
リ「まだ本物かはわからんが、ペールゼン閣下が直々に選ばれた男だ」※イラッ
部下「信じられませんな、そんな能力があるとはとても」
リ「それは私も同じだ」
~~~~
リ「あれから二ヶ月が経過しました。しかしキリコは、訓練には全く参加せず、部屋を一歩も出ません。訓練は兵士達の自由意志で選べるにせよ、キリコだけが顔を見せないのは問題です。兵士達の中にはキリコだけが特別待遇されているのではないかと疑う者も出ています。これ以上キリコを放置しておくのは、いずれにせよマイナスと考えますが」
ペ「リーマン」
リ「は?」
ペ「話とはまさかそのことだけではあるまいな」
リ「は、それは」
ペ「キリコについては初めから言っておいた筈だ」
リ「では、放置せよと」
ペ「そうではなく、観察せよということだ」
リ「史上最強の軍隊、それはひたすら絶えざる訓練と精神の強化によってのみ実現する。私は閣下のこのお言葉だけを信じてきました」
ペ「では、兵士の素質は問題ではないのか」
リ「いくら能力があろうと、それ故に欠陥を持つ人間は、戦闘集団という組織には不適当です」
ペ「…だが、お前はまだ見ていまい。キリコの能力を。優れた者がいれば、私はそれから目を背ける訳にはいかん」
人工惑星の配管通路のような部分から様子を伺う、ギルガメス軍服に身を包んだ若きペールゼン。培養カプセルの中に眠る青緑色の赤子を発見して息を飲み、周辺を遠隔装置で爆破。カプセルは割れたが、泡に包まれたまま赤子は宇宙空間に投げ出され、大きな瞳をゆっくり開いて彼を見つめ返す。
ペ「奇跡というものを私は目撃した」
リ「は?」
ペ「それは…あるのだ!」手袋とコートを掴み、出ていく。
リ「…ふん」※イライラッ
~~~~
グレコルー「これはこれは所長」
部下「ここは収容所ではない!司令官と呼べ!」
グ「はっ。それにしても司令官直々のお呼びとは、何事でありますか」
バイマン「これで命の心配は無くなりそうだな」
リ「何の事だ。お前達には良い待遇を与えてきたつもりだが」
バ「ちっ」
リ「お前達がいかに生き延びるか、試していただけだ。ペールゼン閣下がレッドショルダーの為に特に運の強い男を探しておられるのは知っていよう」
グ「お陰で自分達は6年も臭い飯を食っております」
部下「貴様ら!」
リ「ところで、お前達の運を遥かに上回る男がいる」(画面にキリコを映し出す)
グ「ちっ、こいつか」
バ「只の病人ですぜ」
リ「確かに、神経症患者ではある。しかし奴は、ペールゼン閣下自らの手で調査され選ばれた男なのだ」
グ「選ばれた男?けっ、何処がですかい?大した戦歴もない!」
リ「奴の戦歴を子細に分析すれば、驚くべきことが明らかになる」
グ「ん?」
リ「作戦における奴の配置された状況、全体の死亡率から計算すると、奴の生き残る確率はほとんど奇跡とも言える」
バ「偏差値2.95、総合死亡率に対する特異偏差率40.66?」
ムーザ「なるほど、こりゃ尋常じゃない」
グ「だが奴も怪我をしているぜ。こりゃエキスパ戦だな、骨盤骨折と大腿筋損傷。3ヶ月の重傷だ」
バ「見ろ、医療設備が揃っていたお陰で助かったんだ」
リ「これがなかったら、彼は負傷率の高さでも際立っていたろう。しかし日付をよく見ろ」
グ「日付?」
リ「次に奴が参加したマナグア戦だ」
グ「手術後たった七日目?」
ム「まさか!腰の骨を折って七日で出動?へっ、何かの間違いだ」
リ「メルキア軍の全兵士のデータを集め、特異なケースは再度調査し、その中から更に特異なものを徹底的に検証された」
グ「じゃあキリコは不死身だと?」
リ「少なくとも、それに近いということだ」
バ、グ、ム「…むぅ」
バ「…へっ、自分に任せてくれりゃあ、そうでないことをすーぐ証明して見せますぜ」
リ「実はそれを頼みたいのだが」
バ、グ、ム「えぇ?」
部下「第21ドックは近々取り壊しの予定だ。そこで武器を選ばずやってみてはどうだ?」
バ「筋書きは出来上がってるらしいですな。だが、奴一人にそんな手間ぁかかりませんぜ」
リ「…そうかな?私は心配だ。お前達がみなごろしにされないかとな」※心配ってw
グ「冗談じゃねぇや。俺達が生き残って来たのはな、運なんかじゃねえ、腕だ!証明してみせますぜ」
~~~~
部下「もし決着が着かなかったら」
リ「必ず着く。心配するな」
~~~~
カースン「グレゴルー何故だ!キリコに何の恨みがある!」
ムーザ「引っ込んでな!」
グレゴルー「確かめたいだけだ!キリコが人並みにくたばるんだってことをな!」
バイマン「聞いてるか、キリコ!今迄は運良く生き延びたようだが、そうは行かねえぞ!」
~~~~
キリコ「!」
カースン「俺だ。奴らはあんたのことを知っている。いいのか?自分でも知らないことを人に知られていても!」
キリコ「…」 ※そんなこと言われても~
カースン「中央情報室にはあんたのデータがある」
キリコ「…(冷や汗)」 ※怖いんだもん
カースン「何が怖い!あそこにあんたの過去があるんだぞ」
~~~~
(至近距離で撃っても、弾は反れる、銃は暴発する)
部下「司令官!」
リーマン「…!!!」
部下・放送「どうした!早くやれ!」
グレゴルー「御覧の通りだ。キリコは死にません」
部下・放送「命令だ!早くしないとお前達も命がないぞ」
バイマン「なんだと?!」
(周辺が爆破)
ムーザ「ちきしょう」
グレゴルー「初めからこうする気だったんだ」(キリコを担ぐ)
バイマン「おい、何のつもりだ」
グレゴルー「ここを抜け出すのさ。こいつがそばに居りゃあ死ぬ確率が少ねえってことにならねぇか?」
バイマン「あん?お、おい!」
キリコ「!」(グレゴルーから離れて走り出す)
グレゴルー「ん?やぁ、思った以上の野郎かも知れねえな、おめぇは」
ムーザ「うおっ!」(後ろで爆破し転ぶ)
バイマン「ん?先、行くぜー」(振り返って確認) ※走れなそうなら助けるんだろうw
ムーザ「くそぉ、地獄へ落ちやがれ!」(追い掛ける) ※照れ隠しか?!
バイマン「脱出だ!ここには居らんねぇ!」
グレゴルー「格納庫へ!」
(サイレン~各自、格納庫に並ぶATを奪取)
部下・放送「キリコ、グレゴルーらの搭乗を許すな!しゃさつしろ!」
ムーザ「へっ、もう乗っちまったぜ」 ※どや顔がカワイイ
(ゲートが開き、ATが外へ~司令塔に向かいローラーダッシュするキリコ機)
カースン「キリコ?!」
(キリコ機、撃つ!)
部下「司令官!」
(司令塔に直撃) ※そりゃあんな狙い易い塔のてっぺんにいるんじゃw
リーマン・部下「!!!」 ※慌てる皆さん、画像参照
(キリコ機、中央情報室へ)
キリコ「今だ!行くぞ!」
カースン「情報室?!」
(カースン機、追い掛ける)
バイマン「あ、あの野郎!」
ムーザ「気でも狂ったか?」
グレゴルー「いや、そうじゃねぇ。奴らの目を潰したんだ。これで何をやっても知ったこっちゃねぇや」
(周辺施設を破壊しまくる)
リー「暴動になる。自動防衛機甲を使え。第二方面隊を呼んで鎮圧に当たらせよ」
(あちこちから砲台等々が出てきてATを撃ち出す)
雑魚兵「なんだ?無差別にやる気か?」 ※悪いのは5人なのに、カワイソウ過ぎる
~~~
キリコ「騒ぎは意外な方向へ発展した。その夜、第二方面隊が到着し暴動の鎮圧が始まった」
~~~
部下2「駄目です。情報記録回路のほとんどは、破壊されました」
リー・部下「!!」
~~~
バイマン「とんでもねぇことになったなぁ」
グレゴルー「これも運だ」 ※運、気に入ってる?
ムーザ「あいつら、逃げられるかなぁ」(キリコとカースンを気遣う) ※優しぃぃ
~~~
兵士「キリコとカースン機を見付けました。逮捕しますか」
部下「ただちにころせ!欠片も残すな!」
兵士「了解」
カースン「思い切って突っ込むか?」
キリコ「無駄だ」
(囲まれた恐怖から、カースン機が発射)
キリコ「待て!ん?」
(二機を囲むAT部隊、動かない)
無線「キリコに対する攻撃を中止せよ!攻撃中止。これはペールゼン閣下の命令である」
~~~
(小型宇宙艇のタラップから降りて来る)
兵士「閣下、リーマン司令官です」
ペールゼン「私だ」
リーマン「閣下、何故中止命令を。奴はこの暴動の張本人です。奴は閣下のおっしゃるような人間ではありません。弾薬も食糧もなく、今度こそ奴はしぬ他はなかったのです。奴が生き延びたのは特殊な能力のせいではなく、他ならぬ閣下の中止命令の為です」
ペ「本人の能力と関わりなく、これはキリコの高い生存率に含まれる」
リ「!」 ※ああ言えばこう言う、か!
ペ「絶体絶命の窮地に於いて、奇跡的に私が到着したということ自体、奴の異常な特性を示すものだ。やれ」
~~~
リ「レッドショルダーの最高責任者、ヨラン・ペールゼン閣下だ」
ペ「お前をここに配属させたのは私だ。私は半生を理想の戦闘集団作りに捧げて来た。そして如何なる技術も管理も、優れた人的素材に敵わないことを知った」
キ「それが?」
ペ「お前は異能生存体だということだ」
キ「異能?」
ペ「生命体には他に比べ群を抜いて生存率の高い個体が存在する。私はそれを仮に異能生存体と名付けた。遺伝確率250億分の1、それがお前だ。そのような者だけの戦闘集団を想像してみろ。遺伝的に生存を保証された兵士達の組織こそ、真のレッドショルダーと言える」
キ「250億分の1しかいない人間で、どうして戦闘集団が作れる」
ペ「お前と同質の個体を無数に生産するのは可能だ、今の科学ではな。だからお前について調べ尽くした。それを教えてやろう」
キ「!」
ペ「16の時、お前は軍に入隊した。それ以前の放浪を繰り返していた少年時代。そして10歳の時、メルキアの難民センターに居たことはお前も記憶にあるだろう。問題はそれ以前だ」
キ「…やめてくれ!」
ペ「私がその調査の為にどれほどの情熱を注いだか知るまい」
キ「やめろ!聞きたくない」
ペ「お前は過去を拒否するが、過去を知り受け入れなければ、その苦しみから逃れることは出来ん」
キ「やめろ!」
ペ「その苦痛を乗り越えろ」 ※何故聞かせる必要が??
キ「やめろ!!」
ペ「私の話を聞けば、全てが終わるのだ。話してやろう、お前の誕生は!」
キ「やめろーーー!」(ペールゼンの首を掴む)
(尋問室へ行こうとする部下を止めるリーマン) ※嫉妬??
ペ「やめろ、、、キリコ」(ペールゼン、撃つ)
(尋問室へ入ってくるリーマンと部下)
リ「閣下、お怪我は」 ※みごろしに仕掛けた癖に、いけしゃあしゃあと!!
ペ「いや…」
部下「即死です」
ペ「何?!…なんと」
~~~
リ「他の者達は処罰しないことにします。サンサ戦でまとめて処分できましょう」
ペ「長い間、私は夢を見ていたらしい。異能生存体は存在しない」
リ「お察しします」 ※棒読み過ぎwww
ペ「いや、もしキリコがそうだったとしても」
~~~
グレゴルー「あんなに死なねえ奴が」
ムーザ「まだ夢見てるようだな」
(カースン、傷口を見つめる。心臓の鼓動)
グレゴルー「全く、あっけねぇもんだなぁ」
ムーザ「ああ…」
カースン「ん…キリコ!?」
グレゴルー「?!」
~~~
リ「信じ難いことですが、弾は僅かに心臓を逸れていました。私としても奴が異能生存体だと認めざるを得ません。しかし私には一抹の疑いも残っています。あの時、閣下の弾を僅かに逸らせたのも、これは閣下ご自身の心の奥底のキリコを生かしたいという祈りではなかったのかと」 ※ああ言えばこう言うを真似てみたww
ペ「奴はあまりにも危険な存在だ」 ※うん、敵にいたら嫌だよね?
(街を襲うレッドショルダー隊、炎に巻かれる少年キリコ)
ペ「私は間違っていなかった。しかし許すわけにはいかん」
(第三次サンサ攻略戦のテロップ)
キ「それから一週間もしないうちに、俺は元通りに回復した。そしてレッドショルダーが惑星サンサに向けて出発したのはその翌日のことだった」
グ「くそぉ、散々こき使った挙句、最前線送りか」 ※いや反逆罪が無罪放免なのよ?
ム「むかつくぜ」
バ「これも運ってやつさ」 ※運、お気に入りだね!
グ「ふん、そういうこったな」
(戦闘)
キ「はっ、ここは」
カ「キリコ、どうした?」
キ「ここは、見たことがある」
カ「なんだって?しかし、サンサは初めてだろ」
キ「いや、確かに知っている。俺はここに居たことがある」
カ「キリコ、記憶が戻りかけているんだ」
キ「ああ、しかし」
カ「確かめるんだ、キリコ!これを逃したら…うわぁっ」 ※致命的な戦闘を美化しないボトムズクオリティを支持しますw
キ「カースン!」
(ATのコックピット、負傷したカースン)
カ「…もう、駄目だ。キリコ、言っておきたいことがある」
キ「カースン」
カ「散々あんた、けしかけたな。だが、あんたのデータはなかった。いや実は、俺が欲しかったのはレッドショルダーの資料だったんだ」
キ「検討はついていた」 ※キリコが賢過ぎ?カースンが爪甘過ぎ?
カ「へへっ、だろうな…お陰でペールゼンのしていたことが明らかになった。既に軍はこのことを…」
キ「しっかりしろ!」
(一機敵襲、グレゴルーが援護)
グ「やられたのか!」
キ「カースン」
カ「行け、そして思い出せ…!」 ※何故最期までけしかける?
キ「カースン!」
(急発進するキリコ)
グ「キリコ!」
キ「間違いなかった。この風景は確かに俺がかつて」
(炎に巻かれる少年キリコ)
リ「キリコ、今度は俺が確かめてやる」 ※赤い肩とアンテナが発光してる~
(記憶の中の迫るレッドショルダーとリーマン機が重なる)
キ「そうだった。俺の過去をずたずたにしたのは」 ※サンサ星人だったのか?
(リーマン機+お供2機VSキリコ機)
リ「しなぬはずがあるか、しなぬはずが!」
キ「!!」
リ「必ずしぬはずだ、人間ならば!」
(戦闘終結の風景。絶命しているリーマン。グレゴルーに介抱されるキリコ)
キ「戦闘はそれから三日続いた後、終結した。この戦いでサンサの歴史は事実上終わった。そして俺は蘇生したのだった。過去という地獄の一部を覗いて」 ※また住み着くけどねw
~~~
(勝利宣言の行進、戦車、AT)
「100年戦争も一段落というところですな」
「和平交渉も有利に進むでしょう」
「サンサ編の勝利は実に意義深い。提案者のペールゼン大佐は国家特別功労賞ですな」
「どうだ?」
「カースンのもたらした情報は想像を絶するものです。これでペールゼンの失脚は間違いありません」 ※続編への布石~
(赤い肩のAT、整然と敬礼するレッドショルダー隊員が流れてくる)
「御覧なさい、レッドショルダー部隊です」
「彼もいよいよ公開に踏み切ったか」
「得意の程が察せられますな」
(違和感のある兵士が流れてきて、行進を見ていた民間人、軍幹部からどよめき。
4人からの視線に、目を見開き、息を飲むペールゼン)
咥え煙草に薄ら笑いを浮かべるグレゴルー。
片手を上げて軽薄なポーズを決めるバイマン。
腕組みをして無表情で見上げるムーザ。
直立不動で声に出さず「例え、神にだって俺は従わない」と言うキリコ。
(→ウド編→ザ・ラストレッドショルダー→クメン編→宇宙・サンサ編→クエント編、と続く)
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