偏平足

里山の石神・石仏探訪

里山の石神端書214 道祖神(群馬県みなかみ町三国街道)

2023年08月22日 | 里山石神端書

群馬県みなかみ町西峰須川・雷電神社の道祖神(どうそじん)

 雷電神社脇の路地に庚申塔や道祖神が立っていました。道祖神は「道祖神」の文字塔と双体像です。



 雷電神社のある場所はかつての新治村。群馬の道祖神をまとめた大塚省悟氏は『やぶにらみ道祖神』(注1)で、新治村の道祖神を29基報告し、この村の道祖神の特徴を幣持ちの密集地としています。この幣持ちは双体道祖神の男神が御幣を持ち、女神が徳利を持つ形です。雷電神社の双体像は御幣持ちではなく、肩くみ手握りで女神が徳利を持っているようです。
 道祖神の石造物研究は細分化されて、とくに双体像の場合は手の組み方から持物まで分類され、大塚氏は早い時期に合掌・肩くみ手にぎり・酒器持ち、幣もち・雲上像・あからさまな性などに分類しています。その後の『石仏図典』(注2)では合掌・拱手・握手・祝言・性愛などになっています。この詳細な分類が道祖神信仰の解明にどうつながっていったのかは、道祖神について門外漢の私にはわかりません。行事や伝承を含めて収集して細分化したものをどうまとめるかが道祖神研究の課題のようです。

 上写真は境内の石祠にあった「大黒」です。
(注1)大塚省悟著『やぶにらみ道祖神』昭和51年
(注2)日本石仏協会『石仏図典』昭和61年、国書刊行会
(地図は国土地理院ホームページより)


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