玄人紙芝居師のつぶやき

玄人紙芝居師のなにわのゴリちゃんが、紙芝居口演の様子や紙芝居作品などについて、つれづれなるままに書き込んでいきます。

なにわのゴリちゃんのつぶやき・・・紙芝居について

2012年05月17日 13時24分24秒 | 日記
2012年5月17日
玄人紙芝居師のなにわのゴリちゃんです。

昨日、なら人形座の工藤さんと紙芝居について、いろいろとお話をさせていただきました。

話をしながら、私は、紙芝居の深さを再確認しました。

私が口演する紙芝居は、印刷紙芝居(童心社・鈴木出版など)です。
保育所や幼稚園、図書館にあるものと同じです。
誰にでも読める作品ばかりで、その作品の口演(実演)が私の仕事です。

そういう意味では、わざわざお金を出して口演にと考えて依頼をしてもらうのは難しい点もあります。
ボランティアで紙芝居をされている方も多く、私のように印刷紙芝居でプロとして活動するには困難な状況と言えます。

しかし、これまでプロとして口演(実演)をしてきて感じることは、印刷であろうがオリジナルであろうが口演の質を問われるということです。
簡単にいえば、「お金をもらっているのだから、上手くて当たり前。楽しくて当たり前」と、言うことです。


紙芝居も生き物です。
紙芝居は、同じ作品でも稽古や口演を重ねるうちに、その作品へのとらえ方が変化していきます。
初めのうちは気付かなかったことに気づかされていき、そのことで口演の仕方がかわります。
間の取り方や抜き方も、声の出し方までが観客との関係で微妙に変わるのです。

紙芝居の絵は変わりませんが、演じ手の心持や観客とのやりとりで良くも悪くもなるのです。


一つ一つの作品に込められた脚本家や画家の思いをくみ取ることなしに、優れた実演はできません。
これでいいと思った瞬間から、演じ手の質は落ちていくでしょう。

だから、自分の口演(実演)に満足することなく、日々の稽古に取り組んでいきたいと思っています。