Strange Daze

映画、洋楽、JAZZがなにより好き!
そして最近メタボ対策でちょっぴりカラダ動かしてます(笑)。

羅生門

2010-04-06 00:23:37 | Cinema
映画史上に燦然と輝く日本映画の至宝!
1951年、世界にクロサワの名を知らしめた歴史的作品
むせかえる真夏の草いきれの中で繰り展げられる
           盗賊と美女とその夫の、息詰まるような愛慾絵巻!
  

平安時代、都にほど近い山中で貴族女性が山賊に襲われ、供回りの侍が殺された。やがて盗賊は捕われ裁判となるが、山賊と貴族女性の言い分は真っ向から対立する。 検非違使は巫女の口寄せによって侍の霊を呼び出し証言を得ようとする、それもまた二人の言い分とは異なっていた……。

     

人間のエゴイズムと真実の不可知を美しい映像とユニークな構成で描き、世界中に衝撃を与えた黒澤明の傑作です。 51年にヴェネチア映画祭金獅子賞に輝いた本作品は、クロワサワの名前だけでなく、日本映画自体の存在を世界に知らしめた記念碑的作品となっています。

芥川龍之介の短編『藪の中』を映画化したこの作品で、黒澤監督は人間の業、欲望、虚栄心など見事に描き出しました。 しかし日本では実は公開当時は不評で、ここまでこの作品が世界に羽ばたくとはほとんどが認めていなかったそうです。
ところが日本ではなく、海外のメディアがこの作品を注目。 51年に開催されたヴェネチア国際映画祭において、数々の名作をおしのけ、この映画祭の最高位 ”金獅子賞” に輝いたのです。 そして ”世界のクロサワ”と世界から称されるようになったといわれています。

   

ひとつの事件を対立する複数の視点から全く違う様に回想し、真実がどうだったのか観客を混乱させる手法は、アメリカや中国など多くの国の映画やフィクションに影響を与えました。 またカメラワークも後に続く映画に多大な影響を与えていて、世界中の映画人に絶賛されているそうです。「黒澤明の太陽モンタージュ」と呼ばれるこの技法は、見え隠れする太陽を延々と追いかけて行く移動ショットで、三人の登場人物の心理描写とあいまって絶妙な効果を出しています。

各人の中にあるエゴとプライドの交錯、例えようのない狂気。 人間は極限に陥ったときの理性、本能…。 観てる私たちを時間の経過とともに混乱と困惑で迷宮の渦へと巻き込んでいく展開。 そして、モノクロームの美しい映像美。
全ていおいて素晴らしい作品ではないかと思います。 これが世界のクロサワなのです。

         

尚、余談ではありますが、1964年にポール・ニューマン主演でこの映画のリメイクがハリウッドで製作され、公開されています。 タイトルは『暴行(The Outrage)』。 監督は『長く熱い夜』のマーティン・リット。

--「羅生門」関連映像--

Rashomon Trailer (Akira Kurosawa, 1950)


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[羅生門]
監督/ 黒澤明
出演/ 三船敏郎 森雅之 京マチ子 志村喬 千秋実
1950年日本作品
1951年ヴェネチア国際映画祭サン・マルコ金獅子賞受賞
1952年アカデミー賞名誉賞(最優秀外国語映画賞)受賞

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