エンジョイクラス

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復活!柳沢。そして鹿島。

2006-03-05 22:51:58 | Weblog
 J1開幕

 鹿島VS広島

 柳沢ハットトリック!見事な復帰戦だ。

 同時に日本でもっとも質の高いFWは柳沢だということを改めて実感した。FWとしての動きの質が高い。柳沢が入っただけで鹿島は昨年とは全く違うチームに見えた。パスが回るは、動きに連動性があるはで広島を翻弄した。

 ポストプレーの質は特に高い。相手に奪われることはほとんどない。ポストとして相手にボールを渡さないこと徹底している。それがプレーを遅らせることになろうと、相手にボールを奪われなければ、ピンチにはならないからだ。
 後方でボールを回していて、相手のプレスに追い込まれている時は下がって来てパスをもらう。これだけで前がかりのプレスを抜け出せるので、薄くなった中盤を有効に使える。
 空中のボールは必ず競り合う。競り合いに勝てなくても、早めにジャンプしてDFにボールが見えないようにブランドを作る。これでDFはコントロールしたヘディングができなくなる。一見大きすぎるようなボールでもしっかりと競り合い、そのこぼれ球が結果的に鹿島のボールになる。
 それにそれほど背は高くないのに、空中戦に強い。本当に精一杯ジャンプしているのが伝わってくる。今日だって、広島のGK下田に競り勝ってHDでゴールを決めた。逆に余裕のあるヘディングは正確だ。
 
 ポストプレーと競り合いのヘディングという基本をしっかりとする柳沢がいるから、チームは後方に停滞せず、前に展開できる。前に展開できるからDFラインを高く保てるし、中盤のプレスもかけやすくなる。
 柳沢自身が積極的に下がってボールを受ける。ラインも上がっている。この時は中盤の密度が高く、細かいパス回しがやりやすくなる。相手のプレスが強くても、密度の高い中盤が形成されているので、細かいパスでかわすことができる。さらに、下がってボールを受ける柳沢につられてきた相手DFの背後にスペースができる。そこを二列目の選手が利用したり、深井が利用したり、柳沢自身が飛び出したり。

 ポストプレーがしっかりできることで、スペースを作り出す。オフザボールの動きと、ボールタッチの正確性。どれをとっても超一級品だ。

 小笠原と本山はすごく動きやすそうだった。中盤の選手からサイドバックまで積極的に攻撃参加していた。それはしっかりとタメを作れるから。前に絶対的な信頼がおけるチームの試合だった。

 2失点は完全に集中を欠いたものだったので、それほど心配なく、ウェズレイに決められたHDゴールもそんなに心配な失点ではない。
それよりも、中盤の厚みから生まれる得点力の方が際立っていた。

1戦目の感想としては、「強い鹿島が戻ってきた!」という感じ。

2005/3/1 夕刊読売新聞3面記事

2006-03-01 22:25:13 | Weblog
以下、2005/3/1 夕刊読売新聞3面記事抜粋

 終盤の15分を除き、日本が攻めに苦しんだ最大の要因は、相手を背負ってFWが縦パスを受けるプレーができなかったためだ。中村、小笠原ら中盤からのボールがカットされるパス制度の問題もあったが、まだ本調子と言えない久保、高原も相手の重みこらえきれず、ボールが進まないまま相手プレスに追い込まれる展開に、中村はハーフタイムに「もう少し耐えてキープしてくれ」と要求した。終了間際の同点ゴールは、前線への長いボールに柳沢が相手に競り勝って、中村につないだから生まれた。パスワークの技術が日本の生命線だが、それでもパワー勝負で踏ん張る局面は絶対に避けられない。その確立を高めることは必要不可欠だ。 助川武弘

 僕の感想と同じことが、翌日の新聞に書かれていることが嬉しかった。僕の目は正しい面も持っているのだと感じることができた。ロスタイムゴールもHDに録画した映像を見ると、確かに宮本のロングボールに柳沢が競り勝って、俊輔に落としている。

僕はこのブログで、しばしばポストプレーの重要性を述べた。日本代表のアメリカ戦もフィンランド戦もインド戦もボスニア・ヘルツェコビナ戦も久保が先発。久保がピッチでポストプレーをしている姿はほとんど記憶にない。久保は開いてもらうか、ラインの裏を狙うかという単純な動きしかしない。開いてもらっても縦に突破するスピードは久保にはない。ラインの裏を狙ってもオフサイドをとられることが多い。
 久保の怖さというのは、PA内でボールを受けた時のボールの処理が上手いこと。ほとんどの得点はPA内でボールを受けての展開だ。PA内でのボールの受け方も上手いから、PA内での決定力がある。
 ただ、怖いのはこれだけとも言える。潰れ役なることもないし、前線でのディフェンスでは貢献度が極端に低い。スピードもなければ、相手を抜き去るドリブルもない。ただ、日本に長年欠けている“決定力”を持っている。
 昨日の試合のロスタイムゴールが象徴的だが、得点はマスコミやサポーターから発せられる不協和音を一層する威力がある。久保の数字を見れば、決定力が圧倒的に高いことがわかる。
 あくまで僕個人の見解だが、久保は数字の上で決定力の高さを示しているが、プレーの質やレベルはワールドクラスには至らないと思う。FWが守備の基点になり、攻撃の基点(ポスト)になれるというのは標準的なことだと思う。久保はボールに近いポジションであっても歩いていたり、サイドにポジションを取り手を上げてパスを待っていたりという姿が目立つ。サイドバックのオーバーラップによるセンタリングがあがっても久保はPAの外にいたりする。ポストに入らない上にセンタリングにあわせようともしないことが何度かあった。サイドバックはリスクを背負ってオーバーラップするのだから、FWは死ぬ気で飛び込んでくるべきだ。
 まだ、コンディションがあがっていないのが原因だとしたら、そのうちポストプレーをするようになるのだろうか。少なくとも、今年の代表戦での久保はほとんどポストプレーをしていないのは事実だ。

 ただ、そう言っている僕も、決定力という魅力は強く感じる。久保のプレースタイルが今と変わらなくても、今の調子でW杯で4点くらい取るならばそれは魅力だ。ジーコは信頼を寄せているが、今、僕が考えるベスト2トップは柳沢と巻。2人ともポストを受けれるし、柳沢はスペースへの飛び出しが絶妙に上手い。巻は献身的なFWだ。守備もがんばり、センタリングが上がる時は必ず飛び込んでくる。フィジカルも強い。

 FW争いはどうなるのか。どうなっても選ばれた選手には全力でプレーしてほしい。

右サイドが崩しやすいよ

2006-03-01 01:11:36 | Weblog
 2006/02/28 日本VSボスニア・ヘルツェコビナ

 W杯前のテストマッチとは言え、勝つ気持ちは見えなかった。そこにガッカリ。あくまで調整と決めているならそれはそれで良いが、気持ちが入っていないように見える試合は見ている側としてはつまらない。ただ、調整だから仕方のないことだと割り切ることが大切。

 さて、スコア2-2でドローだったが、試合内容は良かった。それは良いサッカーをしたということではなく、クロアチアとオーストラリア戦の準備としてとても価値ある良い試合だった。
 長身でありながら、足元の技術がしっかりしていて、プレスをかけても中々捕まえられない。ロングボールを跳ね返せず、相手にキープされてしまう。特に日本が3、4人でゾーンプレスをかけた時に、かいくぐられ中央から逆サイドへ展開される。こうなるとピンチだ。今日このような突破を数多くされたことは、課題となり対策も見えてくるだろう。
 また、多くのセンタリングを上げられた。早くて質の高いセンタリングを何本も。特に、DFラインが戻りながらの対応になり、対処の難しいセンタリングが多かった。
 さらに、相手は長身選手が揃っている。ここでも早いセンタリングと、顔の出し方が上手くフィジカルの強い選手の対応に課題が残った。これも反省し、修正ができる。そう考えれば収穫。



 課題以前の問題だったのは日本の左サイド。何本クロスが上がったことか。何本裏を取られたことか。何回突破されたことか。
 サントスの対処に大きな問題があるのはハッキリしたことだ。最終ラインの一端を担う選手としての基本が全くできていない。基本は簡単な「飛び込まず、コースを切る」ということ。腰は高く、1対1の場面で一発でボールを取りにかかる。ボールを持っている方としては、これほど簡単な相手はいない。1フェイントで簡単にかわせる。遅れて足を出すか、オブストラクションでしか止めることができないサイドバックが日本代表とは・・・。
 もうひとつ、「両足が揃う・ジャンプし両足で着地する」。これはDFとしてはもってのほか。DFの1対1の基本は“すり足”だ。両足が揃った瞬間にスピードを上げて縦に突破する。世界には両足が揃うのを待って、チェンジオブペースする選手がどれだけいることか。通用するわけがない。
 さらにもうひとつ。「ボールへの寄せが甘い」。最終ラインのディフェンスは、一歩間違えば点数に繋がるプレー。ボールへの寄せが最も大切。サントスはセンタリングが上がるであろうコースに立っているだけ。しかもコースが切れていないからセンタリングは上がる上がる。
 誰かサントスにディフェンスを徹底的に教えるか、もうサイドバックで使うのやめてほしいと思う。僕がジーコに対して抱く数少ない疑問は“サントスのサイドバック”である。
 
 まぁ、中田も上がり過ぎでディフェンスの時にボランチとしての役割をまっとうできていなかったように思えるし、福西がフィジカルで負けすぎだった。2ボランチだったのか、1ボランチだったのか、中田の動きを見ているとわからないが、どちらにせよ、最終ラインの前にいるディフェンダーがやられすぎていたということもある。

 ボスニア・ヘルツェコビナは、後半、日本の左サイドから崩すことを徹底した。前半戦って、「左サイドが崩しやすい」ということに気がついたのだろう。右サイドを徹底して狙い、見事に崩す辺りはさすが。後半、ボスニア・ヘルツェコビナは左サイド(日本の右サイド)からはほとんど攻めてこなかった。(加地には安定感があった)

 明らかにサントスが狙われていて、少しサントスがかわいそうだった。


 
 左サイドが崩壊した日本は、防戦一方になった。有効な攻撃ができない。

 オフォエンスから、左サイドの崩壊を防ぐ方法もあった。相手のディフェンスラインを下げさせることだ。今日の試合は、高原も久保もほとんど裏を狙っているか、サイドに開くだけだった。裏を取る確立が高ければ、ラインを下げることができるだろうが、ほとんどオフサイドだった。サイドに開いて突破できればチャンスだが、突破できるようなスピード感はなく、トラップも悪かった。だったら、ポストプレーで貯めを作り2列目の飛び出しで裏を狙う方が効果的だっただろう。今日の試合、ポストプレーをしていたのは小笠原と俊輔だった。この2人がポストをしても、ポストの位置が低すぎるし、相手のDFに狙われやすい。前を向かせてもらえない。結果高い位置でボールを奪われ、最終ラインは後手のディフェンスとなる。
 ただ、ポストプレーの上手い柳沢を投入しても、柳沢はほとんどポストに入らなかったのを見ると、裏を狙うということを徹底していたのかもしれない。とも思えた。
 
 高い位置でのボール奪取、右サイドからの徹底攻撃によりボスニア・ヘルツェコビナは後半、支配した。


 またも、ロスタイムの得点により(本当に神がかっている)ドローに持ち込んだことは大きかった。負ければ後半のデキをマスコミが徹底的に叩いただろう。それを少しでも黙らせるためには中田の同点ゴールは大きかった。後半の日本について、分析すべきところと反省すべき点は多かったが、今の時期にそれを叩く必要は無い。叩いても明日の空気にストレスが充満するだけ。


 リーグ戦が始まっていない国内組のコンディションがまだまだという感想が強い。特に福西や中沢が頼りない。宮本も読みが冴えていない。久保も体が重そうだしボールは足についていない。小笠原もボールを簡単に奪われすぎる。唯一安定しているのは、加地だけ。今年の試合は全て、国内組のコンディションが低い。特に瞬発力がない。でも、Jリーグが始まり、激しい戦いが繰り返されることで、コンディションはどんどん上がるだろうから、心配はいらないだろう。絶対にW杯の初戦にはコンディションを合わせてくる。それは心配ない。

 だから、最近の眠くなるような試合も致し方ないという感想で、去年の予選の時と同じ目で見たら、あまりにもつまらない。どこに調整が必要なのか、コンディションはどれくらい上がっているのか、というような目を持ち観戦するように心がけている。ただ、そうすると眠くなる・・・