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2005/3/1 夕刊読売新聞3面記事

2006-03-01 22:25:13 | Weblog
以下、2005/3/1 夕刊読売新聞3面記事抜粋

 終盤の15分を除き、日本が攻めに苦しんだ最大の要因は、相手を背負ってFWが縦パスを受けるプレーができなかったためだ。中村、小笠原ら中盤からのボールがカットされるパス制度の問題もあったが、まだ本調子と言えない久保、高原も相手の重みこらえきれず、ボールが進まないまま相手プレスに追い込まれる展開に、中村はハーフタイムに「もう少し耐えてキープしてくれ」と要求した。終了間際の同点ゴールは、前線への長いボールに柳沢が相手に競り勝って、中村につないだから生まれた。パスワークの技術が日本の生命線だが、それでもパワー勝負で踏ん張る局面は絶対に避けられない。その確立を高めることは必要不可欠だ。 助川武弘

 僕の感想と同じことが、翌日の新聞に書かれていることが嬉しかった。僕の目は正しい面も持っているのだと感じることができた。ロスタイムゴールもHDに録画した映像を見ると、確かに宮本のロングボールに柳沢が競り勝って、俊輔に落としている。

僕はこのブログで、しばしばポストプレーの重要性を述べた。日本代表のアメリカ戦もフィンランド戦もインド戦もボスニア・ヘルツェコビナ戦も久保が先発。久保がピッチでポストプレーをしている姿はほとんど記憶にない。久保は開いてもらうか、ラインの裏を狙うかという単純な動きしかしない。開いてもらっても縦に突破するスピードは久保にはない。ラインの裏を狙ってもオフサイドをとられることが多い。
 久保の怖さというのは、PA内でボールを受けた時のボールの処理が上手いこと。ほとんどの得点はPA内でボールを受けての展開だ。PA内でのボールの受け方も上手いから、PA内での決定力がある。
 ただ、怖いのはこれだけとも言える。潰れ役なることもないし、前線でのディフェンスでは貢献度が極端に低い。スピードもなければ、相手を抜き去るドリブルもない。ただ、日本に長年欠けている“決定力”を持っている。
 昨日の試合のロスタイムゴールが象徴的だが、得点はマスコミやサポーターから発せられる不協和音を一層する威力がある。久保の数字を見れば、決定力が圧倒的に高いことがわかる。
 あくまで僕個人の見解だが、久保は数字の上で決定力の高さを示しているが、プレーの質やレベルはワールドクラスには至らないと思う。FWが守備の基点になり、攻撃の基点(ポスト)になれるというのは標準的なことだと思う。久保はボールに近いポジションであっても歩いていたり、サイドにポジションを取り手を上げてパスを待っていたりという姿が目立つ。サイドバックのオーバーラップによるセンタリングがあがっても久保はPAの外にいたりする。ポストに入らない上にセンタリングにあわせようともしないことが何度かあった。サイドバックはリスクを背負ってオーバーラップするのだから、FWは死ぬ気で飛び込んでくるべきだ。
 まだ、コンディションがあがっていないのが原因だとしたら、そのうちポストプレーをするようになるのだろうか。少なくとも、今年の代表戦での久保はほとんどポストプレーをしていないのは事実だ。

 ただ、そう言っている僕も、決定力という魅力は強く感じる。久保のプレースタイルが今と変わらなくても、今の調子でW杯で4点くらい取るならばそれは魅力だ。ジーコは信頼を寄せているが、今、僕が考えるベスト2トップは柳沢と巻。2人ともポストを受けれるし、柳沢はスペースへの飛び出しが絶妙に上手い。巻は献身的なFWだ。守備もがんばり、センタリングが上がる時は必ず飛び込んでくる。フィジカルも強い。

 FW争いはどうなるのか。どうなっても選ばれた選手には全力でプレーしてほしい。