしたものだと言われ、
それなら読んでみようと本を購入したのですが……

なんか読めない (´;ω;`)

いや、読めはするのですが、
文脈がないのが原因か、
フランス語から訳した日本語が原因か
とにかく頭に入ってこない。

自分の頭が良くないことはわかっていましたが
理解力(?)の限界を感じました。

ずっと持っていて、思い出した時に開くのですが
結局そのまま。


さらに、もう一冊ありまして。
研究科でお世話になった先生の著書
『芸術機械 現代美術論序説』。



一言で言うなら、私には難しすぎました。


なんか公式になってる?



そしてここでも『マルドロールの歌』が!?

そう、この詩はシュルレアリストたちによって激賞されて
有名になったという経緯があり、そのあたりは楠本先生の専門分野。

先生の授業はものすごく楽しかったのですが
この本はいまだ読了せず。
出来の悪い生徒でごめんなさい・゜・(ノД`)・゜・。

ちょうどこの頃、この本だけでなく
買ったものの、結局読めなかった本がけっこうあって。

自分はここまでかな、みたいなことを自覚することも多かったけど、
でもすごく充実した日々でした。

若かりし頃の思い出。




今日撮影の邪魔しにきたのはぼたんくん。



ふわりもくると



ケンカ勃発 (´ー`)



読書日記[18]気になる場所2

2024-09-04 12:57:56 | 読書
海外に行くならどこがいい?
みたいな話になると一番に頭に浮かぶのが
モロッコの迷宮都市・フェズです。

初めて『群衆論』(港千尋)を読んでから、かれこれ30年。
ずっと行ってみたいと思っている場所で
同時にその時から漠然と
行くことはないだろうとも思っている場所です。



『群衆論』の第一章は精神分析学者クレランボーが
第一次大戦時にフェズで撮った写真についての考察なのですが
そのときのフェズについての説明がすごく魅力的で。

第一部「襞のなかで眠りたい」より抜粋↓

フェズはほんものの迷宮だ。住んでいる人間でもしばしば迷うと聞く。壁の中は、人が擦れ違うのも困難な路地が錦糸のように絡み合い、五分も歩いたら自分がどこにいるのか分からなくなる。百匹の蜘蛛が同じ場所に巣を張ったとしても、これほどの迷宮は生まれないだろう。


すごい気になる 笑


その後も
『ガウディの生涯』(北川圭子)を読んで
バルセロナに行ってみたくなったり、

(そういえば、手元に本がないので確かめられませんが
サグラダファミリアが巨大な楽器として建設されていると知ったのは
この本だったような?)

『ねじまき鳥クロニクル』(村上春樹)を読んで
マルタ島に行ってみたくなったり、

最近では
マンガ『ルーブルの猫』(松本大洋)を読んで
ルーブル美術館に行ってみたくなったり



松本大洋作品を初めて読みましたが
独特なコマ割り?が
なんだか映画を見ているような気になります。すごい。

ルーブルに住む白い子猫「ゆきのこ」のお話ですが
ぼたんに似ている子もでてきて、名前は「フトッチョ」ฅ^>ω<^ฅ 笑




最後に、
特定の場所ではなくなりますが海外の気になる話として、

今読んでいる『世界の食卓から社会が見える』は
著者の岡根谷さんが、世界各地の一般家庭の台所で
一緒に料理を作らせてもらい、それを食べながら
その国・地域の社会問題を考えていくという本です。



この本は本文の内容も知らないことだらけで面白いのですが
間に入るコラムもとても面白い。

海外に行ったことのない私は、
もちろん飛行機も国内線しか乗ったことがないので
宗教別に用意される「特別機内食」のエアライン別分類とか
おみやげに喜ばれる日本のお菓子とか、
考えたことなかったー (´ー`)


ちなみに私は子どもの頃ものすごく少食で、
小中学校ではどうしても給食が完食できなかったのですが
当時は「出されたものは全部食べる」が当たり前で。

普段は全く抵抗なくなんでも食べられるのですが、
いまでも人が多い場で、一瞬でも「食べなきゃ」と思うと
冷や汗がでてきて、まったく飲み込むことができなくなります。

なので、
知らないお家の台所で料理をして、その家族と一緒に食べる、
ましてや海外で、なんて本当にもう絶対無理で。

行くことはないであろう外国に思いを馳せて。
本でいろんなことを知れるのはとても嬉しい。


撮影の邪魔をするふわりちゃん






読書日記[17]気になる場所1

2024-09-02 23:07:27 | 読書
私は海外に行ったことがありません。
パスポートも作ったことないです。

お父さん(旦那)は社員旅行や仕事などで
何回か海外に行っていて
お土産にその国の雑誌をお願いしたこともあります ^ ^

ちなみにすご〜く前(まだデータではなく版下納品の頃)に、
仕事でアメリカの雑誌に載せる広告をつくったことがありますが、
いつもと同じく作っているのに、仕上がりは何かが違いました。
なんだろう? うまく言えないけれど、外国の色になる 笑


現在の私は、
日本国内でさえ出かけることがないほどのインドア生活で、
このまま「一生海外に行くことはない」と断言できます。

が、
行ってみたい場所、興味のある場所は
日本国内にも世界中にも、ものすごくたくさんあって
「自分で行く気にさえになればまだ行ける」状態。

そんな中、
エベレストとか深海とかとは別の意味で
「私が絶対に行けない場所」があると知りまして。

興味が湧いて写真集を買っちゃいました。




『孤高の祈り ギリシャ正教の聖山アトス』

世界遺産にも登録された、女人禁制の宗教自治国アトス。
2000人の修道士が暮らすこの場所では、
「女性はマリア様だけ」という教義のため
人間の女性はいないのはもちろん
家畜も雄のみと限定されているそう。

その中で唯一の例外が、猫。

ネズミをとるため、繁殖が許されているのだとか。

女性が絶対に入れない場所であり
猫だけが特別、というところがまた惹かれる ФдФニャァ 

お父さんにも言ったら
「このご時世にそんな場所あるの?」と。

写真はどれもすごく綺麗で神秘的で、
信仰や生活について書かれた文章もけっこう多めですが、
とても読みやすい。


「はじめに」より抜粋↓

フィロセウ修道院で行われた徹夜の祈りに参加した。そこで、私の中で揺らいでいた気持ちが一気に吹き飛んだ。ここは現実世界なのか、未来なのか、過去なのか、はたまた地球上でなく宇宙なのか、楽園なのか……それは衝撃的な体験だった。


特に信仰心のない私。
でも、その未知の世界はどんなものなのか気になります。


著者は写真家の中西裕人さん。
お父さんがギリシャ正教の司祭様で、ご自身も正教徒。

お父さんのパウエル中西一さんの本も読みたくなって
手元にあります。




『ギリシャ正教と聖山アトス』

でもこちらはまだ読みはじめたばかり。

なんとなく予備知識があった方がいいかな、と
こちらを先に読みまして。




『教養としての宗教入門 基礎から学べる信仰と文化』

この本は、あらゆる宗教に関して浅く広くとりあげていて
私みたいな初心者にはとても良かったです。

が、

ちょっとだけ知ってしまったことにより
また気になること(今度は仏教)が出てきたので
しばらく関連本を探すことになるかも。

長くなったので続きます。

ネコたちは今日も平和。




読書日記[16]装丁と和綴じと思い出と2

2024-08-30 17:53:58 | 読書
前回からの続きです。

和綴じ本は、欲しくて買おうか迷っているものもあるのですが、
今は一冊も持っていません。

でも、
文學堂さんの和綴じノートなら手元にあって、
これがとてもかわいい。



買ったまま使ってなかったけど、今回撮影をしたくて出してみる。



このノートのデザインは『斜陽』をイメージした柄。
最初のページに『斜陽』の一節が。



中の紙は真っ白でないのが良いですね。

この色味と手触りは文庫本っぽいから
この紙は淡クリームキンマリかな?
以前勤めていた会社では「クリキン」と略されていて
初めて聞いた時はなんだか美味しそうな名前だと思ったものです。



さらに『斜陽』で思い出すことがあって。


もうだいぶ前のことになりますが、
ある本の出版のお手伝いをしたことがあります。

著者さんの撮影やトークイベントなどがあって
そのときゲストで来ていたのが、
小説家の太田治子さんでした。

この時私は恥ずかしながらお名前を知らず
文豪太宰治の娘さんだと知ってとても驚きました。

手伝いというか見学に近かったので
お話する機会などはありませんでしたが
物静かな、とても素敵な方でした。

それをきっかけに読んだのが『明るい方へ』です。



この本で、母親の太田静子さんが書いていた日記のこと、
『斜陽』はその日記がほぼそのまま使われていることを知りました。

手紙のやりとりや関わりのあった方々の会話から
静子さんの当時の様子が詳細に綴られ、
さらに生まれてきた治子さんが語るその心情は
とても切ないものがありました。

撮影の様子を見ていて、斜めから見たお顔に、
教科書などでよく目にする「太宰治」の面影があったことを
たまに思い出します。



和綴じノートの綴じの部分がうまく撮れず
ぼたんの上に乗せてみた。



ひくとこんな感じ。



撮影中、ぼたんの向こうにうろうろしているふわり