優しい秋の空、こんな穏やかな日が2日続いています。
お散歩がてらデジカメを持ってスーパーへてくてく・・・。
ありきたりの昼下がりの散歩、空を見たり花を見たりです。
ですがここで思いも寄らないとてもとても不思議なことに遭遇しました。
今日は長編になりそうです。上手く伝えられるかわかりません。
でも最後迄読んでいただけたら嬉しいなと思います。
今日はいつものお散歩コースを少し変えて
遠回りだけどおそらくコスモスが咲いているだろうということで
大きなアンテナの敷地の裏を通ることにしました。
そこで期待どおり野に咲くコスモス発見!^^
うふふと思っていた時でした。
みゅ~みゅ~と猫のなく声がきこえます。
どこかな?と思いますが鳴き声ばかりで姿は一向に見つからず
?????暫くこんなときが流れて、そして何気にふっと下を見ると
なんとその鳴き声はこの穴↓の下からのよう・・・
半信半疑穴をのぞくとやはりそこに子猫が切なそうにいました。
こんなことテレビで見たことはあるものの・・・
どうしたらいいのでしょう。この分厚いセメントの間仕切り?は
私一人では到底持ち上がりそうにありません。
このまま見過ごすとどうなる・・・
強く鳴いているということは「助けて」と言っているの?
そして気づいたら110番していました。
もう何をどう説明していいか分かりませんし
警察に相談して解決できるかどうかも分かりません、
それでも何とかしたくて必死でした。
電話の向こうで「近くの交番から派遣します」とのこと。
何となく一安心。
子猫さんと一緒に静かに待ちます。
みゃあみゃあと泣くので
「もう少しで助けに来てくれるから、もう鳴かなくていいよ」とか
「大丈夫、心配しなくて大丈夫」とか「頑張って」とか声かけしながら
時は少しずつ流れていきます。しかし待てどおまわりさんは来ません。
何か事件があって来られないのかな?置き去りにされたような心地です。
それでも何とか子猫さんを励まそうと鳴き声を真似てみたり・・・。
すると車が1台止まり「けがしたの?」と声をかけてくれたので事情を説明。
そのおじさんも分厚いセメントの仕切りにう~んと唸っていて
一緒にあれこれ考えてくれました。
そしてそれから少したったくらいでしょうか。
バイクに乗った30歳くらいのおまわりさん登場。
あ~、これでどうにかなりそう・・・。
親切なおじさんは安心して去っていきました。
おまわりさんは子猫さんがどこから潜り込んでしまったのか
必死で探しますが見つからず、セメントの板も持ち上がらず。
色々試行錯誤です。
その間中も私は何をしていいか分からず子猫さんに呼びかけ。
おまわりさんも策が尽きたようで
消防署に連絡をとってくれました。
その間「この子猫さん、引き取りませんか?」と言われましたが
我が家は賃貸ですし、第一私は犬猫を飼ったことがないので
接し方を全く知りません(いい歳してお恥ずかしい^^;;)
おまわりさんの話では、引き取り手がいないとなると
このまま役所へ引き取られて1週間の命とのこと・・・。
切なくて言葉を失いますが私には本当にどうすることもできない。
複雑な思いが駆け巡る中、3人の消防士さん登場。
先のことは置いてとにかく救出、そう気持ちを切り替えます。
腕力ありそうな頼もしいかんじの30歳くらいの男性2人と
係長と呼ばれている50歳くらいの男性が1人。
セメントのきっちりはめ込まれた様子をみて
係長「これは、上がらんな」
隊員A「何か道具持ってきますか」
隊員Bが道具を取りにいきます。
隊員A、金具を両脇からはめ込んで持ち上げようとしますが
少し揺れるものの上がりません。
係長「市役所の土木課に頼まないと難しいようだ」
隊員A「係長、いけそうな気がします」
みんなで見守ります。
少しずつ少しずつ、持ち上がっていきます。
とうとう、分厚いセメントの間仕切り1枚外すことができました。
あ~これで本当に助かりそう・・・
私はここでやっと胸を撫で下ろすことができました。
しかし開いた扉の方へなかなか来ようとしてくれません。
やはり警戒しているのでしょうか、奥の方へより遠くへ行ってしまい。
それでも5人力を合わせて係長も猫の鳴き声を真似ながら
必死に導きます。何度か失敗したもののもともと
人懐っこい性格だったようでぴょんと駆け上がり外の世界へ、
警戒しているのか私達から数メートル離れたところまで
走っていきました。
そして係長は「猫は救出したが逃げられました」と無線で報告。
業務上は捕獲失敗、でもそれは係長の思いやりでした。
おまわりさんも消防隊員も最後迄見捨てずに付き合って下さり
救出してくれたことを本当にありがたく思います。
そしてみんなで「頑張って生きろよ~」と声をかけて解散しました。
そして私はそのままスーパーへ。
でもあの子猫さんのことが気にかかります。
あのこはどれくらいいたかは分からないもののよく我慢して頑張ったので
餌付けはいけないけれど、ご褒美だけならと思い、
帰りも寄ってみました。
そして第2章の始まりです。
みゃあと鳴き声が聞こえ見るとフェンスの中の草むらに
ひっそり体をかがめているではありませんか!
買って来た竹輪を取り出し、ご褒美ご褒美。
そんな愛らしい姿を撮っていたときです。
向こうから歩いて来たご夫婦が
「わあ!猫ちゃん助かったのね~、良かった。」と。
朝のお散歩の時、この子猫の存在に気づいたものの
どうしようもできず、せめて食べ物だけでもということで
いらっしゃったようでした。ひととおり事情を
説明すると、奥様は「良かった良かった」と涙を流されていて
私もつられてまぶたがじんわり熱くなりました。
おまわりさんや消防隊員の方の話にもとても感動され
この喜びを一緒に分かち合える人が居て私も嬉しく。
いりこやお水ももらって子猫はすっかり元気。
寝そべってみたりじゃれついたり、警戒心は薄らぎ
そのご主人の腕の中でお昼寝。
私は猫というものをよく知りませんが、この子猫さんは
どうやら野良ではなさそうということ。それでは???
今後どうしたら良いものかと3人であれこれ相談していたら
また一人自転車に乗った御婦人が来て
「わ~良かった」と、こちらの方も気になって何か餌をと思い
持って見えたようでした。
世の中には優しい人がいるものですね~。
猫ちゃんは感謝して精一杯生きないと!運の強い子猫さんです。
でもその中の誰一人、子猫さんを引き取ることができません。
そしてみんなでまたあれこれ今後を考えます。
その結果、ご夫婦がこの近所の猫を飼っている方をあたり
もし飼い主でなかったら近所の猫好きの方に託そうと
いう方向で決まりました。
やさしいこころのあったかいご夫婦が
快く飼い主さん探しをしてくださることになり本当に大安心。
私はここで子猫さんとお別れ。そして秋桜(コスモス)を撮影。
秋桜が導いた不思議な奇跡でした。
最後まで読んで下さった方、ありがとうございました。
これから毎年秋桜を見るたび、この出来事を思い出しそうです。