Strange Daze

映画、洋楽、JAZZがなにより好き!
そして最近メタボ対策でちょっぴりカラダ動かしてます(笑)。

蝶の舌

2009-02-17 00:56:31 | Cinema
その時、少年はたくさんの思いを ”ある言葉” に託して叫んだ!
初めての学校、初めての友達、初めての恋、陽だまりの暖かさ、動植物のささやき、蝶にも舌があること・・・ 大自然の驚異を教えてくれた先生との、かけがえのない出会い そして、少年の心に深く刻み込まれたあの夏の日の「さよなら」・・・・

スペインの文豪、マヌエル・リバスの小説を基にした感動のヒューマン・ドラマです。スペイン内戦前夜のとある町で、ひとりの純粋な少年が体験する心の交流、出会い、感動、そして痛切な別れ・・。
この作品は、なんて心が痛むのでしょう。
喘息持ちで進むのが遅れたモンチョ少年に先生は暖かく自然や人間、そして自由とは何かを教えてくれました。”蝶に舌がある” ことだって・・。 しかし、戦争が先生の、そしてモンチョを引き裂いてゆきます。 なんという悲しい結末・・。 物語が終わったとき、熱いものがこみ上げてきそうになりました。

    
 
スペイン内戦というと ビクトル・エリセの 『ミツバチのささやき』 を思い出しますが、『ミツバチ・・』 は、内戦後の傷ついた世界で成長してゆく少女を描いていたのに対し、この作品は内戦前夜の緊張を孕んだ空気の中で成長する少年を描いたものになっています。 どちらも美しい自然に囲まれながら、戦争という暗い時代の中を明るく生きようとする少年や少女の姿が描かれ、”今ある自由” とは何であるかを考えさせられてしまいます。
先生がモンチョに教える“蝶の舌”。「今は隠れていて見えないけど、蜜を吸う時に巻いていた舌を伸ばすんだよ」… その言葉には、今はまだ訪れないけれども、やがて来る新しい時代への希望が隠されたものなのかもしれませんね。
そして先生が引退する最後の日、生徒たちに言った言葉「自由に飛び立ちなさい」

   

--「蝶の舌」関連映像--
La lengua de las mariposas, trailer



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【蝶の舌 (LA LENGUA LAS MARIPOSAS)】
監督/ ホセ・ルイス・クルダ 
出演/ フェルナンド・フェルナン・ゴメス マヌエル・ロサノ
原作/ マヌエル・リバス 
1999年スペイン作品
1999年サン・セバスチャン国際映画祭正式出品
1999年スペイン・アカデミー<ゴヤ>賞 脚色賞

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--関連作品LINK--
蝶の舌 (BOOK PLUS)
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--My Blog Link--
「ミツバチのささやき」 >>>


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4 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
泣きました (ユッコ)
2009-02-17 22:34:59
こんばんは。
私もこの映画見て泣きました。
最後のモンチョくんの悲痛な叫び、胸が痛いです。
返信する
悲しい感動作 (ぼの)
2009-02-19 01:03:57
ユッコさま

こんばんわ。
この作品、本当に悲しい感動作ですね。
前半のほのぼのとした雰囲気から一転、
あのラストは本当に衝撃的でした。
返信する
切なく・・ (メル)
2009-02-22 20:51:22
悲しくて切ない気持ちになる映画でしたが
先生の筋の通った生き方に、気持ちがしゃんとなるような気持ちにもなれた映画でした。
それにしてもあのラストは後を引きますよね~・・
他の細かいところは忘れても、あのラストを
見た時の自分の気持ちは忘れそうにありません。
こんな風に人の気持ちに残る映画・・やっぱり
良い映画ですよね~。
こういう良い作品に出会えることがあるので
やっぱり見るのを止められません(^^ゞ
落ち込むくらい、自分の気持ちにピッタリ来ないのとか
駄作(?)にも出会っちゃいますが、見ないとわからないですしね~(^_^;)
そんな中、見て良かった・・と思えた映画の一つでした。
返信する
素晴らしい映画でした (ぼの)
2009-02-23 00:48:34
メルさま

この物語は観ておいて絶対に損はない作品ですね。
私も、この頃は年間100本以上観に行っていた時期で
本当に色々ありましたよ。
観終わって(失礼ながら)「金返せ」的な作品もありましたし、
「もう1000円余分に出してもいいよ」という作品も・・・
そういったもの含めて映画はやはり素晴らしいです。

このスペイン内戦時の物語として、ヴィクトル・エリセ監督の
「ミツバチのささやき」という、これまた素晴らしい作品があるのですが、
ご覧になられてます?
こちらは、「蝶の舌」ほどショッキングじゃないですよ。
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