ともちの小さなGLOBE

人生は一期一会のLong and winding road。小さな地球儀をめぐる日々をブログにしました。

プレジャーとコマーシャル

2009-12-02 21:52:16 | 徒然なるままに
久しぶりに徒然なるまま、この頃ふと思うことを書いてみたくなった。

物づくりは、趣向性の高いプレジャー用途と、生活を支えるコマーシャル用途に大別されると思う。

具体的に言えば、次の写真にある水上バイクの世界は、まさにプレジャーのカテゴリーに当てはまる。
ニース近くの海岸で自分のJETを降ろして乗り出そうとするオーナー:(JETの楽しみは? の問いかけに、日常からの逃避との哲学的回答)


この写真はフランスのオレロン島レースの1コマ
100馬力を雄に超えるエンジンを載せたJETが一斉にスタートするシーンは、端的に日常からの乖離を物語ってる。


一方、これはインド南部ケララ州の漁船
10馬力に満たない船外機を船側に2台装備した船に20名近い漁師が乗っている。
このちっぽけな2台の船外機は、漁師とその家族達を養っているわけで、おそらく200名近い人間を食べさせているといっても過言ではないと思う。


100馬力で1人の満足を満たすプレジャーの世界と、10馬力2台で200名を養うコマーシャルの世界
華々しいプレジャー商品からすると非常に地味なコマーシャル商品は、こと社会貢献と言う視野では崇高な輝きがあるのが分かる。

プレジャーのマーケットを「非日常」「日常からの乖離」という人間の欲求を満たすものとすると、この趣向性を満たす為には、常に創造性に富んだ Something New を市場に提供し続けなければならないわけで、ヒューマンファクターから離れて、趣向性のベクトルが馬力競争等に陥ったマーケットが伸び悩む姿がここにあるのかも知れない。

ここまで、両極端な分野としてのマーケットを紹介したが、改めて日常に目を向けると…
実際、普段の通勤の脚に使う車などはプレジャーとコマーシャルの世界を行ったり来たりしているものだと思う。

普段はかみさんの脚のFITも週末には、家族と2台のロードレーサーを楽々呑込み郊外へ誘ってくれる。
フルオープンにして星空の下、帰宅の道を走るS2000…仕事のモヤモヤも吹っ飛ぶ日常からの乖離を与えてくれる。

過酷な市場環境での創り込みによって、プレジャーのカテゴリーにコマーシャルの品質がオーバーラップする姿。コマーシャル用途でも、びくともしない信頼性。
これが、Made in Japan 神話の根幹に有る。

非日常というキーワードが現実志向のアウトドアに向かうものなのか?バーチャル志向のインドアに向かうものなのか?
価値観のシフトが大きくマーケットを左右している今日この頃… 

決して忘れてはならない軸足は、Made in Japan 製品を支える、信頼性という「強み」だと思う。
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2 コメント

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Unknown (ダイヴォー)
2009-12-06 21:35:55
確かにmade in Japanって神話というか、絶対的なブランドなんですよね。

自分の会社の製品について、よく[made in Japanをもっと前面に押し出すべきだ]という話になりますから。

でも、こんな円高だと品質の低下は目をつぶって海外へ生産移管するなんて話も加速するんでしょうね。
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Unknown (ともち)
2009-12-06 22:22:05
海外生産を行う事になっても、その時に試されるのは、その会社の物創りのPrincipleだと思います。

コストは品質との兼ね合いになるわけだけれど、「こんな使い方はしないはず」として今まで有る評価基準をコストダウンの為に下げたものは、結果的に市場からしっぺ返しを食らうし、実験で発生した問題は100%市場で発生するからね。

単純な事だけれど、本当に奥が深いところ。
品質を落としてコストダウンすれば短期の利益は出ても、長期の成長は望めるものでは無いしね。
今、企業理念が絵に書いた餅か真に試される時かもしれないと思う次第です。
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