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1トップ2シャドー

2006-02-10 01:08:16 | Weblog
 3-6-1でアメリカ戦を戦うジーコジャパン。現状の完成度はいまいちみたいだ。

 1トップ2シャドー、この場合オフェンシブハーフは2人になるのでパスの出所が1つに限定できない。屈指のパサーが2人で司令塔をやるわけだから相手は嫌なはず。ただし、その分FWが1人になるので、FWのマークは容易になる。一長一短あると思う。

 世界レベルの絶対的な司令塔は日本にはいない。日本で唯一、絶対的な司令塔になりえるのは俊輔だけだと思うが、今回は召集されていない。ジダン・ロナウジーニョ・トッティ・アイマール・ベルカンプ・・・、このクラスの選手なら、1人で司令塔をやっても絶対的な存在感を示せると思う。どんなにマークされても仕事をできる。小野も小笠原もまだ、そこまでの選手ではないと思う。だからこそ、2シャドーになることは相手のマークをかく乱する意味では有効だ。

 しかし、1トップ2シャドーでもっとも大きな役割を果たすのは1トップのFWだと思う。2シャドーの動きはこいつの仕事にかかっている。まずは安定したポストプレーをすること。次に有効なスペースに動き出すこと、そしてスペースを作ること。一人二役できて初めて2シャドーが生きてくる。ポストに入りきっちりとボールをおさめタメを作ることができれば、2シャドーは余裕をもって有効なボールの受け方ができる。同時にタメた時間でサイドが駆け上がってこれる。有効なスペースに飛び出せば、DFをひっぱるのでスペースができる。そこを2シャドーがつく。
 アウェーのバーレーン戦だったと思うが、柳沢がサイドに顔を出して、そこに縦パスが入る。柳沢にDFがついていったが、柳沢はヒールでボールを進行方向の後ろに流した。そこには小さなスペースができていて、小笠原が飛び込んできた。ひとつシュートフェイントを入れてからシュートしてゴール。これが、W杯を決める重要な1点になった。1トップがスペースを作り、そのスペースをシャドーが有効に使う。まさに1トップ2シャドー効果といえる1点だった。この時は、柳沢・小笠原・俊輔というトライアングルだったが、うまく連携できていた。

 柳沢の特徴はスペースへの飛び出し・スペースの使い方・スペースの作り方・おさまりはイマイチだが奪われないポストプレーだろう。FWとしてゴールへの威圧感がないことが特徴なので、叩かれることは多いのだが、柳沢が入るとチームの連携はうまくいく。連携に重要なプレーがうまいからだ。チームの結果につながっている。
 一方の久保は、ゴールへの威圧感が物凄い。日本人FWではトップだと思う。常にシュートをイメージしている・競り合いに強い・ゴール前でのポジショニングが絶妙・ペナルティエリアの中で強さを発揮する。この辺が久保の特徴だと思う。柳沢とは相反するといっていい存在だ。

 久保は3-6-1の“1”には向いていないと思う。久保の特徴が死んでしまうし、周りも死んでしまう。この“1”に向いているのは、柳沢やゴンのようなスペースを広く使えて、スペースを作るのが上手い選手だ。

 それでも、ジーコはこの布陣で行くのだろう。一番近くで見ているジーコがこの布陣を試すということは、それなりの価値があるはず。久保に何かを経験させるとか、新しいオプションとしての手ごたえを得たいとか、想像の域を脱しないが、ねらいもなしにやるわけがないので、何か考えはあるのだろう。

 答えは試合で見られるのだと思う。この辺を楽しみに見てみようと思う。

 以下、予断ですが・・・
 元日本代表の秋田豊が、ゴンの動きを「消える」と称していた。空中にあるボールを見た瞬間にゴンはいなくなるらしい。DFにとって、FWのマークを外すのは致命的。それをするのがゴンちゃんだ。個人的には、同じタイプでもゴンよりも柳沢の方が動の質は上だし、ボール裁きも上だと思っている。柳沢と久保の2トップが現在考えられる、最も良い日本の2トップだと思う。高原はゴールに向かってゴリゴリ行くけど、シュートまでに時間がかかるのと、ゴールの近くでボールを受けてもシュートを打つ場所はゴールから遠ざかっていることが多い(故にシュートまで時間がかかるのだが・・・)。要するにゴールに直線的な動きではないので威圧感がない。

 柳沢と久保が6月にベストコンディションなることを願わずにはいられない。

2 コメント

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Unknown (yuta)
2006-02-10 23:45:20
バーレーン戦での1トップ2シャドーは、ほんとうに連携していた。中村も「日本の目指す、チェックを受ける前にボールをつないでいく動き」と理想のひとつにしていた。



やはり私も久保に連携のための1トップができるかどうか、不安と同時に楽しみ。
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そだね。 (boban)
2006-02-11 03:09:16
 久保がどこまでできるかもありますが、連携に向かないドラゴンをあえて使い、その状況下でどれだけ回りが連携できるか?というねらいを感じています。ドラゴンの周りも試されているということだろうね。



 周りを生かすプレーが得意な、バーレーン戦の3人が揃わない時のオプションとしても試したいのかも。チームとして機能しなくても、個々で3-6-1に使える奴はいないか見ると思う。
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