Dirty Work / The Rolling Stones

70年代のストーンズを一枚当ブログで取上げた後、やはり80年代も聴きたくなってしまい、プチ（古い？--笑）・ストーンズ状態になっています（笑）。 やはりストーンズって、たまに聴くと聴きたくなっちゃいますねぇ。

80年代のストーンズというと、81年の『刺青の男』、83年の『アンダー・カヴァー』、86年の『ダーティ・ワーク』、89年の『スティール・ホィールズ』と、4枚リリースされていますが、今回取上げようと思っているのは 86年にリリースされている『Dirty Work』。

　　　　　　

このアルバムは当時、ミック・ジャガーとキース・リチャーズの関係が相当に悪化していた時期にレコーディングされた作品で、バンド史上最も重要な意義を持っているアルバムといわれています。
本作レコーディングのセッション直前にミックは初のソロアルバム『シーズ・サ・ボス』をリリースし、キースはそれに憤慨。あくまでもストーンズを最優先と考えるキースは、自分のキャリアのためソロ活動に専念しようとしていたミックにかなりキレていたそうで、その切れ様はアルバムのキースのギターを聴くとよく解ります。セッション自体もミックはセッションを欠席し、キースを中心とするメンバーがセッションで録音した後、別メニューでミックが後からヴォーカルをオーヴァーダヴィングするといった手法でレコーディングされたそうです。
当時のミックとキースの不仲説は、PV「One Hit(The Body)」を観るとよく解りますし、「Fight」という曲ではミックに対する怒りをとにかくギターをかきむしることで表現されていて、これだけ攻撃的なストーンズは他では聴くことはできないでしょう。

先行シングルは、本アルバム3曲目の「Harlem Shuffle」で、イギリスで13位、アメリカで15位をマーク。その一週間後にアルバムがリリースされましたが、イギリスで3位、アメリカでも5位と高セールスを記録しています。 しかしながらバンド崩壊の危機にあること、そしてバンドが完全に機能しないままでのリリースということから、評論筋では酷評され、ストーンズとしての成功作とはいかなかったようです。

しかしながら、二人の不仲説ゆえにサウンドは中々のもので、80年代に突入してからのストーンズは音を結構綺麗に作りすぎている感があったのですが、キースのギター音が荒削りな分、荒々しく格好良いサウンドになっているのではないかと思います。 しかも、ゲストにZEPPELINのジミー・ペイジが参加しているのですよ！
そういった意味でも、案外私は好きなアルバムなのですが・・・。

アルバムジャケットも当時の風潮をそのまま現したようなカラーで、しかもキースが真ん中にでん！と座っている…。

このキース手動の本作、バンド崩壊の危機感がまじまじと感じ取れながら、ストレートで格好良いサウンドを楽しめるという厄介なアルバムですが、80年代のストーンズを語る上で、私個人的には結構重要な作品ではないかと思うのですが、ストーンズファンの方、そこのところ、いかがなものでしょうか…。

尚、補足ですが、このアルバムのレコーディング中にバンドのピアノを担当し、ロードマネジャーも務めていたイアン・スチュワートが他界。ストーンズは、彼の追悼として本作の隠しトラック（11曲目）に彼のピアノ曲「Key To The Highway」を収録しました。

--「Dirty Works」関連映像--
One Hit (To The Body)


Harlem Shuffle


Sleep Tonight


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【Dirty Work / The Rolling Stones】
1. One Hit (To the Body)
2. Fight
3. Harlem Shuffle
4. Hold Back
5. Too Rude
6. Winning Ugly
7. Back to Zero
8. Dirty Work
9. Had It with You
10. Sleep Tonight
11. Piano Instrumental (Key To The Highway)
1986年リリース

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