Strange Daze

映画、洋楽、JAZZがなにより好き!
そして最近メタボ対策でちょっぴりカラダ動かしてます(笑)。

4分間のピアニスト

2009-10-26 00:33:13 | Cinema
弾く時だけわかる。 何のために生まれてきたか 
”聴け! 魂に鳥肌が立つ、衝撃の4分間!”
ドイツ映画史上、最も衝撃的で感動的なラストシーン。
囚われた天才ピアニストに、残された人生を賭ける女性教師・・・。二つの魂の美しき共鳴から生まれた衝撃の感動作!

※物語の核心に触れる箇所がございますのでご注意ください。未見の方はお読みいただかないほうが宜しいかと思います。

ピアノ教師として刑務所にやってきたクリューガーは、問題児とされている少女、ジェニーが机を鍵盤代わりに無心に指を動かす姿を見つける。 愛に裏切られ続け、過ちを犯したジェニーの類まれなる才能を見抜いたクリューガーは、それを花開かせる事こそが、残り少ない自分の人生の使命だと考え、所長を説得して特別レッスンを始める。 その日から全く違う世界に生きていた2つの魂のぶつかり合いが始まった・・・

      

2007年にドイツ・アカデミー賞で作品賞、主演女優賞を受賞した魂を揺さぶる作品。なんとも深い意味があるような、思わず手にとってしまいたくなるタイトル。それに加え、手錠につながれたヒロインの後姿のポスターに、興味をそそられ観てしまいました。
この作品は、生きる希望を見失った天才ピアニストと女性教師が、共に人生の輝きを見出すまでを描いた物語です。 ピアニストというと、ジュゼッペ・トルナトーレの『海の上のピアニスト』や、ロマン・ポランスキーの『戦場のピアニスト』を連想しますが、この作品は、『海の上・・・』や『戦場・・・』のような美しい物語ではありません。 ピアノの演奏、音楽を通して魂と魂のぶつかり合う様を描いたものです。

類稀なピアノの才能を持ちながら、(無実の?)殺人罪で服役中のジェニー。 過去に同性の恋人をナチに処刑された、重い秘密をもつ老教師クリューガー。 閉ざされた塀の中で出会った二人の女性は、どちらも一筋縄ではいかない過去を持ち、他人と妥協も打ち解けもせず、最初から激しく反発し合います。 この二人に共通するものは音楽に対する情熱のみなのです。 二人だけの音楽という時間を過ごしていくうちに近づいてきたかと思えば、また遠ざかっていく心と絆。

      

内にためこんだ怒りを、ときに驚くほど激しく爆発させる少女。「あなたの使命は演奏すること」という確固たる信念で臨む老教師との音楽を巡る闘い・・・。
お互いの過去にトラウマのある二人の ”生きる意味” を問いかけた物凄いストーリーでした。 まさしく魂を揺さぶられた物語です。
クライマックスの ”4分間だけの演奏”の、なんという壮絶で、激情的で且つ美しい演奏か・・・。 圧巻でした。 抑え込まれていた彼女の心、彼女の人生に対する怒りを、全て吐き出すような演奏。 観ていて身体が震えるのを憶えました。
そして、割れんばかりのスタンディング・オヴェーションの中で、今まで人に対してお辞儀をしなかった彼女が生まれて初めてお辞儀をするのです。 再び手錠をはめられた彼女が最後に向けた目の先には・・・。

      

この作品は、涙なしで観ることの出来ないという感動の作品ではありません。 観ていて嫌悪感さえ憶えるストーリーかもしれません。 しかし、間違いなく心を揺さぶられる物語になるのではないかと思います。
久しぶりに心に残る素晴らしい作品を観せていただきました。

このピアニストを演じたハンナー・ヘルツシュプルングは、なんとこの作品に出演した時は殆ど無名の女優だったそうで、実際の彼女は劇中の姿とは180度もちがう、非常におっとりとした女性だそうです。今後の出演作に期待が高まりますね。 また、老教師を演じたモニカ・ブライブトロイは、ファミリー・ネームで映画通の方なら「あ~、そうか」とおわかりになるかと思いますが、あの『ラン・ローラ・ラン』や『es[エス]』に出演していたモーリッツ・ブライブトロイの実母なのだそうです。




--「4分間のピアニスト」関連映像--
4分間のピアニスト 予告編


Vier Minuten - Trailer


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vier minuten
   (この映像は物語の核心に触れていますので未見の方はご覧にならないことをお薦めします)


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【4分間のピアニスト / Vier Minuten】
監督/ クリス・クラウス
主演/ モニカ・ブライブトロイ ハンナー・ヘルツシュプルング スヴェン・ピッピッヒ
2007年ドイツ作品

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5 Comments

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (くりこ)
2009-10-26 11:34:16
お久しぶりです。
暗くて重たーい、いい映画でしたね。
このなんとも言えない感、後味が悪くて
見た後に余韻が残りました。
でも、とてもいい作品だと思います。

私もかつて日記に書いてました。なつかし。
サントラ買ったのに、聴いてないわー。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=638214100&owner_id=3038076

ジェニーが縛られ焼かれているときに
流れていた、deepforestっぽい曲
すごくマッチしていたと思います。
返信する
お久しぶりですぅ。 (ぼの)
2009-10-27 00:57:58
>くりこさま

本当にお久しぶりです。
お元気でしたか?

最近あまりあちらのほうには、入っていないので
中々伺えずにいてすみません。
また後ほどゆっくり伺わせていただきます。

さて、この作品ですが、久しぶりに心が動いた物語でした。
ラスト4分の奇跡も素晴らしいし、物語全体が壮絶で・・・
ジェニーが刑務所で禁を犯して弾いたブギウギ調の曲、
あれも良かったですね。
返信する
二人とも (メル)
2009-10-27 08:23:34
ぼのさん、こんにちは☆^^

この二人の演技、素晴らしかったですよね~!
描き方も容赦がなかったですが、それに応えた二人の演技の見事さには胸打たれました。
ただ内容が辛すぎて、なんだか見てる途中で胸が苦しくなって来ちゃったんですよね(^_^;) もっと心身ともに健全な時に見れば良かったなぁと思いましたわ(^^ゞ
なので、いろいろな意味で良くできた映画だと思ったんですが、好きか嫌いかというと、ちょっと・・でした。
でも、それだけ素晴らしい出来の映画だったと言うことです!

そしてあのラスト・・震えそうでした。
日本人の方があのピアノ演奏を吹き替えられたたとのことで、素晴らしい日本人のピアニストがいるもんだなぁってそちらにも感激しました。
返信する
見ました (ユッコ)
2009-10-27 22:44:55
こんばんは

この映画見ましたよ。
最初はあの重苦しさに途中で
見るのをやめようかと思いましたが、
最後までがんばって見てよかったです。
最後の演奏も凄く良かったですが、
手錠を後ろ手にかけられた状態で
背中を向けて弾くシーンが凄くなかったですか?

メル様のコメントに日本人が吹き替えと書いてありましたが、
誰なのでしょうね。気になります。
返信する
観るのにはかなりの勇気が必要? (ぼの)
2009-10-28 01:26:34
>メルさま
こんばんわ。
この映画、観るのにはかなりの勇気が必要かもしれませんね。
そういった意味では、スコット・ヒックスの【シャイン】に似ているかも・・・
ちょっと違うかなぁ。

私、この映画の情報は殆ど収集していないので、
日本人が吹き返していたことは知りませんでした。
ちょっとびっくりです。
でも、どなたなのでしょう・・。
後で調べてみますね。

>ユッコさま
こんばんわ。
ユッコさまもご覧になられていたのですね。
流石音楽通なユッコさま、ちゃんとチェックなさってます。
でも、この映画は辛かったでしょう。
最後のコンクールは感動モノでしたけどね。
しかし、どうしてピアノの音ってあんなに美しいんでしょう
返信する

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